リストアを行う前に以下の作業を行う必要があります。
環境設定の確認
復元時のデータベース上書きを許可
データベースのディスマウント
QuickOPCセッションの停止(差分スナップショット型バックアップの場合だけ)
Microsoft Exchange Search Host Controllerサービスの停止(Exchange Server 2013以降の場合)
「8.1.3 事前準備」を参照して、バックアップ時と同じ構成で環境が設定されていることを確認してください。
Exchange管理コンソールを使用して、リストア対象データベースに対して、[復元時はこのデータベースを上書きする]オプションを指定します。
Exchange管理コンソールを使用して、リストア対象データベースをディスマウントします。ディスマウント後はExchange管理コンソールを閉じてください。
差分スナップショット型バックアップの場合、リストアを行う前に業務ディスクに設定されているすべてのQuickOPCセッションをswsrpshadowadm_exchange stopqopcコマンドで解除する必要があります。業務ディスクに設定されているQuickOPCセッションは、swsrpshadowadm_exchange statusコマンドで確認できます。
注意
業務ディスクにQuickOPC中のバックアップディスクが存在する場合は、リストアを実行できません。
物理コピー実行中のQuickOPCを解除する場合は、事前に、シャドウコピーを削除しておく必要があります。
Exchange Server 2013以降の場合、リストア先のサーバでMicrosoft Exchange Search Host Controllerサービスを停止します。ただし、Microsoft Exchange Search Host Controllerサービスを停止する場合、インデックスの作成や検索に影響する可能性があります。
本サービスの停止による影響を考慮のうえ、実施してください。
リストアは、業務サーバ上でswsrpvssrestore_exchangeコマンドを実行して、データベース単位で行います。
リストア前に、すべてのリストア対象データベースがディスマウントされている必要があります。リストアはアドバンスト・コピー(OPC)を使用して実施されます。
リストアには以下の方法があります。
Point-in-timeリストア(バックアップ時点へのリストア)
ロールフォワードリストア(最新時点へのリストア)
ポイント
リストア実行時は、リストア先ボリュームをほかのプロセスがアクセスできない状態にして処理する必要があるため、前後処理でリストア先ボリュームをロックします。
(複写先ボリュームロック動作指定ファイルで「NoPrePost=on」を設定しないでください。)
Point-in-Timeリストアは、データベースをバックアップ時点の状態へリストアします。Point-in-Timeリストアは、swsrpvssrestore_exchangeコマンドに-pointオプションを指定して実行します。-pointオプションが指定された場合、本コマンドはバックアップボリュームからすべてのバックアップファイル(*.edb、*.log、*.chk)をリストアすることで、データベースをバックアップ時点へリストアします。
図8.19 Point-in-Timeリストア
[実行例]
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssrestore_exchange -point -dbname Mailbox1 swsrpvssrestore_exchange successfully completed C:\>
ロールフォワードリストアは、データベースを最新時点へリストアします。
ロールフォワードリストアは、swsrpvssrestore_exchangeコマンドに-rollオプションを指定して実行します。-rollオプションが指定された場合、本コマンドは以下の動作を行います。
データベースファイル(*.edb)だけをリストアします。
業務ボリュームに存在するログファイルを使用してログ適用を行います。
データベースを最新時点へリストアします。
図8.20 ロールフォワードリストア
[実行例]
C:\>C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpvssrestore_exchange -roll -dbname Mailbox1 swsrpvssrestore_exchange successfully completed C:\>
注意
ロールフォワードリストアを実行するには、以下の条件を満たしている必要があります。
最新の完全バックアップが実行された時刻のあとに作成されたすべてのトランザクションログがある
現存しているログファイルについて、その世代番号(EnnXXXXXXXX.logの"XXXXXXXX"部分)が連続している
データベースのパスを変更した直後に新しいバックアップが作成されている
ESEUTIL /p(破損または損傷しているデータベースの修復)、ESEUTIL /d(データベースのデフラグ/圧縮)を実行した直後に新しいバックアップが作成されている
リストアコピーの実施状況は、swsrpstat_exchangeコマンドで確認できます。
[実行例(OPCでリストアを行った場合)]
C:\> C:\Win32App\AdvancedCopyManager\bin\swsrpstat_exchange -dbname Mailbox1 Server Original-Volume Replica-Volume Direction Status Execute EXCHG-SVR g1d1p1@EXCHG-SVR g1d11p1@BKUP-SVR reverse snap 80% EXCHG-SVR g1d2p1@EXCHG-SVR g1d12p1@BKUP-SVR reverse snap 63% EXCHG-SVR g1d1p1@EXCHG-SVR g1d13p1@BKUP-SVR ---- ---- ---- EXCHG-SVR g1d2p1@EXCHG-SVR g1d14p1@BKUP-SVR ---- ---- ---- C:\>
リストアを行ったあとは、以下の作業が必要です。
Microsoft Exchange Search Host Controllerサービスの起動(Exchange Server 2013以降の場合)
データベースのマウント
Exchange Server 2013以降の場合、リストア先のサーバでMicrosoft Exchange Search Host Controllerサービスを起動します。
Point-in-Timeリストアの場合、Exchange管理コンソールを使用してディスマウント状態となっているストアをマウントします。ロールフォワードリストアの場合は、以下の手順でストアをマウントします。
ロールフォワードリストアの場合は、CHKファイル(EXX.chk)を削除またはリネームします(Point-in-Timeリストアの場合は、本手順を実施しないでください)。
Exchange管理コンソールからディスマウント状態となっているストアをマウントします。
テープバックアップからリストアを行う場合は、テープ媒体のバックアップデータをバックアップサーバにリストアしたあと、swsrpvssrestore_exchangeコマンドを実行する必要があります。
また、バックアップボリュームがシャドウコピーとして使用されている場合は、シャドウコピーを削除したあとにテープバックアップデータをリストアする必要があります。リストア作業の流れを以下に示します。
図8.21 スナップショット型リストア(OPCによるリストア)を行う場合
注: パーティションを作成できない場合、ディスクが読取り専用(read-only)ボリュームになっている可能性があります。そのときは、コマンドプロンプトで"Diskpart"を起動して、ディスクの読取り専用属性を解除してください。