各ディテクタインスタンスは、デバッグメッセージを保存しておくために、10KBのメモリバッファを内部に持っています。この内容は、デバッグイベント (予期せぬリソース状態の報告) が発生した場合に専用のログファイルに書き込まれます。このバッファは循環バッファです。つまり、新しいメッセージの発生により、バッファのオーバーフローが発生しそうになると、保存されているメッセージの最も古いものから1つまたはそれ以上が上書きされます。この処理はデバッグイベントによってバッファ全体がログファイルに書き出されるまで続き、書き出された時点でバッファはリセットされます。このため、もっとも新しいメッセージのみがログに記録されます。古いデータは、デバッグイベントが発生した時点によっては失われている場合があります。
バッファの内容がログファイルに書き出される場合、メッセージは時系列に沿って書き込まれます。注意すべきことは、バッファ内の最新のメッセージはそのデバッグイベントによって生成されたものですが、バッファ内のそれ以前のメッセージは必ずしも関連したメッセージであるとは限らないという点です。ディテクタのログを参照すると、一連の開始メッセージに続いて、デバッグイベントメッセージが現れ、次にまた別の開始メッセージ、それに続いて別のデバッグイベントメッセージ、という形で記録されていることが分かります。このため、ディテクタのデバッグメッセージのすべてについて、検討中の問題と関連しているかどうかを、タイムスタンプと内容を見て確認する必要があります。
ディテクタが生成するメッセージにはすべて詳細レベルが割り当てられており、このレベルが高いとより多くのデバッグ情報が出力されます。実行時には、ディテクタの現在のログレベルと同じかそれより低いレベルのメッセージのみが内部のバッファに保存されます。各ディテクタのログレベルの初期値は1に設定されています。
注意
あるログレベルで生成される情報の量は、ディテクタのリソースタイプで決まります。高いログレベルが指定されたあるディテクタよりも、低いレベルが指定された別のディテクタのほうが、出力が多い場合もあります。