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PRIMECLUSTER  RMS 導入運用手引書 4.7

E.3 RMSローカル環境変数

ローカルのRMS環境変数の設定はノードごとに異なります。このセクションでは、RMSローカル環境変数について説明します。

HV_AUTOSTARTUP

設定値: 0、1
デフォルト : 1(AutoStartUp属性の通常の処理)

ローカルノード上にある全userApplicationオブジェクトのAutoStartUp属性を制御します。1 (デフォルト) に設定すると、各userApplicationの自動起動は、それぞれのAutoStartUp属性によって決まります ("D.1 ユーザ設定属性" を参照)。0に設定すると、userApplicationに設定されたAutoStartUp属性は無視され、自動起動は行われません。HV_AUTOSTARTUPは、hvsetenvコマンド、またはCluster Adminの [ツール] メニューから設定します。いずれに設定した場合でも、変更結果はRMSの次回起動時まで反映されません。

HV_CONNECT_TIMEOUT

設定値: 5- MAXINT
デフォルト : 30(秒)。通常は、ユーザがデフォルト設定を変更する必要はありません。

相手ノードからハートビートがない状態がこの時間 (秒数) だけ経過すると、ベースモニタはノードとの接続が切断されたと判断し、UDPハートビートリカバリタイマーを起動します。

5未満の数値を入力すると、システムによって5に変換されます。

HV_LOG_ACTION

設定値: on、off
デフォルト : off

RELIANT_LOG_PATHファイルシステム上の使用済み領域がHV_LOG_ACTION_THRESHOLD以上になった場合に、そのディレクトリにある現在のログファイルが削除されるかどうかを決定します。詳細については、"HV_LOG_ACTION_THRESHOLD"を参照してください。

HV_MAX_HVDISP_FILE_SIZE

設定値: 0 - MAXINT
デフォルト : 20,000,000 (バイト)

RMSが構成データおよび構成変更と状態変化に関する情報をhvdispに提供するために使用する一時ファイルが、無限に大きくなるのを防止します。このRMS環境変数の値は一時ファイル<RELIANT_PATH>/locks/.rms<hvdispプロセスのプロセスID>の最大サイズ (バイト数) です。

HV_MAXPROC

設定値: 0 - 99
デフォルト : 30

RMSが同時に実行できるスクリプトの最大数を定義します。ほとんどの場合は、デフォルト (30) で十分です。

HV_MLOCKALL

設定値: 0、1
デフォルト : 0

1に設定するとベースモニタプロセスおよび割当てたすべてのメモリは、メモリ内でロックされます。0 (デフォルト) に設定すると、ベースモニタはスワップアウトされる場合があります。

HV_RCSTART

設定値: 0、1
デフォルト : 1 (RMSをrcスクリプトで起動します)

RMSをrcスクリプトで起動するかどうかを決定します。1 (デフォルト) に設定すると、RMSはシステムの起動時に、rcスクリプトから自動で起動されます。0に設定されていると、RMSは手動でhvcmコマンドによって起動する必要があります。HV_RCSTARTは、Cluster Adminの [ツール] メニューまたはhvsetenvコマンドで設定できます (rc起動の前提条件: CONFIG.rmsが存在し、有効なエントリがあること)。

HV_REALTIME_PRIORITY

設定値: 0 - 99
デフォルト : 50

RMS BM (ベースモニタ) とそのディテクタのRTクラス内の優先順位を定義します。この値を設定する場合は注意が必要です。優先順位を高く設定すると、他のOSのリアルタイムプロセスが、プロセッサのタイムスライスを取得できなくなる可能性があります。低く設定すると、RMS BMがディテクタからの通知に反応できなくなったり、コマンドラインユーティリティからの要求を実行できなくなったりする可能性があります。

この変数はSolaris でのみ有効です。 Linux プラットフォーム上では何の効力もありません。

HV_SCRIPTS_DEBUG

設定値:0、1
デフォルト : 0

RMSスクリプトによるデバッグ出力情報を制御します。この変数を1に設定すると、Wizard Toolsによって生成され管理されるスクリプトの設定いかんにかかわらず、RMSファイルに対して実行されたコマンドに関する詳細な実行時情報が書き込まれます。 記録される情報の内容はスクリプトによって異なります。この設定は、PRIMECLUSTER製品提供のスクリプトにのみ適用されます。スクリプトによるデバッグ情報の記録を停止するには、hvenv.localでHV_SCRIPTS_DEBUGエントリを削除するか、export HV_SCRIPTS_DEBUG=0を指定してください。

注意

この変数がhvenv.localに設定された場合、RMSはこれをスクリプト環境に追加しますが、それ以外の処理はしません。 このため、Cluster Admin GUI およびhvdisp ENVL出力には表示されません。

HV_SYSLOG_USE

設定値:0、1
デフォルト : 1 (hvenvにおける設定)

RMS BM (ベースモニタ) からシステムログへの出力を制御します。RMSは常に、ERROR、FATAL ERROR、WARNINGおよびNOTICEの各メッセージをswitchlogファイルに記録しています。デフォルトでは、これらのメッセージはシステムログファイル (Solarisでは/var/adm/messages、Linuxでは/var/log/messages) にも同時に出力される設定になっています。RMSメッセージのシステムログファイルへの出力を停止するには、hvenv.localでexport HV_SYSLOG_USE=0に設定します。

注意

Linuxではこの変数を0に設定することを推奨します。Linuxでこの変数が1に設定されている場合、システム高負荷時、OSのシステムログ処理の性能限界により、システムログ出力がハングすることで、RMSが他ノードからのハートビートに応答できなくなることがあります。

HV_VM_ENABLE_IP_ADVERTISE

設定値:0、1
デフォルト : 0

I/Oフェンシング機能を使用するVMware環境で、I/Oフェンシングによる切替えが発生した場合に、切替え先のノードから定期的に引継ぎIPアドレスのARPパケットを送信(通信機器に対して通信経路を通知)する機能の有効/無効を指定します。

1に設定すると機能が有効になります。本設定を行うと、切替え先のノードからARPパケットを60秒周期で送信します。また、以下のいずれかの条件を満たすとARPパケットの送信を終了します。

  • RMS環境変数HV_VM_IP_ADVERTISE_COUNTで指定された回数ARPパケットを送信した(デフォルトで約4時間)。

  • I/Oフェンシング機能によりパニックした切替え元のノードが再起動し、CFが起動した。

  • 切替え先のノードでuserApplicationのOffline処理が行われた。

0に設定すると機能が無効になります。

注意

  • userApplicationの切替え時、Glsリソースまたは引継ぎネットワークリソースのOnline処理の過程で、引継ぎIPアドレスへの通信経路は切替え先のノードに更新されますが、切替え元のノードのパニック処理がOSハングなどにより遅延した場合、通信経路が切替え元のノードに戻る可能性があります。本機能を有効にすると、引継ぎIPアドレスの通信経路が切替え元のノードに戻った場合に、通信経路を短時間で切替え先のノードに更新し直すことができます。

  • 以下のいずれかの場合、本機能を設定しても有効にはなりません。

    • 引継ぎIPアドレスにIPv6アドレスを使用する場合

    • userApplicationにGlsリソースまたは引継ぎネットワークリソースを登録しない場合

HV_VM_IP_ADVERTISE_COUNT

設定値:任意の回数
デフォルト : 240(回)

I/Oフェンシング機能を使用するVMware環境で、切替え先のノードから引継ぎIPアドレスのARPパケットを送信する機能を使用する場合、本RMS環境変数により60秒周期のARPパケットの送信回数を指定できます。

回数を0に設定すると、送信回数の制限がなくなりARPパケットを送信し続けるようになります。

RELIANT_HOSTNAME

設定値: 任意の有効な名前
デフォルト : <ノード名>RMS

RMSクラスタ内のローカルノードの名前。RMSサフィックスが付くCF名 (fuji2RMSなど) の出力をこのRMS環境変数に割当てて、このRMS環境変数のデフォルト値を定義します。

export RELIANT_HOSTNAME=`cftool -l 2>/dev/null | tail -1 | 
cut -f1 -d" "`RMS

この事前設定値が適切でない場合は、すべてのクラスタノード上で変更する必要があります。

指定したクラスタノード名は、<configname>.us構成定義ファイル内のSysNode名と一致していなければなりません。ノード名によって、RMSがこのノードとの通信を確立する際に使用するIPアドレスが決まります。

RELIANT_INITSCRIPT

設定値: 任意の実行可能スクリプト
デフォルト : <RELIANT_PATH>/bin/InitScript

システム起動時にRMSが実行する初期化スクリプトを指定します。このスクリプトは、他のプロセスが起動する前に実行されます。このスクリプトは、それが定義されているすべてのクラスタノード上で1度実行されるグローバルスクリプトです。

RELIANT_STARTUP_PATH

設定値: 任意の有効なパス
デフォルト : <RELIANT_PATH>/build

RMSの起動時に構成定義ファイルを探す場所を定義します。

SCRIPTS_TIME_OUT

設定値: 0 - MAXINT
デフォルト : 300 (秒)

すべてのRMSスクリプトが終了するまでのグローバル時間を (秒数で) 指定します。このRMS環境変数で定義した時間内に特定のスクリプトを終了できない場合は、スクリプトが失敗したと想定され、RMSがスクリプト失敗に対する適切な処理を開始します。

この値が小さすぎると、エラーが不必要に生成されて、アプリケーションをオンラインまたはオフラインにできない場合があります。また、この値が極端に大きいと、スクリプトの失敗を想定するまでの待ち時間が長くなりすぎます。

このグローバル設定値は、RMSが監視するすべてのオブジェクトについて適切であることが必要です。そうでない場合は、ScriptTimeout属性のオブジェクト固有の値が代わりに使用されます。