以下のフェイルオーバ運用およびシステム構成をサポートします。
ストリーミングレプリケーションを構成する以下のサーバでフェイルオーバ運用が可能です。
非同期レプリケーションのみを行うプライマリサーバ
非同期レプリケーションのスタンバイサーバ
カスケードスタンバイサーバ(カスケードレプリケーション構成)
注意
同期レプリケーションを実施すると、サーバ間の回線切断やスタンバイサーバが停止した場合、プライマリサーバからスタンバイサーバへのログ転送ができず、プライマリサーバのインスタンスで稼働する業務が停止してしまいます。そのため、プライマリサーバでの業務継続性を確保するために、同期レプリケーションはサポートしません。ただし、レプリケーション元とレプリケーション先がどちらもフェイルオーバ運用ではないサーバ間で同期レプリケーションが実行されている環境に、追加の非同期スタンバイサーバとしてフェイルオーバ運用のサーバを追加することは問題ありません。
フェイルオーバ運用を行うサーバをMirroring Controllerの監視対象とすることはできません。
ストリーミングレプリケーションのセットアップや使用方法については“PostgreSQL Documentation”を参照して実施してください。ここでは、ストリーミングレプリケーションとフェイルオーバ運用を組み合わせる上で特に注意すべき点について記載しています。
ストリーミングレプリケーションの接続状態はPRIMECLUSTERによる監視対象ではありません。
ストリーミングレプリケーションが切断された場合でも、スタンバイサーバでのデータベース業務は継続可能ですが、切断状態が長期化すると、データベースの内容の最新性が損なわれるため、必要に応じて接続状態の監視や業務継続を判断してください。
プライマリサーバまたはスタンバイサーバでのフェイルオーバ運用は、スタンバイ機能でかつ1:1運用待機をサポートします。また、クラスタアプリケーションはプライマリサーバまたはスタンバイサーバの単位で作成します。
以下の図では、プライマリサーバまたはスタンバイサーバをフェイルオーバ運用する場合の構成を示しています。プライマリサーバまたはスタンバイサーバに共有ディスク上のファイルシステムがあり、運用系ノードでのみマウントされます。
プライマリサーバをフェイルオーバ運用する場合の構成図
スタンバイサーバをフェイルオーバ運用する場合の構成図
ポイント
データベースにアクセスするユーザーアプリケーションからの接続を行うネットワーク(業務用ネットワーク)と、スタンバイサーバからのストリーミングレプリケーションの接続を行うネットワーク(ログ転送用ネットワーク)を異なるネットワークに配置することも可能です。
スタンバイサーバおよびプライマリサーバにおけるFujitsu Enterprise Postgresの資源と配置先については、“1.2 フェイルオーバ運用のシステム構成”と同じです。
ポイント
スタンバイサーバのバックアップデータ格納先ディレクトリについては、スタンバイサーバをプライマリサーバに昇格させることがない運用の場合は不要です。
参照
キーストア・ファイルの配置については、“運用ガイド”の“データベース多重化運用を用いないHAクラスタ”を参照してください。