RMSは、2ノード以上の構成でクラスタのハードウェアおよびソフトウェアの可用性を保証する、HAマネージャです。PRIMECLUSTERは、各コンポーネントの冗長化と、稼動中のノードへの監視対象リソースのフェイルオーバ機能により可用性を保証します。
たとえば、以下に示すようなシステムコンポーネントが監視対象リソースになります。
ファイルシステム
ボリューム (ディスク)
アプリケーション
ネットワークインタフェース
ノード全体
RMSでは、クラスタシステムの複数ノードを使用し、各ノードは他のノードのリソースを引き継ぐように設定され、ユーザ業務は冗長化されます。
ユーザ業務の可用性は、ディテクタプログラムを使ったリソース監視により保証されます。リソースに障害が発生すると、RMSはユーザ定義のリカバリ処理を起動します。このリカバリ処理が、他のノード上でリソースを使用できるようにするトリガになります。
依存関係にある複数リソースは、グループ化することで、グループ内のリソースの一部に障害が発生したときにグループ全体に対するリカバリ処理を実行されるようにすることも可能です。フェイルオーバ時には、元のノード上のすべてのリソースを確実にオフラインにしてから、新しいノード上でリソースをオンラインにします。これにより、複数ノードが同時に1つのリソースにアクセスしようとする競合により、データが破損する可能性を排除します。
以下の図は、RMSのディテクタによるリソース監視方法を示しています。ディテクタからRMS BM (ベースモニタ) にリソースの状態変化が通知されると、RMSは対処が必要であるかどうか判断します。
図2.8 RMSのリソース監視
プロセス監視機構はRMSに対してプロセスの状態を通知します。プロセス監視機構の長所は以下のとおりです。
プロセスの状態を素早く低い負荷によりRMSに通知します。これはユーザアプリケーションの高速な切替えにつながります。
不慮のエラーにより終了したプロセスを自動的に再起動します。
プロセスの状態を確認するためのコマンドを用意する必要がありません。