ここでは、Symfoware抽出レプリケーションがサポートするデータベースの機能範囲と注意事項について説明します。
データベース機能のサポート範囲
データ項目の長さと属性
その他の注意事項
レプリケーションが可能なSymfoware Server(Nativeインタフェース)のデータベース機能のサポート範囲を説明します。
データベースの文字コードセット
レプリケーション可能なデータベースの文字コードセットは以下です。
SJIS-MS
EUC-S90
EUC-U90(Linux、Solarisの場合のみ)
UNICODE (CHARACTER型はUTF8、NATIONAL CHARACTER型はUCS2)
レプリケーション対象資源
一意性制約の指定がある以下の実表の格納構造の表に対するレプリケーションが可能です。
それ以外の、一時表、ビュー、シーケンスまたはOBJECT構造などをレプリケーション対象にすることはできません。
SEQUENTIAL構造
RANDOM構造
レプリケーション対象動作
一括差分複写で取得可能な差分データは、以下のSQL文およびコマンドによって行われたデータベースへの更新動作によるものです。
INSERT文
UPDATE文
DELETE文
rdbupdコマンド
rdbexecsqlコマンド
注意
上記以外の方法でデータベースを更新すると、複写元データベースと複写先データベース間の整合性が保てなくなります。一括差分複写業務の運用中は実行しないでください。誤って実行した場合は、複写元データベースと複写先データベースの同期をとるために、全複写を行う必要があります。
列のデータ型
列のデータ型には、レプリケーションがサポートしているデータ型と、未サポートのデータ型があります。また、サポートしているデータ型にも扱える定義属性に条件があります。以下に詳細を示します。
<表省略:注は備考として表記する>
データ型 | サポート | 備考 |
---|---|---|
SMALLINT型 | ○ | |
INTEGER型 | ○ | |
NUMERIC型 | ○ | |
DECIMAL型 | ○ | Symfoware Server(Nativeインタフェース)ではDECIMAL型はNUMERIC型と等価の扱いであるため、Linkexpress Replication optionではNUMERIC型として扱います。 |
REAL型 | ○ | |
DOUBLE PRECISION型 | ○ | |
FLOAT型 | ○ | 桁数が1~24桁の場合はREAL型、桁数が25~53桁の場合はDOUBLE PRECISION型として扱います。 |
CHARACTER型 | ○ | |
CHARACTER VARYING型 | ○ | |
NATIONAL CHARACTER型 | ○ | |
NATIONAL CHARACTER VARYING型 | ○ | |
TIMESTAMP型 | ○ | |
DATE型 | ○ | |
TIME型 | ○ | |
BYNARY LARGE OBJECT | ○ | 実際のデータ長については“列のデータ長や精度の制限”を参照してください。 |
INTERVAL YEAR型 | ○ | |
INTERVAL YEAR TO MONTH型 | ○ | |
INTERVAL MONTH型 | ○ | |
INTERVAL DAY型 | ○ | |
INTERVAL DAY TO HOUR型 | ○ | |
INTERVAL DAY TO MINUTE型 | ○ | |
INTERVAL DAY TO SECOND型 | ○ | |
INTERVAL HOUR型 | ○ | |
INTERVAL HOUR TO MINUTE型 | ○ | |
INTERVAL HOUR TO SECOND型 | ○ | |
INTERVAL MINUTE型 | ○ | |
INTERVAL SECOND型 | ○ |
列のデータ長や精度の制限
列のデータ型によっては、実際に扱えるデータの長さや桁数の上限値、決められた精度などレプリケーションを行う上での制限があります。以下に制限事項を示します。
データ型 | 制限事項 |
---|---|
BYNARY LARGE OBJECT | 1トランザクション当たりの最大サイズは、768Mバイトです。 |
抽出レコードの長さの制限
抽出レコードの長さの制限は以下のとおりです。
2,147,483,647バイト以下、または
32,000バイト以下(RANDOM構造の場合)
環境変数
Linkexpress Replication optionのコマンドは、Symfoware Server(Nativeインタフェース)の環境変数が必要です。Symfoware Server(Nativeインタフェース)の環境変数についての詳細は、Symfoware Serverのマニュアルを参照してください。
Symfoware Server(Nativeインタフェース)の場合、抽出データ格納ファイル内の抽出データの属性は、データベースのデータ型に従います。DBサービス定義には、データ項目の長さとして指定します。
ここでは、上記以外の特に注意が必要な事項について説明します。
Symfoware Server(Nativeインタフェース)の異常や、Linkexpress Replication optionの資源の配置先がディスク破壊などの理由により、一括差分複写業務が異常終了した場合には、全複写を行い、複写元データベースと複写先データベースの同期をとる必要があります。
Linkexpress Replication optionでは、トランザクションログファイルへの差分データの格納は、データベースを更新するトランザクションと同期をとっています。そのため、利用者プログラムへのオーバヘッドを考慮した運用設計を実施してください。