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ETERNUS SF Express 16.9 / Storage Cruiser 16.9 / AdvancedCopy Manager 16.9 導入ガイド
FUJITSU Storage

4.2.3 SNMPトラップの設定

運用管理サーバでSNMPトラップを受信するために、SNMPの設定をします。

4.2.3.1 SNMPトラップ設定(Windows環境の場合)

運用管理サーバのSNMPトラップ設定は、SNMPv1プロトコルだけを利用して装置を監視する場合と、以下のどちらかの場合で異なります。運用環境に応じた設定を行ってください。

SNMPv1プロトコルだけ利用して装置を監視する場合

Windows標準SNMPトラップ受信サービス(SNMP Trap)をインストールしてください。
このサービスは、OSのインストールメディアに含まれています。

SNMPv3プロトコルだけを利用して装置を監視する場合、またはSNMPv1プロトコルおよびSNMPv3プロトコルを利用して装置を監視する場合

SNMPトラップを利用するほかのアプリケーション(Systemwalker Centric Manager、ServerView Resource Orchestratorなど)が同居しないとき
  1. 以下の手順でExpressマネージャーを停止します。

    1. [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[管理ツール]-[サービス]をクリックして、サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[停止]ボタンをクリックします。

  2. コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、ETERNUS SF SNMP Trap Serviceを導入します。$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。

    > powershell -ExecutionPolicy Unrestricted $INS_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\sbin\swsttctr.ps1 -install
  3. 以下の手順でETERNUS SF SNMP Trap Serviceを起動します。

    1. サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF SNMP Trap Service"を選択し、[開始]ボタンをクリックします。

  4. 以下の手順でExpressマネージャーを起動します。

    1. サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[開始]ボタンをクリックします。

SNMPトラップを利用するほかのアプリケーション(Systemwalker Centric Manager、ServerView Resource Orchestratorなど)が同居するとき

注意

SNMPトラップを利用するほかのアプリケーションが同居する場合は、管理対象のIPアドレスはIPv4アドレスだけを使用してください。管理対象のIPアドレスにIPv6アドレスの装置を含む場合は、SNMPトラップを利用するほかのアプリケーションと同居できません。

  1. 以下の手順でExpressマネージャーを停止します。

    1. [コントロールパネル]-[システムとセキュリティ]-[管理ツール]-[サービス]をクリックして、サービス画面を開きます。

    2. "ETERNUS SF Manager Tomcat Service"を選択し、[停止]ボタンをクリックします。

  2. コマンドプロンプトから以下のコマンドを実行し、ETERNUS SF SNMP Trap Serviceを導入します。$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。

    > powershell -ExecutionPolicy Unrestricted $INS_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\sbin\swsttctr.ps1 -install
  3. 付録H SNMPトラップ転送プログラムの導入と設定」を参照し、SNMPトラップ転送プログラムを導入してください。

4.2.3.2 SNMPトラップ設定(Linux環境の場合)

運用管理サーバのSNMPトラップ設定は、SNMPv1プロトコルだけを利用して装置を監視する場合と、以下のどちらかの場合で異なります。運用環境に応じた設定を行ってください。

SNMPv1プロトコルだけ利用して装置を監視する場合

運用管理サーバでSNMPトラップを受信するために、OS標準のnet-snmpパッケージに含まれるsnmptrapdの設定ファイルをカスタマイズします。

ポイント

snmptrapdの設定は/etc/snmp/snmptrapd.confファイルにありますが、ほかの製品では/usr/share/snmp/snmptrapd.confファイルも使用している場合があります。
設定では、ほかの製品との共存のために両方のファイルを確認してください。

アクセス制御の設定状況確認

アクセス制御の設定状況を確認します。
snmptrapd.confファイルに以下の設定がなければ、アクセス制御が有効になっています。

disableAuthorization yes

注意

  • /etc/snmp/snmptrapd.confファイルと/usr/share/snmp/snmptrapd.confファイルの両方の、アクセス制御の設定状況を確認してください。

  • ほかの製品からの要求がなければ、/etc/snmp/snmptrapd.confファイルに上記の"disableAuthorization yes"を設定して、アクセス制御を無効にしてください。

SNMPトラップ受信の設定(アクセス制御が無効な場合)

/etc/snmp/snmptrapd.confファイルに以下の設定を追加します。

forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
SNMPトラップ受信の設定(アクセス制御が有効な場合)

以下の設定を追加します。

authCommunity net public
authCommunity net SANMA
forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket

/etc/snmp/snmptrapd.confファイルと/usr/share/snmp/snmptrapd.confファイルの両方を確認し、ほかの製品によってauthCommunityが設定されている方のsnmptrapd.confファイルを編集してください。どちらにも設定がなければ、/etc/snmp/snmptrapd.confファイルを編集してください。

参考

  • authCommunityは、アクセス制御が有効になっている場合に編集できる項目です。

    書式は以下のとおりです。

    authCommunity TYPES COMMUNITY [SOURCE [OID | -v VIEW ]]
    
      TYPES: log,execute,net
      COMMUNITY: 監視対象のSNMPトラップのコミュニティー名

    TYPESフィールドにはlog、execute、netを設定できます。
    COMMUNITYフィールドには、監視対象装置のSNMPトラップのコミュニティー名を設定します。
    なお、Expressでは、SOURCE、OID、およびVIEWフィールドを設定しないでください。

    例えば、以下のように設定します。

    authCommunity net public
    authCommunity net SANMA
  • SNMPトラップのコミュニティー名がpublicとSANMA以外のETERNUS ディスクアレイを監視する場合は、authCommunityの設定を追加します。
    例えば、コミュニティー名がcommonのETERNUS ディスクアレイを監視対象にする場合は以下のように設定します。なお、publicとSANMAの設定は必須です。

    authCommunity net public
    authCommunity net SANMA
    authCommunity net common
    forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
  • authCommunity logやauthCommunity executeがほかの製品によってすでに設定されている場合は、コンマ(,)区切りでnetを追加します。
    例えば、authCommunity execute publicが設定されている場合は、以下のように設定します。

    authCommunity execute,net public
    authCommunity net SANMA
    forward default unix:/var/opt/FJSVssmgr/trap_socket
設定ファイルの反映

snmptrapd.confファイルの変更後、以下のコマンドを実行してsnmptrapdを再起動します。
変更後の内容がSNMPトラップの設定に反映されます。

  • Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合

    # systemctl restart snmptrapd.service
  • Red Hat Enterprise Linux 6環境の場合

    # /etc/init.d/snmptrapd stop
    # /etc/init.d/snmptrapd start

注意

snmptrapd.confファイルをカスタマイズしたあとに、ServerView AlarmServiceなどのsnmptrapdを利用するアプリケーションをインストール、アンインストールまたは設定変更を実施した場合は、snmptrapd.confファイルのカスタマイズ内容が変更されていないか確認してください。

ポイント

ServerViewトラップ転送プログラムを使用している環境の場合は、snmptrapdデーモンとtrpsrvdデーモンを再起動してください。

参考

snmptrapd.confファイルの詳細は『Storage Cruiser 運用ガイド』の「snmptrapd.confファイル説明」を参照してください。

続いて、「SNMPトラップデーモン用SELinuxポリシーモジュールのインストール」に記載されている作業を実施してください。

SNMPv3プロトコルだけを利用して装置を監視する場合、またはSNMPv1プロトコルおよびSNMPv3プロトコルを利用して装置を監視する場合

ETERNUS SF Managerのインストール直後は、SNMPv1プロトコルの装置だけを監視する設定になっています。このため、以下の手順で、OS標準のnet-snmpパッケージに含まれるsnmptrapdからの変更を行ってください。

  1. 以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerを停止します。

    # /opt/FJSVesfcm/bin/stopesf.sh
  2. OS標準のSNMPトラップデーモン(net-snmpパッケージのsnmptrapd)を起動している場合は、以下のコマンドを実行して停止します。

    • Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合

      # systemctl stop snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 6環境の場合

      # /etc/init.d/snmptrapd stop
  3. OS標準のSNMPトラップデーモンをシステム起動時に自動起動している場合は、以下のコマンドを実行して自動起動を停止します。

    • Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合

      # systemctl disable snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 6環境の場合

      # chkconfig snmptrapd off
      # chkconfig --list snmptrapd
  4. SNMPトラップデーモンパッケージのインストールと設定を行います。

    1. パッケージのインストール

      以下のコマンドを実行して、/opt/FJSVssmgr/etc/pkgディレクトリにあるFJSVswstt-XXXX.rpmパッケージをインストールしてください。

      # rpm -i /opt/FJSVssmgr/etc/pkg/FJSVswstt-XXXX.rpm

      指定するパッケージファイルのXXXX部分は、OSによって異なります。

      OS

      パッケージファイル名

      Red Hat Enterprise Linux 8

      FJSVswstt-V15.3.0-1.x86_64.rpm

      Red Hat Enterprise Linux 7
      Red Hat Enterprise Linux 6

      FJSVswstt-V13.7.0-1.x86_64.rpm

    2. 自動起動の設定

      Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合は、以下のコマンドを実行して、SNMPトラップデーモンの自動起動を設定してください。

      # cp -p /opt/FJSVssmgr/etc/pkg/startsc-snmptrapd.service /usr/lib/systemd/system
      # systemctl enable startsc-snmptrapd.service
  5. 以下のコマンドを実行して、ETERNUS SF Managerを起動してください。

    # /opt/FJSVesfcm/bin/startesf.sh

注意

Systemwalker Centric Managerと同一サーバ上で混在して使用している環境において、Systemwalker Centric Managerをアンインストールすると、SNMPトラップデーモンが停止する場合があります。
混在環境からSystemwalker Centric Managerをアンインストールした場合は、以下の作業を実施してください。

  1. 以下のコマンドを実行して、nwsnmp-trapdが動作していることを確認します。

    • Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合

      # systemctl status startsc-snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 6環境の場合

      # ps -ef | grep nwsnmp-trapd
  2. nwsnmp-trapdが動作していない場合は、システムを再起動または以下のコマンドを実行します。

    • Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合

      # systemctl start startsc-snmptrapd.service
    • Red Hat Enterprise Linux 6環境の場合

      # /opt/FJSVswstt/bin/mpnm-trapd stop
      # /opt/FJSVswstt/bin/mpnm-trapd start

続いて、「SNMPトラップデーモン用SELinuxポリシーモジュールのインストール」に記載されている作業を実施してください。

SNMPトラップデーモン用SELinuxポリシーモジュールのインストール

SELinux=Enforcingの場合、以下の手順に従って、ポリシーモジュールを適用してください。
Red Hat Enterprise Linux 8またはRed Hat Enterprise Linux 7環境の場合は、デフォルトでSELinux=Enforcingになります。
本手順を実施することで、snmptrapdデーモンのSELinuxポリシーモジュールは自動的にインストールされ、SNMP トラップによるイベント受信が可能になります。

注意

snmptrapdデーモンに本製品のポリシーを適用する前に、ほかの製品がsnmptrapdデーモンのポリシー設定を変更していないか確認します。必要であれば本製品で設定するポリシーをカスタマイズしてください。
正しく設定できていない場合、snmptrapdデーモンが正しく動作しないことがあります。