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PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.6<Cloud Services 編>
FUJITSU Software

8.2.1 APIエンドポイントとの接続性確保

パブリッククラウド上でPRIMECLUSTERを使用する場合、スプリットブレインの解決のためにクラスタノードとAPIエンドポイントとの接続性を確保する必要があります。APIエンドポイントはインターネット上にあるため、インターネットとの接続が必要です。APIエンドポイントを使用して、クラスタノードの電源の制御を行います。

PRIMECLUSTERは、クラスタノードとAPIエンドポイントとの接続性を確保するためのアーキテクチャパターンを提供しています。クラスタシステムの円滑な設計のために、これらのアーキテクチャパターンから適したものを選択してください。

クラスタノードとAPIエンドポイントとの接続性確保のためのアーキテクチャパターンと各パターンに適したシーンを以下に示します。

表8.1 APIエンドポイントとの接続性確保のためのアーキテクチャパターンと適用シーン

アーキテクチャパターン

適用シーン

ポイント

ルーターによる接続性確保

低い運用コストでセキュアにバックエンドサーバの接続性を確保したい場合

ニフクラのルーターが提供しているNAT機能を使用するため、ユーザによる運用管理が不要です。

NATサーバによる接続性確保

ルーター機能を使用せずにセキュアにバックエンドサーバの接続性を確保したい場合

NATサーバは、ユーザによる構築・運用管理が必要です。

以下のように、ルーター機能ではできない構成の場合は、NATサーバによる接続性確保を利用します。

・DNATとSNATで異なるグローバルIPを使用するなど、複数のグローバルIPをサーバに直接割り当てることなく使用したい場合

・“図8.1 すでにルーターを使用している環境でプライベートLAN1だけをインターネットに接続したい場合”のように、すでにルーターを使用している環境でインターネットに接続したい場合

グローバルIPアドレスによる接続性確保

低い運用コストでフロントエンドサーバの接続性を確保したい場合

グローバルネットワークからサーバへのアクセスを許可するため、IP許可制限やファイアウォールのルールを厳重に定める必要があります。

ルーターが不要のためシステムコンポーネントの数が少なくなり、アーキテクチャがシンプルになります。

図8.1 すでにルーターを使用している環境でプライベートLAN1だけをインターネットに接続したい場合

8.2.1.1 ルーターによる接続性確保

ルーターによるアーキテクチャパターンは、インターネットからのアクセスを遮断し、かつ、クラスタノードとAPIエンドポイントとの接続性を確保できます。

バックエンドサーバのクラスタノードは、プライベートLANに配置します。このサーバにはグローバルIPアドレスを付与しないため、インターネットとの直接の接続性はありません。

PRIMECLUSTERの強制停止を実現するAPIエンドポイントはインターネット越しに存在するため、エンドポイントとの接続性はルーターを使用してください。

参照

ルーターのNAT機能の詳細については、ニフクラの公式ドキュメントを参照してください。

図8.2 ルーターによる接続性確保

8.2.1.2 NATサーバによる接続性確保

NATサーバによるアーキテクチャパターンは、インターネットからのアクセスを遮断し、かつ、クラスタノードとAPIエンドポイントとの接続性を確保できます。

このアーキテクチャパターンは、ルーターによるアーキテクチャパターンと比較すると、コンポーネントの配置がルーターからNATサーバに代わるのみで、他の配置は同一です。

図8.3 NATサーバによる接続性確保

8.2.1.3 グローバルIPアドレスによる接続性確保

ルーターやNATサーバによるアーキテクチャパターンと比較すると、シンプルになります。

ただし、インターネットからクラスタノードへのアクセスが可能なため、IP許可制限やファイアウォールのルールを厳重に定める必要があります。

本アーキテクチャパターンを使用する場合、クラスタノードにグローバルIPアドレスを付与するのみの設定となります。

図8.4 グローバルIPによる接続性確保