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Systemwalker Centric Manager バージョンアップガイド
FUJITSU Software

2.5.9 IDカードセキュリティ機能を使用していた運用管理サーバのバージョンアップ

V13.1.0以前においてIDカードセキュリティ機能を使用して運用を行っていた場合、コンソール操作制御とSMARTACCESSへの運用に移行する必要があります。

IDカードセキュリティ機能とコンソール操作制御(SMARTACCESSのアプリケーションログオンを使用した場合)については以下の機能差があります。

操作の保護(Systemwalkerの操作を制御する機能)

認証方式

コンソール操作制御
(SMARTACCESS/BASIC,Premiumのアプリケーションログオンを使用した場合)

IDカードセキュリティ

媒体名

セキュリティレベル

磁気カード

低い

×

○  (注1)

スマートアクセス(ICカード)

単体でも高いが組み合わせて強化できる

○  (注1)

FeliCa (ICカード)

×

指紋

×

静脈(バイオ認証装置と組み合わせ)

非常に高い

×

注1)
Windows Vista以降では対応していません。

端末の保護(運用管理クライアントのPC自体の操作を制御する機能)

認証方式

SMARTACCESS/BASIC,Premiumの機能(注1)

IDカードセキュリティ

媒体名

セキュリティレベル

磁気カード

低い

×

○  (注2)

スマートアクセス(ICカード)

単体でも高いが組み合わせて強化できる

○  (注2)

FeliCa (ICカード)

×

指紋

×

×

静脈(バイオ認証装置と組み合わせ)

非常に高い

×

×

注1)
SMARTACCESS が持つ機能であり、コンソール操作制御の機能ではありません。

注2)
Windows Vista以降では対応していません。

バージョンアップをしてIDカードセキュリティからコンソール操作制御を使用した運用に移行するときに必要となるソフトウェア・ハードウェア

以下のソフトウェアが必要になります。

SMARTACCESS/BASICは2006年以降に発売されたICカードリーダに添付されています。2006年より前に発売されたICカードリーダは、添付ソフトがSMARTACCESS/BASEになります。SMARTACCESS/BASEの場合は、SMARTACCESS/Premium を購入する必要があります。また現在使用しているソフトウェアがSMARTACCESS/Proの場合も、SMARTACCESS/Premium を購入する必要があります。ICカードリーダの添付ソフトを必ず確認してください。

使用しているハードウェアがSMARTACCESS/Premium で動作できるかは、技術員に確認してください。

バージョンアップをして、IDカードセキュリティからコンソール操作制御を使用した運用に移行する手順

運用管理サーバでの作業

運用管理サーバでの作業手順を以下に示します。

Systemwalker のバージョンアップ作業を実施しており、“利用別に必要な作業”の前までが完了している環境

1 マネージャ起動条件記述ファイル変換コマンドを投入する。

2 変換された操作制御マネージャ起動条件記述ファイルの確認とカスタマイズ

確認する観点がファイル内にコメント行として表示されます。変換された定義を確認し、必要に応じて変更します。

3 使用するユーザ名の確認・登録をする。

ユーザ名は接続する運用管理サーバの「DmAdmin」「DmOperation」「DmReference」のどれかのロールに所属している必要があります。

4 操作制御マネージャ起動条件記述ファイルを操作制御マネージャ起動条件ファイルに変換する。

5 Systemwalker Centric Managerを起動する。

運用管理クライアントでの作業

運用管理クライアントでの作業手順を以下に示します。

Systemwalker のバージョンアップ作業が実施しており、“利用機能別に必要な作業”の前までが完了している環境

1 エージェント起動条件記述ファイル変換コマンドを投入する。

2 変換された操作制御エージェント起動条件記述ファイルの確認とカスタマイズする。

確認する観点がファイル内にコメント行として表示されます。変換された定義を確認し、必要に応じて変更します。

3 操作制御エージェント起動条件記述ファイルを操作制御エージェント起動条件ファイルに変換する。

4 運用管理クライアントPCの再起動

5 SMARTACCESSのインストールと設定

  1)SMARTACCESS/BASIC、またはPremiumをインストールします。

  2)アプリケーションログオン機能で[コンソール操作制御[操作の判定]]ダイアログボックスを登録します。

  3)認証デバイスにユーザ名、およびパスワードを登録します。

  4)IDカードセキュリティの端末の保護を使用していた場合、カードのポーリング動作を設定します。

なお、同一コンピュータでバージョンアップする場合は、先にSMARTACCESS/BASE、またはProをアンインストールしておく必要があります。詳細については、SMARTACCESSのマニュアルを参照してください。

マネージャ起動条件記述ファイル変換コマンドを投入して操作制御マネージャ起動条件記述ファイルに変換する

バージョンアップする際に退避されたIDカードセキュリティマネージャ起動条件ファイルから、IDカードセキュリティマネージャ起動条件記述ファイルと、自動変換した操作制御マネージャ起動条件記述ファイルを作成します。

/opt/FJSVsopct/bin/idchgmanager

コマンドの詳細については“Systemwalker Centric Managerリファレンスマニュアル”の“idchgmanager(マネージャ起動条件記述ファイル変換コマンド)”を参照してください。

IDカード・マネージャ起動条件記述ファイルを操作制御マネージャ起動条件記述ファイルに変換する項目について

設定を変更する項目を以下に示します。

基本情報

項目名

IDカードセキュリティのマネージャ起動条件記述ファイルの項目

操作制御マネージャ起動条件記述ファイルで指定する項目

変換

マネージャ記述変換コマンドの動作

変換の注意事項

コンソール操作制御の認証方式

なし

check_kind=2

変換する

IDカードセキュリティの後継機能は「操作ごとの保護」を指定する。

ポート番号

port

該当なし

手動で設定する

ポート番号がデフォルト値(9343)でないときは「MpIdcMgr」サービス名のポート番号の設定を変更する。

保護の種別

kind

該当なし

×

削除

端末の保護を使用する場合は、SMARTACCESSの「カードのポーリング動作」機能を使用する。

認証 (カードデータ)有効時間

interval

interval

同じ値

コンソール操作制御機能では、最後に操作の判定が必要な操作(注)を行ってから、指定した時間が経過すると、認証を解除します。

IDカードセキュリティでは、指定した時間だけ無操作状態(PC端末に入力がない状態)が続いた場合に、認証を解除します。

操作ログ

log

該当なし

×

削除

コンソール操作制御の操作ログは監査ログに出力します。監査ログを採取する/しないは、監査ログの設定で行います。

操作ログファイル

ldir

操作ログサイズ

lsize

操作ログ数

lnum

監査ログ出力

auditlog

○:変換が必要な項目です。「変換方法についての注意事項」がある場合は、注意事項を考慮して変換してください。マネージャ記述変換コマンドで自動変換された項目についても必ず確認してください。

×:該当する項目がありません。削除するか、先頭に「#」を付けてコメント行にしてください。

-:変換の必要はありません。

注)

Systemwalkerコンソールで操作の判定が必要な操作は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”で、“操作制御マネージャ起動条件記述ファイル”の“操作制御機能の対象となるメニュー/操作”を参照してください。

操作判定情報

項目名

IDカードセキュリティのマネージャ起動条件記述ファイルの定義項目

操作制御マネージャ起動条件記述ファイルで指定する項目

変換の必要

マネージャ記述変換コマンドの動作

変換の注意事項

操作の保護の対象

ch_other

check_console

変換する

  

ch_hard

check_hard

変換する

  

カードの開始位置と長さ

pos=x,y

該当なし

×

削除

  

登録されていない操作のレベル

level

level

同じ値

  

ユーザおよびユーザグループの登録

  

  

  

!User

!UserID

変換する

  

ユーザグループ名

ユーザグループ名

同じ値

  

ユーザ名、カードデータ

ユーザ名

同じ値
(ユーザ名だけが設定されます)

ユーザ名は運用管理サーバの「DmAdmin」、「DmOperation」、「DmReference」のどれかのロールに所属する必要があります。

!User-End

!UserID-End

変換する

  

操作のレベルの登録

  

  

  

!Operation

!OperationEx

変換する

  

製品名

製品名

同じ値

  

_操作レベル,判定を行う操作

_操作レベル,判定を行う操作

同じ値

非互換があります。
1)リモートコマンドを指定していたときは注意が必要です。
2)前提となる「判定を行う操作」の定義の追加が必要です。
非互換”を参照してください。

!Operation-End

!OperationEx-End

変換する

  

条件グループの登録

  

  

  

!Condition

!Condition

同じ値

  

条件グループ名

条件グループ名

同じ値

  

_製品名,ユーザレベル

_製品名,ユーザレベル

同じ値

  

!Condition-End

!Condition-End

同じ値

  

グループへの条件の設定

  

  

  

!!

!!

同じ値

  

ユーザグループ名

ユーザグループ名

同じ値

  

_object=操作対象名[,操作対象名[,*]]

_objectEx=操作対象名[,操作対象名[,*]]

同じ値

指定できる操作対象名が128バイトに拡張しています。

_condition=条件グループ名[,条件グループ名[,*]]

_condition=条件グループ名[,条件グループ名[,*]]

同じ値

  

!!

!!

同じ値

  

○:変換が必要な項目です。「変換方法についての注意事項」がある場合は、注意事項を考慮して変換してください。マネージャ起動条件記述ファイル変換コマンドで自動変換された項目についても、必ず確認してください。

×:該当する項目がありません。削除するか、先頭に「#」をつけてコメント行にしてください。

-:変換の必要はありません。

非互換情報

1)投入できるリモートコマンドの長さ

IDカードセキュリティを使用している環境では、Systemwalker Centric Managerから投入できるリモートコマンドの最大長は120バイトです。121バイト以上のリモートコマンドは投入できません。コンソール操作制御を使用している環境では、投入できるリモートコマンドの長さが1024バイトまで拡張しており121バイト以上のリモートコマンドも判定を行う操作として、権限のチェックを行います。

そのため、IDカードセキュリティを使用している環境では投入できなかったリモートコマンドが、コンソール操作制御を使用している環境では投入できるようになることがあります。

投入するリモートコマンド

|----120バイト-----|
ls -l /op/......../......../......../......../
  • IDカードセキュリティ

    マネージャ起動条件記述ファイルの設定で投入できる権限があってもコマンドの長さが121バイト以上あるため投入できない。

  • コンソール操作制御

    マネージャ起動条件記述ファイルの設定で投入できる権限があれば、コマンドの長さが1024バイトまでは投入できる。

2)前提となる「判定を行う操作」

コンソール操作制御では、IDカードセキュリティより多くの操作を「判定を行う操作」として登録できます。1つの「判定を行う操作」を行うときに前提となる「判定を行う操作」があり、前提となる「判定を行う操作」を許可する必要があります。以下にリモートコマンドの例を示します。前提となる「判定を行う操作」は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

)

リモートコマンド(command)を実行するには、[リモートコマンド]画面の起動「"CONSOLE TOOLS_REMOTECOMMAND"」を許可する必要があります。

!OperationEx
opmgr
 1,"CONSOLE TOOLS_REMOTECOMMAND"
 1,"command ls -l"
 50,"command kill"
  .
!OperationEx-End

Systemwalker Centric Manager GEE 11.0 以前のIDカードセキュリティから操作制御を使用した運用に移行する場合

Systemwalker Centric Manager GEE 11.0 以前からのバージョンアップであり、[操作]メニューの「ハード監視」または「WSMGR」を使用している場合は、バージョンアップ後にマネージャ起動条件ファイルの再設定が必要になります。12.0以降、操作メニューの「ハード監視」、「WSMGR」がIDカードセキュリティの操作チェックの対象になっています。

以下の条件にすべて一致する場合には、再設定が必要です。

操作制御マネージャ起動条件記述ファイルに、「ハード監視」と「WSMGR」の権限のレベルを登録してください。

11.0以前と同じように、「ハード監視」、「WSMGR」を操作チェックの対象としない場合は、以下の定義を操作制御マネージャ起動条件記述ファイルに追加してください。

!OperationEx
opmgr
  ・
  ・

  0,apmenu ハード監視
  0,apmenu WSMGR
!OperationEx-End

操作制御マネージャ起動条件記述ファイルを変更した場合は、操作制御マネージャ起動条件ファイルを作成し、Systemwalker Centric Managerを再起動してください。

エージェント起動条件記述ファイル変換コマンドを投入して操作制御エージェント起動条件記述ファイルに変換する

バージョンアップする際に退避されたIDカードセキュリティエージェント起動条件ファイルから、IDカードセキュリティエージェント起動条件記述ファイルと、自動変換した操作制御エージェント起動条件記述ファイルを作成します。

Systemwalkerインストールディレクトリ\mpwalker.dm\MpOrCtrl\bin\idchgagent

コマンドの詳細については“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”を参照してください。

IDカード・エージェント起動条件記述ファイルを操作制御エージェント起動条件記述ファイルに変換する項目について

設定を変更する項目を以下に示します。

項目名

IDカードセキュリティのエージェント起動条件記述ファイルの項目

操作制御エージェント起動条件記述ファイルで指定する項目

変換
(注1)

エージェント記述変換コマンドの動作

変換方法についての注意事項

デバイス名

device

該当なし

×

削除

  

リーダのタイプ

type

該当なし

×

削除

  

保護の種別

kind

該当なし

×

削除

端末の保護を使用する場合は、SMARTACCESSの「カードのポーリング動作」機能を使用する。

認証 (カードデータ)有効時間

interval

interval

同じ値

コンソール操作制御機能では、最後に操作の判定が必要な操作(注2)を行ってから、指定した時間が経過すると、認証を解除します。

IDカードセキュリティでは、指定した時間だけ無操作状態(PC端末に入力がない状態)が続いた場合に、認証を解除します。

ポート番号

port

該当なし

手動で設定する

ポート番号がデフォルト値(9343)でないときは「MpIdcMgr」サービス名のポート番号の設定を変更する。

運用管理サーバのホスト名

host

該当なし

×

削除

コンソール操作制御は、Systemwalker Centric Manager起動時に指定した運用管理サーバに接続します。

運用管理サーバ未接続時の動作

option

該当なし

×

削除

端末の保護を使用する場合は、SMARTACCESSの「カードのポーリング動作」機能を使用する。

テストモード

mode

該当なし

×

削除

端末の保護を解除できるユーザ名

!!

!!

該当なし

×

削除

注1)
○:変換が必要な項目です。「注意事項」がある場合は、注意事項を考慮して変換してください。エージェント記述変換コマンドで自動変換された項目についても必ず確認してください。
×:該当する項目がありません。削除するか、先頭に「#」をつけてコメント行にしてください。
-:変換の必要はありません。

注2)
Systemwalkerコンソールで操作の判定が必要な操作は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”で、“操作制御マネージャ起動条件記述ファイル”の“操作制御機能の対象となるメニュー/操作”を参照してください。

SMARTACCESSの推奨設定値

SMARTACCESSの推奨値については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 セキュリティ編”の“運用管理クライアントの環境設定”を参照してください。