Systemwalker Centric Managerは、セキュリティのため、画面のアクセス権やツリーへのアクセス権をユーザごとに定義することができます。ここでは、以下の構成でアクセス権の定義方法を説明します。
Systemwalkerコンソールのアクセス権
セキュリティを高めた監視を行う場合の設定
Systemwalkerコンソールのアクセス権
Systemwalker Centric Managerの各機能を利用するために必要な権限を、利用者ごとに設定することができます。Systemwalker Centric Managerは、ロールという単位で各機能の利用権限を定義しています。ロールとは、共通の役割(権限)を持つ利用者から構成されるグループのことです。Systemwalker Centric Managerをインストールすると、以下のロールが登録されます。
ロール名 | 説明 | 使用機能 |
---|---|---|
DmAdmin | 監視機能の管理系ロール | Systemwalkerコンソール、 |
DmOperation | 監視機能の操作系ロール | |
DmReference | 監視機能の参照系ロール | |
OrmOperation | 返答機能の操作系ロール | 返答操作のコマンド |
SecurityAdmin | セキュリティ管理者 | Systemwalkerコンソール、サーバアクセス制御、監査ログ分析を使用するには同時にDmReference、DmOperationまたはDmAdminロールに所属している必要があります。 |
SecurityAuditor | セキュリティ監査者 |
注1)
Solaris版、Linux版で登録されます。
注2)
「クライアント」以外のインストール種別でインストールした場合にロール設定が必要です。
管理者は、ユーザを上記のロールに適宜所属させてください。所属させるロールの種類により、ユーザが使用できる機能と利用権限が決まります。ロールと利用可能な機能の関係は、以下のとおりです。
Systemwalkerコンソールの監視機能を使用するために必要な権限については、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“Systemwalkerコンソールのメニュー項目”を参照してください。
Systemwalkerコンソールの編集機能を使用するためには、DmAdminロールに所属している必要があります。
[システム監視設定]ダイアログボックスを起動するためには、DmAdminロールに所属している必要があります。[システム監視設定]ダイアログボックスについては、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“イベント監視の条件を設定する”の“サーバに直接接続して環境定義を行う場合”を参照してください。
DmAdminは、DmOperation、DmReference、OrmOperationの権限を含んでいます。
DmOperationは、DmReference、OrmOperationの権限を含んでいます。
返答操作のコマンドの詳細は、“Systemwalker Centric Manager リファレンスマニュアル”の“返答メッセージ用コマンドの概要【UNIX版】”を参照してください。
“機能の使用を許可するためにユーザを所属させるロール”に記載したロールに所属していない一般のユーザは、Systemwalker Centric Managerの機能を使用できません。
Systemwalkerコンソールを起動するユーザおよびリモート操作エキスパート/リモート操作クライアントが動作するWindows端末にログオンするユーザを、“機能の使用を許可するためにユーザを所属させるロール”に記載したロールに所属させてください。ただし、ユーザアカウント制御(UAC)が無効になっている場合には、Administratorsグループに所属させることでも使用できます。
Systemwalkerコンソールを起動するユーザについては、“Systemwalker Centric Manager 使用手引書 監視機能編”の“Systemwalkerの利用者権限を定義する”を参照してください。
【UNIXの場合】
スーパーユーザは、セキュリティ情報の設定(ロールへの所属、ツリーに対するアクセス権の設定)の実施にかかわらず、アクセス制御の対象外として常に更新権を持つユーザとして扱われます。
Solaris 11では、OSのインストール時にユーザアカウントの設定を行った場合、rootは「役割」として登録されます。この場合、スーパーユーザ(root)をSecurityAdmin,SecurityAuditor以外のロールに登録すると、以下のポップアップメッセージが表示され登録に失敗します。
DmAdminにrootを登録するときに表示されるメッセージ例
なお、スーパーユーザ(root)は、セキュリティ情報の設定(ロールへの所属、ツリーに対するアクセス権の設定)の実施にかかわらず、アクセス制御の対象外として常に更新権を持つユーザであり、デフォルトで次のロールに登録された状態と同等の権限を持っているため、ロールに登録する必要はありません。
DmAdmin
DmOperation
DmReference
DistributionAdmin
DistributionOperation
DistributionReference
OrmOperation
【Windows(R)の場合】
Administratorsグループに所属するユーザは、セキュリティ情報の設定(ロールへの所属、ツリーに対するアクセス権の設定)の実施にかかわらず、アクセス制御の対象外として常に更新権を持つユーザとして扱われます。
注意
運用管理クライアントからWindows Server 2008以降の運用管理サーバへ接続する場合の注意事項
OSのセキュリティポリシーで、「アカウントの空のパスワードの使用をコンソールログオンのみに制限する」を「有効」としていた場合、パスワードが空のアカウントは、Systemwalker Centric Managerのユーザ認証でエラーとなります。
Systemwalkerコンソールを起動するWindows端末にログオンする場合
Systemwalkerコンソールを起動するWindows端末のDmAdmin、DmOperation、DmReference、またはAdministratorsのどれかのグループに所属するローカルユーザでWindows端末にログオンする必要があります。
ただし、ユーザアカウント制御(UAC)が有効になっている場合には、DmAdmin、DmOperation、またはDmReferenceのどれかのグループに所属するローカルユーザでWindows端末にログオンする必要があります。
運用時には、DmReferenceグループに所属するローカルユーザでWindows端末にログオンすることを推奨します。
セキュリティを高めた監視を行う場合の設定
以下の運用を検討されている場合、セキュリティをより高めた監視を行うことを推奨します。
監視ツリーごとにオペレータを分けて監視を行う場合
同一の監視ツリーを複数のオペレータが監視するが、オペレータごとに作業、または監視対象が異なる場合
オペレータごとに使用できるSystemwalkerコンソールのメニューを限定したい場合
オペレータごとに監視するノードなどのオブジェクトを限定したい場合
セキュリティをより高めた監視を行うには、以下の設定を行ってください。
ユーザ権限の設定
メニュー抑止の設定
ユーザ権限の設定
管理者、オペレータ、および資源配付の管理者(資源配付のオペレータを含む)のユーザ名をそれぞれ決定してください。各ユーザの役割は、以下のとおりです。
管理者
Systemwalker Centric Managerのすべての資源に対し、更新、操作、参照できる特権ユーザ。導入時の初期設定や構成情報/ポリシーの変更などを行うユーザ。
オペレータ
通常の監視操作を行い、特定の資源に対しての操作、参照が行えるユーザ。更新権は付与されていないが、監視時にリモートコマンドの発行やイベントの対処などを行うユーザ。
資源配付の管理者(資源配付のオペレータを含む)
資源配付機能を利用するユーザ。
なお、資源配付の操作は、コンソール操作制御の対象ではないため、Systemwalkerコンソールからは使用せず、スタートメニューまたはアプリ画面から使用してください。
管理者およびオペレータに対して、それぞれ以下の設定を行ってください。
管理者
【付与するロールおよび権限】
DmAdmin
DistributionAdmin
オペレータ
【付与するロールおよび権限】
DmOperation または、DmReference
操作、参照ユーザの場合は、「DmOperation」、参照ユーザの場合は、「DmReference」を付与してください。
メニュー抑止の設定
以下のメニューについて、上記「ユーザ権限の設定」の「オペレータ」が実行できないようにするため、DmAdminロールに所属するユーザのみが実行できるようコンソール操作制御機能で設定してください。定義方法は、“コンソール操作制御機能で認証する”を参照してください。
[オブジェクト]メニュー
ノード情報をCSV形式で保存
[イベント]メニュー
監視イベントログをCSV形式で保存
[操作]メニュー
IP NetMGR-構成情報検索
ブレードサーバ管理画面-指定ノード
性能情報の出力
利用者管理
ノード中心マップ型の表示
ペアノード経路マップ型の表示
バッチ業務
IP NetMGR-構成情報
ブレードサーバ管理画面-全ノード
ユーザ登録メニュー(注)
連携製品の起動
注)操作メニュー登録画面または、「mpaplreg(監視画面のメニュー項目登録コマンド)」から登録したメニューです。
上記のメニューは、表示している監視ツリーに含まれないオブジェクトについて参照/操作/更新が可能です。監視ツリーに含まれないオブジェクトを参照/操作/更新させない運用をするために、本設定を行う必要があります。
インベントリ情報を参照する機能を使用する場合
以下の画面および機能においてインベントリ情報を参照するには、コンソール操作制御機能が運用中でない場合に使用してください。
[インベントリ情報で検索]画面
[ソフトウェア修正管理]画面からインベントリ情報を表示する