一般利用者が情報を活用する環境を維持するために、辞書の管理者は、以下の作業を行います。
運用情報の広報
共通の管理ポイントの変更などを一般利用者に広報したい場合は、ユーザ管理機能を使用して広報することができます。
当月度の設定
相対期間を利用するときの「当月」を規定する月度がいつであるかを登録します。
本作業は、辞書の管理者がNavigator辞書管理ツールを操作しながら作業します。
また当月度設定コマンドを使用してサーバ上からでも設定することができます。
演算基準日の設定
時間の演算を行ったときに、演算の基準となる年月日がいつであるかを登録します。
本作業は、辞書の管理者がNavigator辞書管理ツールを操作しながら作業します。
また演算基準日設定コマンドを使用してサーバ上からでも設定することができます。
データベースの変更に伴う辞書の更新
データベースの構造などを変更した場合は、Navigator辞書管理ツールを操作して、データベースと辞書との整合性を維持します。
辞書の管理
Navigatorは、辞書をセットアップするとデータベース上にテーブルを作成し、そこに必要な情報を登録します。このデータベース上に作成されるテーブルのことを「辞書テーブル」と呼びます。
また、データベース上に辞書テーブルを作成する際、辞書の管理者のホームディレクトリ上に一般ファイルも作成します。このファイルは、辞書テーブルと同期をとって作成、更新、または削除されます。この辞書の管理者のホームディレクトリ上に作成されるファイルのことを「管理情報ファイル」と呼びます。
辞書の管理者のホームディレクトリ配下に作成される管理情報ファイルを以下に示します。
.rnファイル(UNIXの場合)
rn.envファイル(Windowsサーバの場合)
.kvrgdicディレクトリとそのディレクトリ配下のファイル
公開したスキーマと同名のディレクトリ、または#KVRで始まるディレクトリ名とそのディレクトリ配下のファイル
辞書のバックアップは辞書の退避機能を使用して行います。辞書の退避を実行することで、辞書テーブルと管理情報ファイルの同期をとってバックアップすることができます。辞書の退避はNavigator辞書管理ツールで行います。また、辞書の退避コマンドを使用してサーバ上で実行することもできます。辞書の退避コマンドについては、「辞書の管理」を参照してください。
なお、DBMSのバックアップ機能ではデータベース上の辞書テーブルをバックアップすることはできますが、管理情報ファイルはバックアップされません。
辞書の管理者のホームディレクトリ上には管理情報ファイルが作成されます。
また、Navigatorの環境設定ファイルに環境変数RN_WORKDIRを指定しない場合、利用者のホームディレクトリ上に作業用のファイルが作成されます。この作業用ファイルは、問い合わせの内容によっては、非常に大きくなり、ホームディレクトリの空き容量がなくなる場合があります。そのため、システム管理者、または辞書の管理者は、定期的にホームディレクトリのあるディスク容量をチェックして空き容量があることを確認してください。作業用ファイルの作成先は、環境変数「RN_WORKDIR」で変更することができます。
なお、環境変数「RN_WORKDIR」については、“Navigator Server セットアップガイド Vol.1”を参照してください。
管理情報ファイルはファイルシステム上の一般ファイルとして作成されているため、ハードウェアの異常などにより、管理情報ファイルの一部、またはすべてが壊れた場合、Navigatorが正しく動作できなくなります。そのような場合、辞書ディレクトリの修復コマンドで管理情報ファイルを修復することができます。辞書ディレクトリの修復コマンドは、DBMS上の辞書テーブルから管理情報ファイルを再作成します。
辞書ディレクトリの修復コマンドについては、“8.8.3 辞書の運用に必要なファイルが壊れた場合の対処”を参照してください。