ポイント
アップグレードインストールを行う前に、システムをバックアップすることを推奨します。
バックアップを採取しておくと、アップグレードインストール中に異常が発生した場合にバックアップからシステムを復元(リストア)することで、アップグレードインストール前の状態に戻すことができます。
作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。
以下のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントのデーモンを停止します。
# /opt/swstorage/bin/stopacm
旧バージョンレベルをバックアップします。
アップグレードインストールに失敗したときのリカバリー用に、旧バージョンレベルのAdvancedCopy Managerエージェントの運用環境をバックアップしてください。
参考
バックアップに必要な容量は、以下の合計値になります。
『導入ガイド』の「静的ディスク容量」の「Solaris環境の場合」、「Linux環境の場合」の「Fixed configuration directory」と「Modifying configuration directory」
『導入ガイド』の「動的ディスク容量」の「Solaris環境、Linux環境、HP-UX環境、AIX環境の場合」
手順は以下のとおりです。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。
DVD媒体をマウントします。
Solaris環境でのマウント例
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。
Linux環境でのマウント例
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。
以下のコマンドを実行して、旧バージョンレベルをバックアップします。
backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定してください。
Solaris版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris/esfacmapreinst.sh backupDir
Red Hat Enterprise Linux 8版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel8_x64/esfacmapreinst.sh backupDir
Red Hat Enterprise Linux 7版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel7_x86/esfacmapreinst.sh backupDir
Red Hat Enterprise Linux 6版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86/esfacmapreinst.sh backupDir
SUSE Linux Enterprise Server 15版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles15_x64/esfacmapreinst.sh backupDir
SUSE Linux Enterprise Server 12版エージェントの場合
# <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles12_x64/esfacmapreinst.sh backupDir
バックアップに失敗した場合は、出力されたエラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、コマンドを再実行してください。
手順1~手順3がすでに実施されている場合は、手順4から実施してください。
作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。
DVD媒体をマウントします。
Solaris環境でのマウント例
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。
Linux環境でのマウント例
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。
以下のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。
# cd <環境別ディレクトリ>
# ./swsetup
<環境別ディレクトリ>は、「表7.1 Solaris環境およびLinux環境のディレクトリ」を参照してください。
環境 | ディレクトリ |
---|---|
Solaris | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris |
Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel8_x64 |
Red Hat Enterprise Linux 7 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel7_x86 |
Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86 |
SUSE Linux Enterprise Server 15 for AMD64 & Intel64 | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles15_x64 |
SUSE Linux Enterprise Server 12 for AMD64 & Intel64 | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles12_x64 |
インストール情報が表示されます。
swsetup: Installer is preparing for installation... +-----------------------------------------------------------+ | ETERNUS SF AdvancedCopy Manager | | 16.9 | | Copyright FUJITSU LIMITED 2013-2021 | +-----------------------------------------------------------+ Welcome to Setup. This program will install "AdvancedCopy Manager" on your system.
アップグレードインストールを問い合わせる以下のメッセージが出力されます。
インストールを続行する場合は"y"、中断する場合は"q"を入力して、[Enter]キーを押します。
An old version is installed in this system. Do you want to upgrade? [y,q]:
手順6で"y"を入力した場合は、アップグレードインストールが開始されます。
アップグレードインストールに成功すると、以下のメッセージが表示されます。
swsetup: AdvancedCopy Manager was installed successfully.
以下のコマンドを実行したあと、インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。
# cd /
# umount <DVDマウントポイント>
以上で、AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールは終了です。
「7.4.1.4 アップグレードインストール後の作業」を参照して、AdvancedCopy Managerエージェントをセットアップしてください。
ポイント
アップグレードインストールが異常終了した場合は、「8.2.6 AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールで異常が発生した場合の対処(Solaris/Linux環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。
サイレントアップグレードインストール手順は、以下とおりです。
手順1~手順3がすでに実施されている場合は、手順4から実施してください。
作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。
DVD媒体をマウントします。
Solaris環境でのマウント例
# mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。
Linux環境でのマウント例
# mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>
DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。
以下のサイレントインストール用のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします
<インストールログファイル>には、インストールのログを出力するファイルを絶対パスで指定してください。<インストールログファイル>の指定は任意です。
# <環境別ディレクトリ>/acmagtsilentinstall.sh [-l <インストールログファイル>]
<環境別ディレクトリ>は、「表7.2 Solaris環境およびLinux環境のディレクトリ」を参照してください。
環境 | ディレクトリ |
---|---|
Solaris | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris |
Red Hat Enterprise Linux 8 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel8_x64 |
Red Hat Enterprise Linux 7 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel7_x86 |
Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64) | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86 |
SUSE Linux Enterprise Server 15 for AMD64 & Intel64 | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles15_x64 |
SUSE Linux Enterprise Server 12 for AMD64 & Intel64 | <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/sles12_x64 |
ポイント
インストールログファイルの指定がない場合、/var/tmpディレクトリにacmagtsilentinstall.logという名前のインストールログファイルを作成します。
指定したインストールログファイルと同名のファイルが存在する場合、上書きします。
インストールログファイルを格納するディレクトリには、書込み権限のある実在するディレクトリを指定する必要があります。書込み権限がない場合は、プロンプトおよび画面へのエラーメッセージ出力を行わずにエラー終了します。
注意
オプションの指定に誤りがあった場合は、エラーメッセージをインストールログファイルに出力して終了します。プロンプトおよび画面へのエラーメッセージ出力は行いません。
サイレントインストール用のコマンドを多重実行しないでください。多重実行した場合は、あとから実行したコマンドが異常終了します。このとき、インストールログファイルは作成されません。
アップグレード時は、コマンドにインストールパラメーターファイルの指定はできません。指定した場合は、コマンドがエラー終了します。
インストールが終了すると、プロンプトが表示されます。
以下のコマンドを実行したあと、インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。
# umount <DVDマウントポイント>
サイレントインストール用のコマンドの復帰値を確認してください。なお、必要に応じて、インストールログファイルを確認してください。ただし、サイレントインストール用のコマンドの復帰値が3または9の場合、インストールログファイルは作成されません。コマンドの復帰値の説明は、『導入ガイド』の「サイレントインストール(AdvancedCopy Managerエージェント)の復帰値」を参照してください。
インストール結果は、インストールログファイルでも確認できます。
インストールログファイルを開き、[ResponseResult]セクションの"ResultCode"を参照してください。"ResultCode"には、サイレントインストール用のコマンドの復帰値が書き込まれています。
ポイント
アップグレードインストールが異常終了した場合は、「8.2.6 AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールで異常が発生した場合の対処(Solaris/Linux環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。
以下の作業を実施してください。なお、管理対象サーバでの操作に加えて、運用管理サーバとWebコンソールから実行する操作があります。
以下のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントのデーモンを起動します。
# /opt/swstorage/bin/startacm
データの整合性を確保するために、運用管理サーバで、stgxfwcmmodsrvコマンドを使用してサーバ情報を変更します。
-nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrvコマンドを実行してください。
運用管理サーバがWindows環境の場合
$INS_DIR\ACM\bin\stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>
$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
運用管理サーバがSolaris/Linux環境の場合
/opt/FJSVswstf/bin/stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>
注意
サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。
参照
コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「コマンドリファレンス」を参照してください。
Webコンソールで、サーバ情報を再読込みします。
グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。
登録されているサーバの一覧が、メインペインに表示されます。
メインペインで、操作対象のサーバのチェックボックスをチェックします。
操作対象のサーバがVMゲストの場合は、そのVMゲストが存在するVMホストのチェックボックスをチェックしてください。
アクションペインで、[サーバ]の下にある[設定の再読み込み]をクリックします。
ポイント
AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレード後に正常動作を確認できたら、「7.4.1.1 アップグレードインストール前の作業」の手順3-dで作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。