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ETERNUS SF Express 16.9 / Storage Cruiser 16.9 / AdvancedCopy Manager 16.9 移行ガイド
FUJITSU Storage

6.4.2 クラスタ環境の場合のアップグレードインストール

注意

本手順により、15.0Bから本バージョンレベルへアップグレード後、クラスタアンセットアップを実行しても、旧版のstgclsetで始まるコマンドにより作成されたクラスタリソースおよびスクリプトは削除されません。

6.4.2.1 アップグレードインストール前の作業

ポイント

アップグレードインストールを行う前に、以下をバックアップすることを推奨します。
バックアップを採取しておくと、アップグレードインストール中に異常が発生した場合にバックアップから復元(リストア)することで、アップグレードインストール前の状態に戻すことができます。

  • システム(プライマリノードとセカンダリノード)

  • 管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク

  1. 作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。

  2. セカンダリノードで、管理対象サーバ業務が停止していることを確認します。

    管理対象サーバ業務が停止していない場合は、セカンダリノードで管理対象サーバ業務を停止します。
    停止方法は、使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照してください。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のセカンダリノードで本手順を実施します。

  3. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を停止します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を停止します。
    ただし、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクはマウントした状態にします。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

  4. すべてのノードで以下のコマンドを実行して、すべてのノードのローカル業務を停止します。

    # /opt/swstorage/bin/stopacm
  5. すべてのノードで旧バージョンレベルをバックアップします。

    アップグレードインストールに失敗したときのリカバリー用に、旧バージョンレベルのAdvancedCopy Managerエージェントの運用環境をバックアップしてください。

    • プライマリノードとセカンダリノードで、旧バージョンレベルをバックアップします。

    • 管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで、管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクをオンラインにします。

    参考

    バックアップに必要な容量は、以下の合計値になります。

    • 『導入ガイド』の「静的ディスク容量」の「Solaris環境の場合」、「Linux環境の場合」の「Fixed configuration directory」と「Modifying configuration directory」

    • 『導入ガイド』の「動的ディスク容量」の「Solaris環境、Linux環境、HP-UX環境、AIX環境の場合」

    管理対象サーバ業務を運用しているプライマリノードの場合、バックアップに必要な容量に以下を加算してください。

    • 『クラスタ適用ガイド』の「共有ディスクの容量」

    手順は以下のとおりです。

    1. 本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。

    2. DVD媒体をマウントします。

      • Solaris環境でのマウント例

        # mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>

        DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。

      • Linux環境でのマウント例

        # mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>

        DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。

    3. 以下のコマンドを実行して、旧バージョンレベルをバックアップします。

      backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定してください。

      • Solaris版エージェントの場合

        # <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris/esfacmapreinst.sh backupDir
      • Red Hat Enterprise Linux 6版エージェントの場合

        # <DVDマウントディレクトリ>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86/esfacmapreinst.sh backupDir

      バックアップに失敗した場合は、出力されたエラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、コマンドを再実行してください。

    4. 以下のコマンドを実行したあと、インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。

      # cd /
      # umount <DVDマウントポイント>
    5. 管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプトを退避します。

      プライマリノードとセカンダリノードで、管理対象サーバ業務のAdvancedCopy Managerデーモン起動停止スクリプト退避します。

6.4.2.2 アップグレードインストール手順(プライマリノード)

手順1~手順3がすでに実施されている場合は、手順4から実施してください。

  1. 作業を行うサーバにログインします。ログイン後の操作は、root(スーパーユーザー)で実施してください。

  2. 本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (16.9以降) エージェントプログラム & マニュアル」を、DVDドライブに挿入します。

  3. DVD媒体をマウントします。

    • Solaris環境でのマウント例

      # mount -F hsfs -o ro /dev/dsk/c0t4d0s0 <DVDマウントポイント>

      DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/dsk/c0t4d0s0」としています。

    • Linux環境でのマウント例

      # mount -t iso9660 -r /dev/cdrom <DVDマウントポイント>

      DVDドライブのデバイス名は装置によって異なります。例では、DVDドライブのデバイス名を「/dev/cdrom」としています。

  4. 以下のコマンドを実行して、AdvancedCopy Managerエージェントをインストールします。

    # cd <環境別ディレクトリ>
    # ./swsetup

    <環境別ディレクトリ>は、「表6.1 Solaris環境およびLinux環境のディレクトリ」を参照してください。

    表6.2 Solaris環境およびLinux環境のディレクトリ

    環境

    ディレクトリ

    Solaris

    <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/Solaris

    Red Hat Enterprise Linux 6 (for Intel64)

    <DVDマウントポイント>/Agent_unix/AdvancedCopy_Manager/rhel6_x86

  5. インストール情報が表示されます。

    swsetup: Installer is preparing for installation...
    
    +-----------------------------------------------------------+
    |              ETERNUS SF AdvancedCopy Manager              |
    |                           16.9                            |
    |                  Copyright FUJITSU LIMITED 2013-2021      |
    +-----------------------------------------------------------+
    
    
    Welcome to Setup.
    This program will install "AdvancedCopy Manager" on your system.
  6. アップグレードインストールを問い合わせる以下のメッセージが出力されます。
    インストールを続行する場合は"y"、中断する場合は"q"を入力して、[Enter]キーを押します。

    An old version is installed in this system.
    Do you want to upgrade? [y,q]:
  7. 手順6で"y"を入力した場合は、アップグレードインストールが開始されます。
    アップグレードインストールに成功すると、以下のメッセージが表示されます。

    swsetup: AdvancedCopy Manager was installed successfully.
  8. 以下のコマンドを実行したあと、インストールに使用したDVD媒体を装置から取り出します。

    # cd /
    # umount <DVDマウントポイント>

ポイント

アップグレードインストールが異常終了した場合は、「8.1.5 AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストールで異常が発生した場合の対処(Solaris/Linux環境)」を参照し、正常な状態に復旧してください。

6.4.2.3 アップグレードインストール後の作業(プライマリノード)

プライマリノードで以下の作業を実施してください。

  1. プライマリノードで動作するAdvancedCopy Managerエージェントのアップグレードインストール後に、以下の作業を行います。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務のプライマリノードで本手順を実施します。

    管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスク上の、管理対象サーバ業務の環境設定ファイルを編集します。
    以下のファイルを編集します。

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/clsetup.ini

    • <管理対象サーバ業務の共有データ用共有ディスクのマウントポイント>/etc/opt/swstorage/swstg.ini

    それぞれのファイル内のVersion情報を、アップグレード後の文字列に変更します。

    Version情報の記述内容

    アップグレード前

    アップグレード後

    Version=V15.x

    Version=V16.9

    注意

    Version行以外は、変更しないでください。

  2. ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、/opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniファイルの"System="で始まる行を、以下のように編集します。

    System=GEN

    注意

    "System="で始まる行以外は、変更しないでください。

6.4.2.4 アップグレードインストール手順(セカンダリノード)

セカンダリノードでアップグレードインストールを実施してください。
アップグレード手順はプライマリノードと同じです。「6.4.2.2 アップグレードインストール手順(プライマリノード)」を参照してください。

ポイント

本セカンダリノードが別の管理対象サーバ業務のプライマリノードを兼ねている場合は、プライマリノードとしてアップグレードインストールを行っているため、本手順は不要です。

6.4.2.5 アップグレードインストール後の作業(セカンダリノード)

ETERNUS SF Manager 15.0Bがインストールされていた環境の場合は、/opt/FJSVswstf/cluster/swcluster.iniファイルの"System="で始まる行を、以下のように編集してください。

System=GEN

注意

"System="で始まる行以外は、変更しないでください。

6.4.2.6 管理対象サーバ業務の起動

以下の作業を行います。なお、本作業には、管理対象サーバでの操作に加えて、運用管理サーバとWebコンソールから実行する操作があります。

  1. プライマリノードで、管理対象サーバ業務を開始します。

    使用しているクラスタ製品のマニュアルを参照して、管理対象サーバ業務を開始します。

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

  2. すべてのノードで以下のコマンドを実行して、すべてのノードのローカル業務を起動します。

    # /opt/swstorage/bin/startacm
  3. データの整合性を確保するために、運用管理サーバで、stgxfwcmmodsrvコマンドを使用してサーバ情報を変更します。
    -nオプションに管理対象サーバ名を指定して、stgxfwcmmodsrvコマンドを実行してください。

    • 運用管理サーバがWindows環境の場合

      $INS_DIR\ACM\bin\stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>

      $INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。

    • 運用管理サーバがSolaris/Linux環境の場合

      /opt/FJSVswstf/bin/stgxfwcmmodsrv -n <サーバ名>

    管理対象サーバ業務が複数存在する場合は、それぞれの管理対象サーバ業務に対して本手順を実施します。

    なお、ローカル業務を運用しているノードがある場合は、対象のノードで本手順を実施してください。

    注意

    サーバ情報の変更は、コマンド実行用に新しく画面を起動し、その画面で実施してください。

    参照

    コマンドの詳細は、運用管理サーバのOSに対応する、本バージョンレベルの『AdvancedCopy Manager 運用ガイド』の「コマンドリファレンス」を参照してください。

  4. Webコンソールで以下の操作を実施し、サーバ情報を再読込みします。

    1. グローバルナビゲーションタブの[サーバ]をクリックします。
      登録されているサーバの一覧が、メインペインに表示されます。

    2. メインペインで、操作対象のサーバのチェックボックスをチェックします。
      操作対象のサーバがVMゲストの場合は、そのVMゲストが存在するVMホストのチェックボックスをチェックしてください。

    3. アクションペインで、[サーバ]の下にある[設定の再読み込み]をクリックします。

ポイント

AdvancedCopy Managerエージェントのアップグレード後に正常動作を確認できたら、「6.4.2.1 アップグレードインストール前の作業」の手順5-dで作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。