ポイント
アップグレードインストール中に異常が発生すると、アップグレードインストール前の状態に戻すこと(ロールバック)ができません。このため、アップグレードインストール前の状態に戻す場合は、システムをバックアップすることを推奨します。
アップグレードインストール中に異常が発生し、アップグレードインストール前の状態に戻す場合は、バックアップからシステムを復元(リストア)してください。
以下の手順で、旧バージョンレベルの設定を確認・変更してください。
作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 64bit版) (16.9以降) マネージャープログラム (1/2)」を、DVDドライブに挿入します。
以下のバッチを実行して、出力されるメッセージを確認します。
<DVDドライブ>:\Manager_windows\vuptools\esfccm_vlup_first.bat
以下のメッセージが出力された場合は、アップグレードインストールのために設定が変更されています。設定を反映するために、作業を行ったサーバを再起動してください。サーバの再起動が完了したあと、次項の作業を実施してください。
[Info] Configuration check and change succeeded. You must restart your system before the installation.
以下のメッセージが出力された場合は、既存設定のままアップグレードインストール可能です。次項の作業を実施してください。
[Info] Configuration check succeeded.
以下の手順で、旧バージョンレベルの運用環境をバックアップしてください。
以下の情報を、手動で退避します。
性能監視
旧バージョンレベルで性能監視を実施していた場合は、旧バージョンレベルのWebコンソールにおいて性能監視に関する以下の情報を参照して、旧バージョンレベルの設定内容を記録してください。
性能情報を取得する間隔(秒)
性能監視対象(ETERNUS ディスクアレイの場合だけ。最小 LUN_V、最大 LUN_V)
VMware vCenter Serverの構成情報
旧バージョンレベルでVMware vCenter Serverを登録していた場合は、以下の手順で旧バージョンレベルの設定情報を記録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (VMware)]をクリックします。
VMwareのEnd to Endビューの一覧が、メインペインに表示されます。
メインペインに表示されたVMware vCenter ServerのIPアドレスおよびポート番号を記録します。
Hyper-Vホストの構成情報
旧バージョンレベルでHyper-Vホストを登録していた場合は、以下の手順で旧バージョンレベルの設定情報を記録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (Hyper-V)]をクリックします。
メインペインに表示されたサーバのうち、「Hyper-Vホストとして登録」欄が"Registered"になっているサーバのIPアドレスを記録します。
Brocade seriesに対するリモート通報機能(REMCS)の設定
旧バージョンレベルでBrocade seriesのリモート通報機能(REMCS)を利用していた場合は、以下の定義ファイルを任意の場所に退避してください。$ENV_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「環境設定ディレクトリ」です。
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\eventmail\remcs\remcsmail.conf
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\eventmail\remcs\remcsproduct.conf
旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をバックアップします。
バックアップに必要な容量は、「A.7 旧バージョンレベルのバックアップに必要な容量」を参照してください。
作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 64bit版) (16.9以降) マネージャープログラム (1/2)」を、DVDドライブに挿入します。
以下のバッチを実行して、ETERNUS SF Managerのサービスを停止します。
$INS_DIR\Common\bin\Stop_ESFservice.bat
$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
以下のバッチを実行して、旧バージョンレベルのバックアップを実施します。
backupDir には、バックアップデータを格納するディレクトリを絶対パスで指定してください。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定してください。性能管理機能を使用していない場合、tmpDir の指定は不要です。
<DVDドライブ>:\Manager_windows\vuptools\esfpreinst.bat backupDir [tmpDir]
バックアップに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、バッチを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、空白(全角、半角)、および半角記号【 " | : * ? / . < > , % & ^ = ! ; ( ) 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
性能管理機能に関するファイルは、旧バージョンレベルの製品がインストールされているドライブと同じ論理ドライブに退避してください。異なる論理ドライブに退避する場合、退避および復元に時間がかかることがあります。
アップグレードインストールを行うサーバのディスクに、アップグレードインストールに必要な容量が空いているかを確認してください。
アップグレードインストールに必要な空き容量は、「本バージョンレベルに必要な空き容量」から「旧バージョンレベルに必要な空き容量」を引いた値です。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
旧バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムをインストールするのに必要な空き容量です。
必要な空き容量は、該当する旧バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerプログラムに対する排他ソフトウェアの、インストール状況を確認してください。インストールされている場合は、排他ソフトウェアのマニュアルを参照して、排他ソフトウェアをアンインストールしてください。
参照
排他ソフトウェアは、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerの動作環境」を参照してください。
本バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャーの運用には、データベース領域が必要です。
アップグレードインストールを行う前に、データベース領域を見積ってください。
参照
詳細は、本バージョンレベルの『導入ガイド』の「ETERNUS SF Managerのインストール」にある「インストール前の作業」を参照してください。
「A.4 DBアンセットアップ」を参照して、旧バージョンレベルのリポジトリ用データベースをアンセットアップしてください。
「C.1 Express/Storage Cruiser/AdvancedCopy Manager 15.xのマネージャー機能のアップグレードインストール手順(Windows版)」を参照して、アップグレードインストールを実施してください。
参考
アップグレードインストールが異常終了した場合は、異常の原因を取り除いたあと、以下の手順で復旧してください。
本バージョンレベルをインストールしてください。
インストールが正常終了したら、「4.1.1.3 アップグレードインストール後の作業」から継続してください。
以下の手順で、旧バージョンレベルのStorage Cruiserマネージャー運用環境をリストアしてください。なお、手順1と手順2がすでに実施されている場合は、手順3から実施してください。
参考
手順内の表記について
ディレクトリ名 | 説明 |
---|---|
$INS_DIR | ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」 |
$ENV_DIR | ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「環境設定ディレクトリ」 |
作業を行うサーバに、Administrator権限を持つユーザーでログオンします。
本バージョンレベルのDVD媒体「ETERNUS SF SC/ACM/Express メディアパック (Windows 64bit版) (16.9以降) マネージャープログラム (1/2)」を、DVDドライブに挿入します。
以下のバッチを実行して、旧バージョンレベルのリストアを実施します。
backupDir には、バックアップデータを格納したディレクトリを絶対パスで指定してください。tmpDir には、性能管理機能に関するファイルの一時退避先ディレクトリを絶対パスで指定してください。性能管理機能に関するファイルを退避していない場合、tmpDir の指定は不要です。
<DVDドライブ>:\Manager_windows\vuptools\esfpostinst.bat backupDir [tmpDir]
リストアに失敗した場合は、出力エラーメッセージを確認して失敗した原因を取り除いたあと、バッチを再実行してください。
ポイント
ディレクトリ名には、空白(全角、半角)、および半角記号【 " | : * ? / . < > , % & ^ = ! ; ( ) 】を使用できません。
ディレクトリ名に指定できる文字数は、220文字までです。
DVD媒体を装置から取り出します。
SNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下のディレクトリに格納されている旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のSNMPトラップXML定義ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル格納ディレクトリ |
---|
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\snmpth |
ポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズしていた場合、カスタマイズの再実施が必要です。
以下の旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを、任意の場所に退避します。
その後、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「ポーリングサービス設定ファイル説明」を参照して、本バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルをカスタマイズします。カスタマイズの内容は、任意の場所に退避した旧バージョンレベル用のポーリングサービス設定ファイルを参照してください。
カスタマイズ定義ファイル |
---|
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\polling\pollingService.xml |
Brocade seriesに対するリモート通報機能(REMCS)を利用していた場合、任意の場所に退避しておいた定義ファイル(remcsmail.confファイルおよびremcsproduct.confファイル)を以下のディレクトリに格納してください。ディレクトリが存在しない場合は、ディレクトリを作成してください。
定義ファイル格納ディレクトリ |
---|
$ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\eventmail\remcs |
以下のバッチを実行して、ETERNUS SF Managerのサービスを再起動します。
$INS_DIR\Common\bin\Start_ESFservice.bat
管理者権限でesfadm devconf importコマンドを実行して、旧バージョンレベルの構成情報を移行してください。esfadm devconf importコマンドを実行する前に、管理対象の装置・サーバにアクセスできる状態であることを確認してください。
$INS_DIR\Common\bin\esfadm devconf import -all
$INS_DIRは、ETERNUS SF Managerをインストールしたときの「プログラムディレクトリ」です。
esfadm devconf importコマンドを実行したあとは、esfadm devconf importstatusコマンドで[IMPORT STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。
また、移行対象のインポート状況の[STATUS]欄が"Complete"になることを確認してください。"Failed"の場合、構成情報の移行に失敗しているため、「9.2 異常発生時の対処」を参照し対処してください。
ポイント
本製品とファイバーチャネルスイッチ間の通信方法を、telnetからSSHに変更しています。対象スイッチのSSH機能が無効になっている場合は、SSH機能を有効にしてください。設定方法の詳細は、装置に付属のマニュアルを参照してください。
注意
esfadm devconf importコマンド実行時に管理対象の装置・サーバにアクセスできない状態の場合、装置の構成情報が移行されていないため、esfadm devconf importコマンドの再実行が必要です。
サーバ情報の再登録
AdvancedCopy Managerの管理対象サーバがVMゲストの場合、VMware Toolsが起動していない状態で移行すると、AdvancedCopy Managerが未使用の状態で登録されることがあります。このため、以下の作業を実施してください。
Webコンソールにログインします。
サーバ一覧画面で、登録されているサーバの機能レベルに"AdvancedCopy Manager"が表示されているか確認します。
表示されている場合は、ここで作業完了です。表示されていない場合は、手順3へ進んでください。
サーバ一覧画面で、AdvancedCopy Managerを使用するサーバのチェックボックスをチェックしたあと、アクションペインの[サーバ]の下にある[変更]をクリックします。
サーバの変更画面で、[このサーバにAdvancedCopy Managerを使用]に「はい」を選択し、[変更]ボタンをクリックします。
変更が完了したあと、サーバ一覧画面で、対象のVMゲストが存在するVMホストを選択し、アクションペインの[サーバ]の下にある[設定の再読み込み]をクリックします。
性能監視の再開
旧バージョンレベルで性能監視を実施していた場合は、「4.1.1.1.2 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順1で退避した情報を基に、性能監視を再開してください。
再開する方法は、『Storage Cruiser 運用ガイド』の「性能管理指示」および「監視間隔設定」を参照してください。
注意
アップグレード前に採取していた容量に関する情報は、Dashboardに表示されません。シン・プロビジョニングプールの容量グラフ画面で参照してください。
VMware vCenter Serverの構成情報の再登録
旧バージョンレベルでVMware vCenter Serverを登録していた場合は、以下の手順でVMware vCenter Serverを再登録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (VMware)]をクリックします。
VMwareのEnd to Endビューの一覧が、メインペインに表示されます。
アクションペインで、[VMware vCenterサーバ]の下にある[登録/再読み込み]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
「4.1.1.1.2 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順1で退避した情報を基に、必要な情報を入力したあと、画面右下の[確認]ボタンをクリックします。
Hyper-Vホストの構成情報の再登録
旧バージョンレベルでHyper-Vホストを登録していた場合は、以下の手順でHyper-Vホストを再登録してください。
Webコンソールにログインします。
グローバルナビゲーションタブの「サーバ」をクリックします。
カテゴリーペインで、「関係管理」をクリックします。
カテゴリーペインの項目が、関係管理に関する項目に切り替わります。
カテゴリーペインで、[End to Endビュー (Hyper-V)]をクリックします。
メインペインで、Hyper-Vホストとして登録するサーバのチェックボックスをチェックします。
アクションペインで、[Hyper-Vホスト]の下にある[登録/再読み込み]をクリックします。
情報入力画面が表示されます。
「4.1.1.1.2 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順1で退避した情報を基に、必要な情報を入力したあと、画面右下の[確認]ボタンをクリックします。
旧バージョンレベルで以下のソフトウェアを利用していた場合は、本バージョンレベルに対応したバージョンに更新する必要があります。
ETERNUS VASA Provider
Fujitsu ETERNUS Storage Systems Monitoring Pack
注意
アップグレード前と同じWebブラウザーを使用して、Webコンソールを操作する場合は、Webブラウザーのキャッシュを削除してから操作してください。
アップグレード後に正常動作を確認できたら、「4.1.1.1.2 旧バージョンレベルのバックアップ」の手順2-dで作成したバックアップ先ディレクトリ内のバックアップデータを削除して問題ありません。
本バージョンレベルのETERNUS SF Managerでは、Symfowareを使用していません。
SymfowareがETERNUS SF Managerだけに利用されていた場合に限り、Symfowareをアンインストールしてください。
Symfowareをアンインストールする手順は、以下のとおりです。
[プログラムの追加と削除]画面または[プログラムと機能]画面で、Symfowareをアンインストールします。
Symfoware ServerとSymfoware Clientを共にインストールしている場合は、先にSymfoware Clientをアンインストールしてください。
以上で、Storage Cruiserマネージャーのアップグレード作業は終了です。運用を再開できます。
注意
アップグレード前と同じWebブラウザーを使用して、Webコンソールを操作する場合は、Webブラウザーのキャッシュを削除してから操作してください。
参考
アップグレード後、障害管理で利用するSNMP通信プロトコルをSNMPv1からSNMPv3に変更する場合は、本バージョンレベルの『Storage Cruiser 運用ガイド』の「運用管理サーバのSNMP通信プロトコルの変更」を参照して、運用環境を設定してください。
アップグレード後、以下の装置に対する障害管理や性能監視を利用する場合は、一旦装置削除をしたあと、自動検出で装置を再登録してください。
PRIMERGY コンバージドファブリックスイッチブレード(10Gbps 18/8+2)
CFX2000 series
登録方法は、本バージョンレベルの『Storage Cruiser 運用ガイド』の「CFX2000 series」を参照してください。