トランザクションログ定義ファイルは、以下の形式で記述します。
■形式
[RequestLog] Service=service-name Type=web | proxy Path=log-path Format=format-symbol | "format" TimeZone=timezone Inclusion=inclusive-record |
ポイント
'|' は、「または」の意味で、どちらかが指定できることを意味します。
空行は、コメントとして扱われます。
'#'で始まる行は、コメントとして扱われます。
■説明
[RequestLog]
定義ブロックの開始を表します。また、前の定義ブロックの終了を意味します。定義可能な定義ブロック数は最大20です。
Service=service-name
分析対象ログの識別名を定義します。service-nameには、識別名を、半角文字を使って64文字以内で指定します。以下は使用できません。
\ : < > " $ ' [ ] = & / * ? | , |
注意
他の定義ブロックと同じservice-nameを指定することはできません。
他の定義ブロックと、前方一致で合致するservice-name(例:web1とweb11)は指定しないでください。
Type=web | proxy
分析対象サーバの種別の定義です。選択肢の意味は以下のとおりです。
選択肢 | 意味 |
---|---|
web | Webサーバ |
proxy | プロキシサーバ |
デフォルトは、以下のとおりです。デフォルトの場合、行自体を省略できます。
Type=web
Path=log-path
分析対象ログファイルのパスを定義します。
log-path に分析対象ログファイルの絶対パスを指定します。ログファイルが同一ディレクトリ配下に複数作成される場合には、ファイル名にワイルドカード('*')を使用して、複数のファイルすべてを包含したかたちで指定します。パスに空白が含まれる場合は、全体をダブルクォーテーション(")で囲んでください。
ワイルドカードは、日時やファイルローテーションによって複数のログファイルが作成される場合のファイル名指定を行うために用意されています。任意の文字列に対して指定することはできません。
■定義例
分析対象ログファイル | log-path | |
---|---|---|
Windows版 | "C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC3"配下で以下の形式で作成されるログファイル: ex041002.log、ex041003.log、... | C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC3\ex*.log |
UNIX版 | "/var/www/logs"配下で以下の形式でlogrotateで作成されるログファイル: accesslog、accesslog.1、accesslog.2、... | /var/www/logs/accesslog 注意 logrotateツールを使用している場合は最新のログはaccess_logに書き込まれるため、Pathにはaccesslogのフルパスを指定します。 |
注意
Path文を適切に指定しないと、最新のログファイルが検出できず分析できない場合があります。
ワイルドカードによって指定されたファイルは、日時やローテーション番号の最大のファイルが分析対象となります。
access_log.0、access_log.1、access_log.2、・・・の順にログが書き込まれる場合で、かつ、access_log.nの次にaccess_log.0に戻る場合は、Webトランザクション量管理で分析できません。
上記の定義例のようなローテーション方法となるように設定を変更してください。
Format=format-symbol | "format"
分析対象ログファイル内の記録形式を定義します。
format-symbolは、定型の記録形式に対応したシンボルです。
"format" は、記録形式をトークンと区切り文字で指定します。分析対象ログファイル内の記録形式が、定型の記録形式のどれにも該当しない場合は、"format" で指定してください。
指定できるシンボル、トークンを一覧表に示します。
format-symbolにログファイルを指定する場合
Webサーバのログファイルを分析する場合
プロキシサーバのログファイルを分析する場合
"format"にトークンを指定する場合
Webサーバのログファイルを分析する場合
シンボル | 対応するログ |
---|---|
対応する"format" | |
Common | W3Cの Common Logfile Format。以下のログに対応。 W3C httpd (CERN httpd)のCommonログ形式 Apache httpdのCommonログ形式、Customログ形式 Microsoft Internet Information ServicesのCommonログ形式(NCSA共通ログファイル形式)、W3C Extendedログ形式(W3C 拡張ログ ファイル形式) Netscape Enterprise ServerのCommonログ形式、Flexibleログ形式、Customログ形式 Fujitsu InfoProvider ProのCommonログ形式、Extendedログ形式 ....など |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes" |
プロキシサーバのログファイルを分析する場合
シンボル | 対応するログ |
---|---|
対応する"format" | |
Common | W3Cの Common Logfile Format。以下のログに対応。 Netscape Proxy ServerのCommonログ形式、Extendedログ形式、Extended2ログ形式、Flexibleログ形式、Customログ形式 SquidのCommonログ形式 DeleGateのCommonログ形式、Customログ形式 Apache httpdのCommonログ形式、Customログ形式 W3C httpd (CERN httpd)のCommonログ形式 Fujitsu InfoProxyのCommonログ形式 ....など |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes" | |
Common+Ts | Commonに処理時間(秒)を追加したもの。以下のログまたはそのカスタマイズした形式に適合可能。 Netscape Proxy ServerのFlexibleログ形式、Customログ形式 DeleGateのCustomログ形式 Apache httpdのCustomログ形式 |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{s}" | |
Common+Tms | Commonに処理時間(ミリ秒)を追加したもの。以下のログまたはそのカスタマイズした形式に適合可能。 Netscape Proxy ServerのFlexibleログ形式、Customログ形式 DeleGateのCustomログ形式 Fujitsu InfoProxyのExtendログ形式 |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms}" | |
Netscape-Extend | Netscape Proxy Server独自の形式。以下のログに対応。 Netscape Proxy ServerのExtendedログ形式、Extended2ログ形式 |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes r-status * * * * * * * s-elapse{s}" | |
Squid-Native11 | Squid独自の形式。以下のログに対応。 SquidのNativeログ形式 (バージョン1.1形式) |
"s-time{seconds} s-elapse{ms} * */s-status s-bytes s-method s-url * */* *" | |
Microsoft-Native | Microsoft Proxy Server独自の形式。以下のログに対応。 Microsoft Proxy ServerのWebProxyログ形式 |
"*, *, *, *, time{yy/mm/dd, HH:MM:SS}, *, *, *, *, *, *, s-elapse{ms}, s-bytes, *, *, *, s-method, s-url, *, *, s-status, *" | |
DeleGate-Default | DeleGate独自の形式。以下のログに対応。 DeleGateのHTTPのdefaultログ形式 |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms}:*" | |
InfoProxy-Extend | Fujitsu InfoProxy独自の形式。以下のログに対応。 Fujitsu InfoProxyのExtendログ形式 |
"* * * [s-time{dd/mon/yyyy:HH:MM:SS} *] \"c-request\" s-status s-bytes s-elapse{ms} r-status * * * * * * * * * * * * * *" |
注意
シンボルで指定する場合は、対応するformatの内容と分析対象ログのレコードを比較し、記録形式が一致しているシンボルを指定してください。日付部分の形式はシステムにより異なる可能性があるので、十分注意してください。
シンボルで、ログの記録形式を指定する場合、以下の性能情報は収集されません。
シンボル | 収集されない性能情報 |
---|---|
Common | リクエスト処理時間 |
Common+Ts Common+Tms | - |
Netscape-Extend | - |
Squid-Native11 | - |
Microsoft-Native | - |
DeleGate-Default | リクエスト処理時間 |
InfoProxy-Extend | - |
トークン | 意味 |
---|---|
s-time{time-format} | サーバがリクエストの処理を完了した時刻 |
c-request | クライアントがサーバへ送信した最初のリクエスト |
s-method | クライアントがサーバへリクエストしたメソッド(c-requestの一部) |
s-url | クライアントがサーバへリクエストしたURL(c-requestの一部) |
s-host | クライアントがサーバへリクエストしたホスト名または、IPアドレス(s-urlの一部) |
s-path | クライアントがサーバへリクエストしたファイルパス(s-urlの一部) |
s-status | サーバがクライアントへ送信したステータスコード |
r-status | リモートサーバがサーバへ送信したステータスコード |
s-bytes | サーバがクライアントへ転送したバイト数 |
s-elapse{elapse-format} | サーバがリクエストの処理に要した時間 |
* | 上記以外の可変要素 |
\ | エスケープ文字(「"」、「\」を指定する場合は、「\"」、「\\」のようにエスケープ文字を付けます) |
c-request、s-method、s-url、s-host、s-pathの関係を以下に記述します。
time-format には、分析対象ログに記録された時刻のログ形式をトークンと区切り文字で指定します。トークンは、以下のとおりです。
トークン | 意味 |
---|---|
yyyy | 西暦年(2005~2038) |
yy | 西暦年(00~99) |
mm | 月(01 ~ 12) |
mon | 月(Jan、 Feb、 Mar、 Apr、 May、 Jun、 Jul、 Aug、 Sep、 Oct、 Nov、Dec) |
month | 月(January、 February、 March、 April、 May、 June、 July、 August、 September、 October、 November、 December) |
dd | 日(01~31) |
HH | 時(00~23) |
MM | 分(00~59) |
SS | 秒(00~59) |
seconds | 通算秒 |
elapse-format には、経過時間の単位を示すトークンを記述します。トークンは、以下のどちらかです。
トークン | 意味 |
---|---|
s | 単位は、秒 |
ms | 単位は、ミリ秒 |
注意
formatで、トークンの文字列に一致しないものは、すべて区切り文字として扱います。トークンのスペルミスは、区切り文字として扱われますので、注意してください。
分析対象ログのレコードが、Formatで指定された記録形式に一致しない場合、レコードの情報は「分析不可レコード」として集計されます。また、記録形式に一致しないレコードが、ログファイルの分析開始位置から一定数だけ連続して存在した場合、処理を終了します。分析対象ログファイルのレコードとFormatの記録形式が正しく対応していることを確認してください。
formatで、ログの記録形式を指定する場合は、以下に示す必須トークンが指定されていることを確認してください。必須トークンが指定されていない場合は、分析ができなくなりますので、十分注意してください。
必須トークン |
---|
s-time |
s-status |
formatで、ログの記録形式を指定する場合は、操作画面の分析で必要となるトークンが指定されていることを確認してください。
分析(操作画面) | 必要トークン |
---|---|
URL別の各種分析(詳細・レポート) | s-url(または、c-request、s-path) |
TimeZone=timezone
分析対象ログファイルに記録されている時刻データのタイムゾーンを定義します。timezoneには、UTC(協定世界時)からの時差を指定します。形式は、以下のとおりです。
形式 | 説明 |
---|---|
[+|-]HHMM | +:進んでいることを表す。 -:遅れていることを表す。 HH:時(00~13) MM:分(00~59) |
デフォルトは、以下のとおりです。デフォルトの場合、行自体を省略できます。
TimeZone=+0000
または
TimeZone=0000
注意
分析対象ログファイルで利用されている地域時刻は、各サーバのマニュアルで確認してください。
Inclusion=inclusive-record
分析対象となるURLを定義します。
詳細またはレポートにおける分析で、特定のURLに絞った監視・分析を行いたい場合に指定します。inclusive-recordには、分析対象とするURL(パラメーターを除く)について、Webコンテンツのサーバ名部分を除いたパス名を二重引用符(")で括って指定します。使用可能文字数は、最大1023です。以下は使用できません。
^ | [ ] { } < > ( ) & $ # " ' * , ? = : \ |
定義可能なInclusion文数は最大20です。
なお、URL末尾がスラッシュ(/)の場合、指定されたURL配下の全コンテンツ(サブディレクトリを含む)をひとつのURLとして集計、監視します。ただし、以下の場合は、ファイル名として扱われます。配下のコンテンツは集計、監視の対象となりません。
Inclusion="/" |
Inclusion文で定義していないすべてのURLは、URL名[CONTENTS]で分析が行われます。
デフォルトの場合、すべてのURLは、URL名[CONTENTS]で分析が行われます。デフォルトの場合、行自体を省略できます。
Inclusion文の定義例は以下のとおりです。
Inclusion="/SSQC/eg.htm" Inclusion="/cgi-bin/query.cgi" Inclusion="/tool/program" Inclusion="/segment01/" |
注意
以下のURLはすべてURL名"/SSQC/eg.htm"として監視されます。
http://www.fujitsu.com/SSQC/eg.htm
https://www.fujitsu.com/SSQC/eg.htm
http://www.fujitsu.co.jp/SSQC/eg.htm
■定義例
定義例は、以下のとおりです。
【Windows版】
[RequestLog] Service=www1 Path="C:\WINNT\system32\LogFiles\W3SVC1\ex*.log" Format="s-time{yyyy-mm-dd HH:MM:SS} * s-method s-url s-status s-bytes" |
【UNIX版】
[RequestLog] Service=www2 Type=web Path=/usr/local/apache/logs/access_log Format=Common TimeZone=+0900 Inclusion="/cgi-bin/query.cgi" |