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Interstage Application Server V13.0.0 GlassFish 設計・構築・運用ガイド
FUJITSU Software

12.2 コマンド実行時の異常

コマンド実行時の以下のトラブルについて対処方法を説明します。

コマンド実行時にパスワード入力を要求される

コマンド実行時のパスワード入力を省略したい場合は、「10.1.3.1 loginサブコマンド」を参照して対処を行ってください。


エラーメッセージの出力

コマンド実行時に異常が発生した場合、コマンドを実行したターミナルへエラーメッセージが出力されます。「第11章 GlassFishのメッセージ」を参照して対処してください。


例外メッセージの出力

コマンド実行時に例外メッセージが出力された場合は、以下を参照して対処してください。

java.lang.OutOfMemoryError

メモリ不足が発生している可能性があります。以下のマニュアルを参照して対処を行ってください。

  • 「チューニングガイド」の「OpenJDK 8のチューニング」-「異常発生時の原因振り分け」-「java.lang.OutOfMemoryErrorがスローされた場合」

java.lang.OutOfMemoryErrorの出力例を以下に示します。

Exception in thread "main" Exception in thread "Thread-1" java.lang.OutOfMemoryError: Metaspace
        at java.lang.ClassLoader.defineClass1(Native Method)
        at java.lang.ClassLoader.defineClass(ClassLoader.java:763)
        at java.security.SecureClassLoader.defineClass(SecureClassLoader.java:142)
        at java.net.URLClassLoader.defineClass(URLClassLoader.java:467)
        at java.net.URLClassLoader.access$100(URLClassLoader.java:73)
        at java.net.URLClassLoader$1.run(URLClassLoader.java:368)
        at java.net.URLClassLoader$1.run(URLClassLoader.java:362)
        at java.security.AccessController.doPrivileged(Native Method)
        at java.net.URLClassLoader.findClass(URLClassLoader.java:361)
        at java.lang.ClassLoader.loadClass(ClassLoader.java:424)
        at sun.misc.Launcher$AppClassLoader.loadClass(Launcher.java:331)
        at java.lang.ClassLoader.loadClass(ClassLoader.java:357)
        at org.glassfish.hk2.utilities.DescriptorImpl.readObject(DescriptorImpl.java:878)
        at com.sun.enterprise.admin.cli.CLIContainer.parseInHk2LocatorOrig(CLIContainer.java:150)
        at com.sun.enterprise.admin.cli.CLIContainer.parseHk2Locators(CLIContainer.java:192)
        at com.sun.enterprise.admin.cli.CLIContainer.<init>(CLIContainer.java:126)
        at com.sun.enterprise.admin.cli.AdminMain.doMain(AdminMain.java:279)
        at org.glassfish.admin.cli.AsadminMain.main(AsadminMain.java:56)
The memory was exhausted on Metaspace. : requested 488 bytes
  Java heap size / max Java heap size = 3411168 / 132120576
  Java metaspace size / max Java metaspace size = 4539360 / 5242880
java.net.SocketTimeoutException

高負荷によりDASとの通信が失敗した可能性があります。
システムの負荷状況を確認し、システムリソースに空きができたら再度コマンドを実行してください。

java.lang.NoClassDefFoundError

wsimportコマンドを実行時にjavax.xml.stream.XMLStreamExceptionクラスについて本例外が出力された場合、製品のJDK6以降のjavaコマンドが利用できていない場合があります。環境変数 PATHなどを確認してください。

java.io.FileNotFoundException

実行権限のないユーザーによってコマンドが実行された可能性があります。該当している場合は、実行権限のあるユーザーで再実行してください。


コマンド復帰の遅延

処理開始から長時間経過してコマンドが異常復帰する場合、複数の操作が同時に実行されたことでDASに接続できない状態となっている可能性があります。
この場合、コマンドの実行はエラーとなりますが、定義・運用には影響はありません。同時に他の操作が行われていないことを確認し、再度コマンドを実行してください。


項目の更新時、意図しない値が保存される

他のユーザーが以下により同時に操作を行ったため、指定値が上書きされた可能性があります。

同時に操作を行っているユーザーがいないか確認し、必要に応じて操作を再度実行してください。


起動操作と停止操作連続実行時の異常

asadminコマンドはDAS、およびGlassFish Serverインスタンスの操作完了を待たずに復帰します。このため、起動操作(start-domain/start-cluster/start-local-instance)と停止操作(stop-domain/stop-cluster/stop-local-instance)を連続実行した場合、以下のエラーでasadminコマンドが失敗する場合があります。

Failed to start process named <GlassFish Serverインスタンス名>. PCMI Error Code=301.


以下の対処を行ってください。

起動操作を行う場合

pcmilistprocessesコマンドで操作対象のGlassFish Serverインスタンス(DAS)が表示されていないことを確認した後、起動操作を行ってください。

停止操作を行う場合

pcmilistprocessesコマンドで操作対象のGlassFish Serverインスタンス(DAS)のstatusが"monitoring"となっていることを確認した後、停止操作を行ってください。


asadminコマンド実行時、メッセージOM2120が出力される場合

OM2120の詳細情報に、すでに設定されている旨を示すメッセージが出力され、メッセージから対処できない場合、Webサーバー連携の設定に不整合が生じている可能性があります。wscadmin list-web-serversサブコマンドに--detailオプションを指定して実行し、表示された以下の項目に対して、設定内容の確認と対処を行ってください。なお、wscadmin list-web-serversサブコマンドの詳細は「10.15.5 list-web-serversサブコマンド」を参照してください。

GlassFishServerCluster
  • 表示されているGlassFish Serverクラスターが存在するか確認してください。

    GlassFish Serverクラスターが存在しない場合、存在しないGlassFish Serverクラスターへの連携設定が残存しているため、以下の手順で残存している設定を削除してください。

    1. 表示されている名前のGlassFish Serverクラスターを作成します。

    2. asadmin delete-web-server-refサブコマンドを使用して連携設定を削除します。

    3. 作成したGlassFish Serverクラスターを削除します。

  • 表示されているGlassFish ServerクラスターにGlassFish Serverインスタンスが存在するか確認してください。

    GlassFish Serverインスタンスが1つも存在しない場合、表示されているGlassFish Serverクラスターへの連携設定が残存しているため、asadmin delete-web-server-refサブコマンドを使用して、残存している連携設定を削除してください。

    GlassFish Serverインスタンスが存在する場合は、以下のAddress、IdentifierおよびApplicationの項目を確認してください。

Address

GlassFish ServerクラスターのGlassFish Serverインスタンスで、表示されているポート番号を使用しているか確認してください。表示されているポート番号が使用されていない場合、Webサーバー連携の設定に不整合が生じているため、以下の手順で再設定を行ってください。

  1. asadmin delete-web-server-refサブコマンドを使用し、Webサーバーとの連携をいったん解除します。

  2. asadmin create-web-server-refサブコマンドを使用し、Webサーバーと再度連携させます。

  3. 必要に応じて、asadmin update-web-server-connector-configサブコマンドを使用し、Webサーバーコネクタの環境設定を更新してください。

Identifier

Addressで表示されているポート番号に対応するGlassFish Serverインスタンス名が表示されていることを確認してください。Addressで表示されているポート番号に対応するGlassFish Serverインスタンス名が表示されない場合、Webサーバー連携の設定に不整合が生じているため、以下の手順で再設定を行ってください。

  1. asadmin delete-web-server-refサブコマンドを使用し、Webサーバーとの連携をいったん解除します。

  2. asadmin create-web-server-refサブコマンドを使用し、Webサーバーと再度連携させます。

  3. 必要に応じて、asadmin update-web-server-connector-configサブコマンドを使用し、Webサーバーコネクタの環境設定を更新してください。

Application

表示されているコンテキストルートをもつアプリケーションが、GlassFish Serverクラスターに配備されているか確認してください。アプリケーションが配備されていない場合、Webサーバー連携の設定に不整合が生じているため、上記(Address)と同じ手順で再設定を行ってください。


asdaminコマンド実行時メッセージNCLS-ADMIN-00010が出力される場合

運用管理操作のSSL通信で使用する証明書が不正な状態の可能性があります。該当する場合、「5.2.9.1 運用管理操作のSSL通信で使用する証明書の再発行」の手順を実行することで、復旧できます。

運用管理操作のSSL通信で使用する証明書が不正な状態の場合、以下の現象も発生します。