コマンド | 機能 | Solaris | Linux | 備考 |
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CIP を起動または停止する | ○ | ○ | ||
CIP 構成定義ファイルフォーマット | ○ | ○ | ||
クラスタ内のローカルノードとリモートノードに関する CIP 情報を取り出す | ○ | ○ |
CIP を起動または停止する
◆形式
cipconfig [ -l | -u | -h ]
◆機能説明
本コマンドは、CIP の起動および停止を行います。ただし、本コマンドを直接使用することは推奨しません。
本コマンドは、コマンドラインから使用します。本コマンドは、CIP 下に構成済みのインタコネクトを設定し、それを利用して、TCP/IP などの上位層のプロトコルからの要求パケットをリモートノードへ配送できるようにします。本コマンドは、CF からインタコネクトリストを取得します。上位層プロトコルスタックに対する CIP の設定は、各 OS に依存します。本コマンドを使用して CIP を停止する前に、CIP と上位層プロトコルスタックの間の関係はすべて破棄する必要があります。
本コマンドを使用して、CIP モジュールをロードし、その処理を開始することができます。CIP を停止し、CIP モジュールをアンロードすることもできます。
本コマンドは、システム管理者権限で実行してください。
◆オプション
ドライバをロードし、ノードのインタコネクトを CIP 用に設定します。インタコネクトデバイスの情報が CF から取得されます。CIP の設定は、CF が起動され、クラスタに参入している必要があります。クラスタに参入していない場合は、cipconfig はノードの参入が完了するまで待ちます。CIP モジュールがすでにロードされている場合は、cipconfig はモジュールのロード処理を行わずに設定を行います。
CIP を停止し、ドライバをアンロードします。cipconfig を使用してアンロードする前に、CIP と TCP/IP の間のコネクションをすべて外す必要があります。
簡単な使用説明を出力します。
◆終了ステータス
0 :正常終了
0以外:異常終了
◆関連項目
CIP 構成定義ファイルフォーマット
◆形式
/etc/cip.cf
◆機能説明
CIP 設定ファイル /etc/cip.cf は、クラスタ内のノードを 1つ以上の CIP インタフェースに関連付けるローカルデータベースです。CIP 設定ファイルには、各行に 1つのエントリがあります。各エントリは同じ行に記述しなければなりません。各エントリのフォーマットは次のとおりです。
cfname CIP_Interface_Info [ CIP_Interface_Info ... ] [IPv6]
cfname の前に空白を入れることはできません。IPv6アドレスを利用する場合は、行末に"IPv6"と記載します。IPv4の場合とIPv6の場合とではCIP_Interface_Info のフォーマットも異なります。同じ行にIPv4 アドレスと IPv6 アドレスを混在して記載することはできません。CIP_Interface_Info のフォーマットは次のとおりです。
IPv4の場合
IPv4-Address[:netmask:<Netmask>]
CIP_Interface_Info には空白を含めることはできません。IPv4-Address は、インターネット標準のドットで区切られた形式、またはホスト名で指定します。ホスト名で指定する場合は、/etc/hosts で定義されている必要があります。<Netmask>はIPアドレスに設定するネットマスク値をインターネット標準のドットで区切られた形式で設定してください。
IPv6の場合
Hostname:"["IPv6-Address/prefix_length"]"
CIP_Interface_Info には空白を含めることはできません。Hostnameは、cipアドレスを指定するホスト名を記載します。
IPv6-Address/prefix_lengthはそれぞれ、インターネット標準のコロン区切り 16 進形式で表現されたIPv6アドレスとそのプレフィックス長を記載します。
各ノードに対し、最大 8つの CIP アドレスを設定することができます。アドレスには、設定ファイルに表示される順に、CIP インスタンス番号が割り当てられます。RMSで使用する場合、一番初めのCIPアドレスに対して、"CFノード名+RMS"のホスト名を記載してください。
#で始まる行はすべてコメントとみなされ、無視されます。行の途中で#を使用することはできません。
cfname がノード名と一致する行のみが、RC スクリプトにより解釈されます。しかし、クラスタ全体で一貫したファイルを維持した方が、全体像を把握しやすく、混乱を回避できます。実際、RMS では、クラスタ内のすべてのノードで、/etc/cip.cf が同一であることが必要です。
RC 起動スクリプトは、システムブート時に、/etc/cip.cf を確認し、ファイルの設定に従って CIPを設定します。
注意
CIPに割り当てるIPv6アドレスを変更する場合以外は、直接ファイルを編集しないでください。
CIPのIPアドレス変更する場合は、“PRIMECLUSTER 導入運用手引書”を参照して行ってください。
◆使用例
IPv4アドレスを使用する場合
fuji2 fuji2RMS:netmask:255.255.255.0 fuji3 fuji3RMS:netmask:255.255.255.0
IPv6アドレスを使用する場合
fuji4 fuji4RMS:[FD00:0:0:1::1/64] IPv6 fuji5 fuji5RMS:[FD00:0:0:1::2/64] IPv6
◆関連項目
ifconfig, cipconfig(1M)
◆備考
スクリプトは CIP を設定する際、正常な場合も異常が発生した場合も、メッセージを、コンソールおよび(または)システムログファイル /var/adm/messages(Soalris の場合)、/var/log/messages(Linux の場合)に出力します。メッセージは次のようなものとなります。
cip: configured cip0 as 192.168.1.3:netmask:0xffffff00.
cip: failed to configure cip1 with address 192.168.1.3:netmask:0xffffff00.
クラスタ内のローカルノードとリモートノードに関する CIP 情報を取り出す
◆形式
/opt/SMAW/SMAWcf/bin/ciptool [ -a ] [ -f ] [ -l ] [ -n ] [ -q ] [ -h ]
◆機能説明
本コマンドは、ローカルノードとリモートノードの CIP 状態とバージョン情報、およびアドレス解決テーブルの内容を表示します。オプションが省略された場合には、「-h」が指定された場合と同様になります。
◆オプション
アドレス解決テーブルを表示します。アドレス解決テーブルには、ローカルノードにキャッシュされた、IP アドレスをノード番号に対応付ける情報が含まれます。以下に、情報の表示例を示します。
IP Address Node Number 191.1.1.2 fuji2 191.1.1.3 fuji3 191.1.1.9 (Incomplete)
IP アドレスがローカルノードのものであれば、ローカルノード番号のかわりに Local と表示されます。IP アドレスが確定していないと(アドレス解決処理中)、Incomplete と表示されます。
アドレス解決テーブルをフラッシュします。アドレス解決テーブルキャッシュもフラッシュします。ローカル CIP に属するエントリはフラッシュできません。
ローカル CIP 情報を表示します。コマンドが実行されたノード(ローカルノード)の属性と状態を表示します。出力フォーマットは、-n オプションと同様です。本オプションが正しく実行されるためには、ローカルノードがクラスタの形成を完了している必要があります。
すべての CIP 情報を表示します。クラスタ内のすべての CIP の属性と状態を表示します。本オプションが正しく実行されるためには、ローカルノードがクラスタの形成を完了している必要があります。ローカル CIP が UP 状態でなければ、他のすべてのノードの状態とバージョンは確定されません(「--」と表示されます)。
属性と状態の情報は、次のフォーマットで表示されます。
Node Number CF state CIP state version
Node
ノード名
Number
クラスタ内のノード番号
CF state
CF 状態 - DOWN または UP
CIP state
CIP 状態 - DOWN、UP、または --
version
CIP のバージョン
各列の見出しが省略されます。本オプションは他のオプションと同時に指定することができます。単独で使用することはできません。
簡単な使用説明を出力します。
◆終了ステータス
0 :正常終了
0以外:異常終了
◆関連項目