GFS 共用ファイルシステム上のファイルに対するアクセス性能が低下している場合、ファイルデータが断片化している可能性があります。この場合、ファイルの間接エクステント管理情報キャッシュ量を変更することで性能を改善することができます。
GFS 共用ファイルシステムではファイルデータの割付情報をエクステントベースで管理しており、1 つのファイルを構成するエクステント数が多くなると、ファイルデータの割付情報を、間接エクステント管理情報 (以降、IEX) で管理します。
メタデータサーバ (MDS) は、ファイルデータの読み出しや書き込み時にディスクから読み出した IEX をメモリにキャッシュしていますが、以下のような場合には、IEX キャッシュがあふれ、ファイルデータの読み出しや更新の性能が劣化します。
1 つのファイルのエクステント数が非常に多い。
同時にデータを読み出したり書き込んだりする複数のファイルのエクステント数が非常に多い。
この現象を回避するためには、チューニングパラメタ SFCFS_NCACHE_IEX を設定して、IEX キャッシュ量を増やしてください。
参照
チューニングパラメタ SFCFS_NCACHE_IEX の詳細、設定方法は、本書の“14.1.1 キャッシュ量”を参照してください。
IEX キャッシュ量の見積もり方法を、以下に示します。
GFS 共用ファイルシステム上の 2 つのファイル /mnt/gfs01/fileA と /mnt/gfs01/fileB に同時にアクセスした際にアクセス性能が低下している場合は、 sfcextcount(1M) を使用して 2 つのファイルの IEX の数を確認します。
第 3 フィールドの値が IEX の数です。
# /etc/opt/FJSVgfs/bin/sfcextcount -f /mnt/gfs01/fileA /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 6: 81920 4724 # /etc/opt/FJSVgfs/bin/sfcextcount -f /mnt/gfs01/fileB /dev/sfdsk/gfs01/dsk/volume01 8: 98304 5668 |
参照
sfcextcount(1M) の詳細については、本書の“B.2.13 sfcextcount(1M) ファイルのエクステント情報の出力”を参照してください。
手順 1. で確認した IEX の数の合計を求めます。
4724 + 5668 = 10392
10392 より大きな値を IEX キャッシュ量とします。