dd(1M) コマンドを使用して、バックアップ元とは異なるパーティションへ GFS 共用ファイルシステムをリストアした場合、媒体の内部にあるパーティション情報が実際のパーティション構成と一致しません。このため、パーティション情報を再設定する必要があります。
参考
バックアップ元と全く同じパーティションに GFS 共用ファイルシステムをリストアする場合は、媒体の内部にあるパーティション情報に変更はないので、この作業は必要ありません。
パーティション情報の変更は、sfcadm(1M) コマンドで行います。
バックアップ元とは異なったパーティションへリストアを行う場合は、リストア先のパーティションが GFS 共用ファイルシステムで使用可能な状態かどうかによって方法が異なります。
以下にそれぞれの場合の方法を示します。
GFS 共用ファイルシステムで未使用のパーティションへリストアを行う場合
3つのパーティションで構成されたファイルシステムを作成元とは異なる未使用のパーティション
/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01, /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume02, /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume03 へリストアした後に、sfcadm(1M) でパーティション情報を再設定する方法を以下に示します。
なお、代表パーティションは /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01、ポート名は sfcfs-1、共用ノードは host01, host02 です。
# sfcadm -m host01,host02 -g host01,host02 -p sfcfs-1,sfcfs-1 /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01,/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume02,/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume03 <Enter> |
GFS 共用ファイルシステムで使用中のパーティションへリストアを行う場合
3つのパーティションで構成されたファイルシステムを作成元と構成が同じファイルシステムが存在するパーティション
/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01, /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume02, /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume03 へリストアした後に、sfcadm(1M) でパーティション情報を再設定する方法を以下に示します。
なお、代表パーティションは /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01 で、ポート名と共用ノードは同じものになります。
# sfcadm /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01,/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume02,/dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume03 <Enter> |
なお、リストア先のファイルシステムの作成状況は、sfcinfo(1M) で確認することができます。
参照
sfcinfo(1M) の詳細については、本書の sfcinfo(1M) を参照してください。
sfcadm(1M) の詳細については、本書の sfcadm(1M) を参照してください。
注意
バックアップ時とリストア後とでファイルシステムの共用ノード範囲が変わる場合は、共用ノード範囲の変更も必要です。
マウント状態のファイルシステムをファイルシステム単位でバックアップを行った場合、バックアップの途中でファイルアクセスが発生し、バックアップ内容に不整合が発生する可能性があります。
この状態を修復するには、管理者が fsck_sfcfs(1M) でファイルシステムの整合性チェック、および修復を実施する必要があります。なお、不整合が発生していない場合、fsck_sfcfs(1M) は通常数秒~1 分で完了します。
ファイルシステム修復の例を以下に示します。代表パーティションは /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01 です。すべてのノードからマウントされていないことを確認した後に行ってください。
# fsck -F sfcfs -y /dev/sfdsk/gfs99/rdsk/volume01 <Enter> |
参照
fsck_sfcfs(1M) の詳細については、本書の fsck_sfcfs(1M) を参照してください。