ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.6
FUJITSU Software

J.3.10 クラスタアプリケーション情報の設定変更

ここでは、クラスタアプリケーションを構成する SysNode名の変更と、引継ぎネットワークリソースのホスト名の変更および、プロシジャリソースなどのCFノード名の変更を行います。

  1. RMS Configuration 名を取得します。以下の手順に従いファイルの内容を出力し、-cの後に続く文字列がRMS Configuration 名になります。本操作は、クラスタを構成するいずれか1ノードで実施します。

    RMS Configuration 名が 'config' の場合

    # cat /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/CONFIG.rms
    hvcm -c config
             ↑RMS Configuration 名
  2. 構成ファイルのバックアップを採取します。この操作はすべてのクラスタノードで実行します。

    以下のコマンドを実行します。

    cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d
    cp -rp <RMS Configuration 名> <RMS Configuration 名>.backup

    引継ぎネットワークリソースを使用していた場合は、以下をすべてのクラスタノードで実行します。

    cp -p /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/hvipalias /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/hvipalias.backup

    <RMS Configuration 名>が configの場合

    # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d
    # cp -rp config config.backup
    # cp -p /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/hvipalias /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/hvipalias.backup
  3. 構成ファイルのSysNode名を修正します。ここでの一連の操作は、手順1.を実施したノードと同じノードで実施します。

    1. 構成ファイルが配置されているディレクトリに移動します。

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/<RMS Configuration 名>

      <RMS Configuration 名>が configの場合

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/config
    2. 変更対象のファイルを以下のコマンドで検索します。

      grep -l HvpMachine *

      # grep -l HvpMachine *
      userApp_0.m
      userApp_1.m
          :

      ここで表示された .m ファイルが更新対象です。

    3. 表示されたファイルにおいて HvpMachine で始まる行を探し変更します。 vi コマンドでファイルを開きます。

      # vi userApp_0.m
      HvpApplication=userApp_0 HvpAutoBreak=yes : (省略) : HvpMachine000=fuji2RMS ←●変更対象行 HvpMachine001=fuji3RMS ←●変更対象行 : (以後省略)

      イコールの右辺に設定されている SysNode 名を、変更後の SysNode 名に変更します。

      SysNode 名は、CFノード名に大文字の RMS を追加した形で設定されています。

      CF ノード名を fuji2,fuji3 から fuji4,fuji5 に変更した場合は、以下のように変更します。

      [変更前]
      HvpMachine000=fuji2RMS
      HvpMachine001=fuji3RMS
      [変更後]
      HvpMachine000=fuji4RMS
      HvpMachine001=fuji5RMS

      この変更操作を前の手順3.の2.で取得した .m のファイルすべてに対して実施します。

    4. 変更前の SysNode 名が残っていないか確認します。

      # grep HvpMachine *.m
      userApp_0.m:HvpMachine000=fuji4RMS
      userApp_0.m:HvpMachine001=fuji5RMS
      userApp_1.m:HvpMachine000=fuji4RMS
      userApp_1.m:HvpMachine001=fuji5RMS
    5. 構成ファイルが配置されているディレクトリ配下の <SysNode名>.s ファイルをmvコマンドで変名します。古い SysNode名を持つファイルを、変更後のSysNode名に変更します。

      # mv fuji2RMS.s fuji4RMS.s
      # mv fuji3RMS.s fuji5RMS.s
  4. プロシジャリソース、回線切替装置リソース、パトロール診断のCFノード名を修正します。ここでの一連の操作は、手順3.を実施したノードでのみ実施します。

    プロシジャリソース、回線切替装置リソース、パトロール診断を使用していない場合は、本手順は実施不要のため手順5.から実施してください。

    1. 構成ファイルが配置されているディレクトリに移動します。

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/<RMS Configuration 名>

      <RMS Configuration 名>が configの場合

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/config
    2. 変更対象のファイルを以下のコマンドで検索します。

      grep -l HvpCrmScopeFilter *

      # grep -l HvpCrmScopeFilter *
      Procedure0.m
      Procedure1.m
          :

      ここで表示された .m ファイルが更新対象です。

    3. 表示されたファイルにおいて HvpCrmScopeFilterで始まる行を探し変更します。 vi コマンドでファイルを開きます。

      # vi Procedure0.m
      HvpApplType=RESOURCE
      HvpApplication=Procedure0
      HvpClassNameFilter=BasicApplication
      HvpConsistent=consistent
      HvpCrmFlags000=OT1800
      HvpCrmResourceId000=33
      HvpCrmResourceName000=SDISK
      HvpCrmScopeFilter=fuji2:fuji3  ←●変更対象行
      HvpPlugin=BasicApplication
      HvpPreCheckHeritageIn=''
            :
         (以後省略)

      イコールの右辺に設定されている CFノード名を、変更後の CFノード名に変更します。

      CF ノード名を fuji2,fuji3 から fuji4,fuji5 に変更した場合は、以下のように変更します。

      [変更前]
      HvpCrmScopeFilter=fuji2:fuji3
      [変更後]
      HvpCrmScopeFilter=fuji4:fuji5

      この変更操作を前の手順4.の2.で表示されたすべての.mファイルに対して実施します。

      注意

      リソースの種類などによって HvpCrmScopeFilterに設定されている CFノード名が 1つの場合があります。

    4. 変更前の CFノード名が残っていないか確認します。

      grep HvpCrmScopeFilter *.m

      # grep HvpCrmScopeFilter *.m
      Procedure0.m:HvpCrmScopeFilter=fuji4:fuji5
      Procedure1.m:HvpCrmScopeFilter=fuji4:fuji5
          :
  5. 引継ぎネットワークのホスト名を修正します。ここでの一連の操作は、手順3.を実施したときと同じノードでのみ実施します。
    引継ぎネットワークリソースを使用していない場合は、本手順と手順6, 7. は実施不要のため手順8. から実施してください。

    1. 構成ファイルが配置されているディレクトリに移動します。

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/<RMS Configuration 名>

      <RMS Configuration 名>が configの場合

      # cd /opt/SMAW/SMAWRrms/build/wizard.d/config
    2. 変更対象のファイルを以下のコマンドで検索します。

      grep -l HvpPlugin=Ipaddress *

      # grep -l HvpPlugin=Ipaddress *
      Ipaddress0.m
      Ipaddress1.m
          :

      ここで表示された .m ファイルが更新対象です。

    3. 表示されたファイルにおいて HvpInterfaceで始まる行を探し変更ます。 vi コマンドでファイルを開きます。

      # vi Ipaddress0.m
      HvpApplType=IPADDR
      HvpApplication=Ipaddress0
      HvpConsistent=consistent
      HvpInterface000=V:oldname  ←●変更対象行
      HvpIntfFilter=''
      HvpNeedAll=yes
            :
         (以後省略)

      コロン(“:”) の右側のホスト名を、変更後のホスト名に変更します。

      以下、引継ぎネットワークのIPアドレスに対応するホスト名が oldname であったものを、newname へ変更する場合の例は以下の通りです。

      [変更前]
      HvpInterface000=V:oldname
      [変更後]
      HvpInterface000=V:newname

      この変更操作を前の手順4.の2.で取得した .m のファイルすべてに対して実施します。

    4. 変更前の引継ぎネットワークのホスト名が残っていないか確認します。

      # grep HvpInterface *.m
      Ipaddress0.m: HvpInterface000=V:newname
  6. hvipalias ファイル内の CFノード名および引継ぎネットワークを変更します。

    本ファイルは /opt/SMAW/SMAWRrms/etc/hvipalias にあります。各行の第一フィールドには、CFノード名、第二フィールドには、引継ぎネットワークのホスト名、第三フィールドには、引継ぎネットワークに使用するネットワークインタフェースが設定されています。それぞれを変更後の名前に修正します。この操作はクラスタを構成するすべてのノードで実施します。

    CFノード名がfuji2 → fuji4, fuji3 → fuji5と変更され、引継ぎネットワークのホスト名が oldname から newname に変更され、引継ぎネットワークに使用するネットワークインタフェースが net0 から net1 に変更された場合

    [変更前]
    fuji2  oldname    net0  0xffffff00        # sh_rid=34 rid=32 192.168.100.233
    fuji3  oldname    net0  0xffffff00        # sh_rid=34 rid=33 192.168.100.233
    [変更後]
    fuji4  newname    net1  0xffffff00        # sh_rid=34 rid=32 192.168.100.233
    fuji5  newname    net1  0xffffff00        # sh_rid=34 rid=33 192.168.100.233
  7. /etc/inet/hosts ファイル内の SysNode名および引継ぎネットワークのホスト名が変更済みであることを確認してください。

  8. 変更を反映します。以下のコマンドを手順1.を実施したノードと同じノードで実施します。

    hvw -F Configuration-Activate -xj -n <RMS Configuration 名>

    # hvw -F Configuration-Activate -xj -n config

    コマンドの出力結果において、以下の(1)と(2)の内容を確認します。

    Testing for RMS to be up somewhere in the cluster ... done.
    
    Arranging sub applications topologically ... done.
    
    Check for all applications being consistent ... done.
    
    Running overall consistency check ... done.
    
    Generating pseudo code [one dot per (sub) application]: ..... done.
    
    Generating RMS resources [one dot per
    resource]: ............................................................ done
    
    
    hvbuild using /usr/opt/reliant/build/wizard.d/config/config.us
    About to distribute the new configuration data to hosts: fuji4RMS,fuji5RMS (1)
    
    The new configuration was distributed successfully.
    
    About to put the new configuration in effect ... done.
    
    The activation has finished successfully. (2)
    #

    (1) では、変更後の SysNode 名が出力されていることを確認します。

    (2) では、The activation has finished successfully. と出力されていることを確認します。

    出力結果が異なる場合は、以下を確認し、必要な対処を実施してください。

    • クラスタを構成する一部のノードで RMS が動作中でないかを確認してください。動作中の場合は、RMS を停止してください。

    • クラスタを構成するすべてのノードがマルチユーザモードで動作していることを確認してください。

    • すべてのノードで /etc/hosts ファイルのホスト名の変更や CF ノード名の変更が完了しているかを確認してください。

    対処後、手順8.の操作を再度実施します。

  9. J.3.2 GLSのIPアドレス/MACアドレス/インタフェース名の変更”において、GLSのIPアドレスの変更を行った場合は、クローニング前のGlsリソースの引継ぎIPアドレスを削除し、改めて設定します。設定方法については、“10.3.1 クラスタアプリケーションの構成変更”、“6.7.1.4 Glsリソースの作成”を参照してください。

  10. J.3.1 シングルユーザモードでの設定”にて、RMSの環境変数変更した場合は、以下の手順で元に戻します。本操作はRMSを使用しているすべてのノードで実施します。

    # hvsetenv HV_RCSTART 1
    # hvsetenv HV_RCSTART
    1   ← 元に戻した場合の値が出力されることを確認します
  11. RMS を起動します。以下のコマンドをいずれか 1 ノードで実行します。

    hvcm -a