Fsystem リソースに登録した共用ディスク上のファイルシステムのメンテナンス、およびファイルの保守を行う場合の手順を以下に説明します。
注意
共用ディスク上のファイルシステムを手動でマウントする場合、クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードから実施してください。
共用ディスク上のファイルステムを複数のクラスタノードから同時にマウントすると、ファイルシステムが破壊されるため、細心の注意を払って操作してください。
全クラスタノードの RMS の停止
全クラスタノードの RMS を停止します。
例) 任意の 1 ノードからクラスタを構成するすべてのノードの RMS をコマンドで停止する場合
# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvshut -a
ファイルシステムのマウント状態の確認
複数のクラスタノードからファイルシステムを誤ってマウントしないようにするため、df コマンドにて共用ディスク上のファイルシステムがマウントされていないことを確認します。この確認は、クラスタを構成するすべてのノードで実施してください。
例) df コマンドを実行した場合
# /usr/sbin/df -k
Filesystem kbytes used avail capacity Mounted on
/dev/dsk/c0t0d0s0 6718025 4839652 1811193 73% /
/proc 0 0 0 0% /proc
mnttab 0 0 0 0% /etc/mnttab
fd 0 0 0 0% /dev/fd
swap 2244776 16 2244760 1% /var/run
swap 2251760 7000 2244760 1% /tmp
マウントされている場合は、クラスタアプリケーションが動作中であるか、ファイルシステムがすでに手動でマウントされている可能性があります。
この場合、クラスタアプリケーションと RMS を停止するか、対象のファイルシステムを umount コマンドでアンマウントしてください。
以降の操作は、クラスタを構成する任意の 1 ノードで行います。
GDS ボリュームの起動 (必要な場合のみ)
保守対象のファイルシステムやファイルが GDS に管理されたボリュームに存在する場合は、クラスタを構成する任意の 1 ノードで GDS のボリュームを起動します。
例) ディスククラス class のボリューム volume0001 を、コマンドで起動する場合
# /usr/sbin/sdxvolume -N -c class -v volume0001
ファイルシステムのマウントと保守
ZFS ファイルシステムのファイルを参照する場合、ストレージプールの import とファイルシステムのマウントを行います。
クラスタが制御する ZFS ストレージプールの確認
/etc/vfstab.pcl ファイルを参照し、ZFS ファイルシステムのプール名が存在することを確認します。
例) /etc/vfstab.pcl の内容を cat コマンドで確認する場合
# /usr/bin/cat /etc/vfstab.pcl
# bdev cdev mountpoint fstype runlevel auto mount flags
#RMS#app app /app zfs - - -
#RMS#app/mp1 app/mp1 /appdata1 zfs - - -
#RMS#app/mp2 app/mp2 /appdata2 zfs - - -
ZFS ストレージプールの import
zpool コマンドにより ZFS ストレージプールを import します。
例) ディスククラス class のボリュームで構成される ZFS ストレージプール app を import する場合
# /usr/sbin/zpool import -d /dev/sfdsk/class/dsk -R "/" app
注意
ZFS ストレージプールに非レガシーファイルシステムの ZFS ファイルシステムを設定している場合は、この手順を実施後に、ZFS ファイルシステムがマウントされます。
レガシーファイルシステムで定義された ZFS ファイルシステムのマウント(必要な場合のみ)
mountpoint プロパティに legacy が設定されている ZFS ファイルシステムをマウントします。
例) ストレージプール app/mp1 を /appdata1 へマウントする場合
# /usr/bin/mount -F zfs app/mp1 /appdata1
ファイルの保守 (必要な場合のみ)
業務アプリケーションが使用するファイルが共用ディスク上にある場合は、この時点で業務アプリケーションが使用するファイルを参照・更新してください。
レガシーファイルシステムで定義された ZFS ファイルシステムのアンマウント (必要な場合のみ)
手順4-3 でマウントした ZFS ファイルシステムをアンマウントします。
例) /appdata1 をアンマウントする場合
# /usr/bin/umount /appdata1
ZFS ストレージプールの export
手順4-2 で import した ZFS ストレージプールを export します。
例) ZFS ストレージプール app を export する場合
# /usr/sbin/zpool export app
UFS ファイルシステムのファイルを参照する場合、ファイルシステムのマウントを行います。
UFS ファイルシステムの復旧 (必要な場合のみ)
UFS ファイルシステムの復旧が必要な場合は、fsck コマンドによりファイルシステムを復旧します。保守対象の UFS ファイルシステムが GDS に管理されたボリュームに存在する場合は、手順3 で GDS のボリュームを起動したノードで fsck コマンドを実行します。
例) GDS ボリューム /dev/sfdsk/class/rdsk/volume0001 の UFS ファイルシステムを復旧する場合
# /usr/sbin/fsck -F ufs /dev/sfdsk/class/rdsk/volume0001
ファイルシステムのマウント (必要な場合のみ)
UFS ファイルシステムでマウントを行う場合は、mount コマンドによりファイルシステムをマウントします。
Fsystem リソースに制御されるファイルシステムのデバイス名は、/etc/vfstab.pcl ファイルに記載されています。/etc/vfstab.pcl ファイルを参照し、マウントを行います。
例) /etc/vfstab.pcl の内容を cat コマンドで確認する場合
# /usr/bin/cat /etc/vfstab.pcl
#RMS#/dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 /disk1 ufs - no -
例) Fsystem リソースが制御するマウントポイント /disk1 のファイルシステムをマウントする場合
# /usr/bin/mount -F ufs /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /disk1
ファイルの保守 (必要な場合のみ)
業務アプリケーションが使用するファイルが共用ディスク上にある場合は、この時点で業務アプリケーションが使用するファイルを参照・更新してください。
ファイルシステムのアンマウント
手順4-2 でファイルシステムをマウントした場合は、以下の手順でファイルシステムをアンマウントします。
例) /disk1 にマウントしたファイルシステムをアンマウントする場合
# /usr/bin/umount /disk1
GDS ボリュームの停止 (手順3 を実施した場合のみ)
手順3 で起動した GDS ボリュームを停止します。
例) ディスククラス class のボリューム volume0001 をコマンドで停止する場合
# /usr/sbin/sdxvolume -F -c class -v volume0001
全ノードの RMS の起動
全クラスタノードの RMS を起動します。
例) 任意の 1 ノードからクラスタを構成するすべてのノードの RMS をコマンドで起動する場合
# /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvcm -a