ページの先頭行へ戻る
PRIMECLUSTER 導入運用手引書 4.6
FUJITSU Software

6.13.5 Fsystem リソースが制御するファイルシステムの保守

Fsystem リソースに登録した共用ディスク上のファイルシステムのメンテナンス、およびファイルの保守を行う場合の手順を以下に説明します。

注意

共用ディスク上のファイルシステムを手動でマウントする場合、クラスタシステムを構成する任意の 1 ノードから実施してください。

共用ディスク上のファイルステムを複数のクラスタノードから同時にマウントすると、ファイルシステムが破壊されるため、細心の注意を払って操作してください。

  1. 全クラスタノードの RMS の停止

    全クラスタノードの RMS を停止します。

    例) 任意の 1 ノードからクラスタを構成するすべてのノードの RMS をコマンドで停止する場合

    # /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvshut -a
  2. ファイルシステムのマウント状態の確認

    複数のクラスタノードからファイルシステムを誤ってマウントしないようにするため、df コマンドにて共用ディスク上のファイルシステムがマウントされていないことを確認します。この確認は、クラスタを構成するすべてのノードで実施してください。

    例) df コマンドを実行した場合

    # /usr/sbin/df -k                                                  
    Filesystem            kbytes    used   avail capacity  Mounted on  
    /dev/dsk/c0t0d0s0    6718025 4839652 1811193    73%    /           
    /proc                      0       0       0     0%    /proc       
    mnttab                     0       0       0     0%    /etc/mnttab 
    fd                         0       0       0     0%    /dev/fd     
    swap                 2244776      16 2244760     1%    /var/run    
    swap                 2251760    7000 2244760     1%    /tmp        

    マウントされている場合は、クラスタアプリケーションが動作中であるか、ファイルシステムがすでに手動でマウントされている可能性があります。

    この場合、クラスタアプリケーションと RMS を停止するか、対象のファイルシステムを umount コマンドでアンマウントしてください。


    以降の操作は、クラスタを構成する任意の 1 ノードで行います。

  3. GDS ボリュームの起動 (必要な場合のみ)

    保守対象のファイルシステムやファイルが GDS に管理されたボリュームに存在する場合は、クラスタを構成する任意の 1 ノードで GDS のボリュームを起動します。

    例) ディスククラス class のボリューム volume0001 を、コマンドで起動する場合

    # /usr/sbin/sdxvolume -N -c class -v volume0001
  4. ファイルシステムのマウントと保守

    ZFS を使用している場合

    ZFS ファイルシステムのファイルを参照する場合、ストレージプールの import とファイルシステムのマウントを行います。

    1. クラスタが制御する ZFS ストレージプールの確認

      /etc/vfstab.pcl ファイルを参照し、ZFS ファイルシステムのプール名が存在することを確認します。

      例) /etc/vfstab.pcl の内容を cat コマンドで確認する場合

      # /usr/bin/cat /etc/vfstab.pcl                          
      # bdev cdev mountpoint fstype runlevel auto mount flags 
      #RMS#app app /app zfs - - -                             
      #RMS#app/mp1 app/mp1 /appdata1 zfs - - -                
      #RMS#app/mp2 app/mp2 /appdata2 zfs - - -                
    2. ZFS ストレージプールの import

      zpool コマンドにより ZFS ストレージプールを import します。

      例) ディスククラス class のボリュームで構成される ZFS ストレージプール app を import する場合

      # /usr/sbin/zpool import -d /dev/sfdsk/class/dsk -R "/" app

      注意

      ZFS ストレージプールに非レガシーファイルシステムの ZFS ファイルシステムを設定している場合は、この手順を実施後に、ZFS ファイルシステムがマウントされます。

    3. レガシーファイルシステムで定義された ZFS ファイルシステムのマウント(必要な場合のみ)

      mountpoint プロパティに legacy が設定されている ZFS ファイルシステムをマウントします。

      例) ストレージプール app/mp1 を /appdata1 へマウントする場合

      # /usr/bin/mount -F zfs app/mp1 /appdata1
    4. ファイルの保守 (必要な場合のみ)

      業務アプリケーションが使用するファイルが共用ディスク上にある場合は、この時点で業務アプリケーションが使用するファイルを参照・更新してください。

    5. レガシーファイルシステムで定義された ZFS ファイルシステムのアンマウント (必要な場合のみ)

      手順4-3 でマウントした ZFS ファイルシステムをアンマウントします。

      例) /appdata1 をアンマウントする場合

      # /usr/bin/umount /appdata1
    6. ZFS ストレージプールの export

      手順4-2 で import した ZFS ストレージプールを export します。

      例) ZFS ストレージプール app を export する場合

      # /usr/sbin/zpool export app
    UFS を使用している場合

    UFS ファイルシステムのファイルを参照する場合、ファイルシステムのマウントを行います。

    1. UFS ファイルシステムの復旧 (必要な場合のみ)

      UFS ファイルシステムの復旧が必要な場合は、fsck コマンドによりファイルシステムを復旧します。保守対象の UFS ファイルシステムが GDS に管理されたボリュームに存在する場合は、手順3 で GDS のボリュームを起動したノードで fsck コマンドを実行します。

      例) GDS ボリューム /dev/sfdsk/class/rdsk/volume0001 の UFS ファイルシステムを復旧する場合

      # /usr/sbin/fsck -F ufs /dev/sfdsk/class/rdsk/volume0001
    2. ファイルシステムのマウント (必要な場合のみ)

      UFS ファイルシステムでマウントを行う場合は、mount コマンドによりファイルシステムをマウントします。

      Fsystem リソースに制御されるファイルシステムのデバイス名は、/etc/vfstab.pcl ファイルに記載されています。/etc/vfstab.pcl ファイルを参照し、マウントを行います。

      例) /etc/vfstab.pcl の内容を cat コマンドで確認する場合

      # /usr/bin/cat /etc/vfstab.pcl 
      #RMS#/dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /dev/sfdsk/class0001/rdsk/volume0001 /disk1 ufs - no -

      例) Fsystem リソースが制御するマウントポイント /disk1 のファイルシステムをマウントする場合

      # /usr/bin/mount -F ufs /dev/sfdsk/class0001/dsk/volume0001 /disk1
    3. ファイルの保守 (必要な場合のみ)

      業務アプリケーションが使用するファイルが共用ディスク上にある場合は、この時点で業務アプリケーションが使用するファイルを参照・更新してください。

    4. ファイルシステムのアンマウント

      手順4-2 でファイルシステムをマウントした場合は、以下の手順でファイルシステムをアンマウントします。

      例) /disk1 にマウントしたファイルシステムをアンマウントする場合

      # /usr/bin/umount /disk1
  5. GDS ボリュームの停止 (手順3 を実施した場合のみ)

    手順3 で起動した GDS ボリュームを停止します。

    例) ディスククラス class のボリューム volume0001 をコマンドで停止する場合

    # /usr/sbin/sdxvolume -F -c class -v volume0001
  6. 全ノードの RMS の起動

    全クラスタノードの RMS を起動します。

    例) 任意の 1 ノードからクラスタを構成するすべてのノードの RMS をコマンドで起動する場合

    # /opt/SMAW/SMAWRrms/bin/hvcm -a