ロック情報引継ぎについて
NFS サーバ機能を使用する場合、NFS ロック情報も引継がれるように設定してください。
NFS ロック情報の引継ぎができない場合、同じファイルに対して複数のロック情報が獲得できてしまうため、fcntl(2) や lockf(3C) を使用するアプリケーションが排他制御を行うことができなくなり、ファイル破壊を引き起こす要因となります。
ただし、本機能を使用するにあたり、以下の注意が必要となります。アプリケーションがロックを使用するかどうか不明な場合にも次の注意にしたがってください。
NFS サーバの運用を行うノードでは、NFS クライアント機能を使用しないでください。具体的には、NFS マウントを行わないでください。
NFS サーバの運用を行うノードで NFS 共有するファイルシステムは NFS クライアントからのみ利用できるようにしてください。NFS サーバを運用するノード上のアプリケーションから直接ファイルを利用しないでください。
切替え時には以下の処理が行われます。
nfsd(1M)、statd(1M)、lockd(1M) デーモンの再起動
NFS ロックリカバリ処理
nfsd、statd、lockd の起動が完了した時点でリソースの状態は Online になりますが、NFS ロックリカバリ処理が完了するまでクライアントからのアクセスは保留されます。
プロトコルについて
PRIMECLUSTERがサポートするNFSのバージョンは、動作するOSによって異なります。
Oracle Solaris 10 上で動作する場合、NFS Version 3 をサポートします。
Oracle Solaris 11 上で動作する場合、NFS Version 4 および NFS Version 3 をサポートします。
また、NFSでは、バージョンにより使用できるプロトコルが異なります。
NFS Version 3 では、UDPを使用して下さい(推奨)。
NFS Version 4 では、TCPを使用して下さい(必須)。
注意
NFS Version 3 では、TCPも使用可能ですが、TCPを使用して切替えと切戻しを連続で行った場合、UDPを使用した場合より復旧時間が長くなることがあります。
NFS Version 4 は、UDP を使用しません。