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Interstage Business Application Server 運用ガイド(高信頼性ログ編)
FUJITSU Software

2.2.2 ローデバイスの作成(Solaris、Linux)

高信頼性ログ機能の運用に必要なローデバイスを作成します。RDBディクショナリ、RDBディレクトリファイル、ログ管理ファイル、テンポラリログファイル、アーカイブログファイル、およびユーザログテーブルを割り当てるデータベースを格納するローデバイスを作成します。ローデバイスは、資源ごとに作成する必要があります。

アーカイブログファイルおよびユーザログテーブルを格納するローデバイスは、異なるディスク上に作成してください。同じディスク上に作成した場合に媒体破壊が発生すると、ユーザログテーブルをリカバリすることができなくなります。


以下のファイルは、同じローデバイスに作成することができます。

使用可能なログファイルの配置構成を以下に示します。


スライス0にログ管理ファイル、およびテンポラリログファイルを作成します。


パーティションにログ管理ファイル、およびテンポラリログファイルを作成します。

ローデバイスの作成方法

ローデバイスの作成方法について説明します。

Solarisの場合

ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ローデバイスの作成は、formatユーティリティで、パーティションを切り出すディスクの番号を入力したあと、“partition”を選択し、メニューの指示に従って行います。

なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。

参照

ローデバイスの作成方法およびformatユーティリティの詳細は、使用しているシステムのドキュメントを参照してください。

注意

  • ローデバイス作成時に、シリンダ0は指定しないでください。

  • スライス2は、ディスク全体を表すため、ローデバイスとして使用しないでください。

  • 高信頼性ログ機能で使用するローデバイスは、formatユーティリティで作成したものを使用してください。高信頼性ログ機能の運用に必要なローデバイスに対してリンクを作成しないでください。

  • マルチパスディスクやPRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、マルチパスディスク制御やPRIMECLUSTER GDSで作成した文字型特殊ファイル名を使用してください。それらの文字型特殊ファイル名に対してリンクを作成しないでください。

  • OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。

Linuxの場合

ディスクから必要な大きさのパーティションを切り出してローデバイスを作成します。ブロックデバイスに対してシンボリックリンクを設定することで、ローデバイスとして使用できます。なお、PRIMECLUSTER GDSを使用する場合は、GDSのブロックデバイスを直接使用します。以下に作成手順を示します。

  1. 以下の機能を利用してパーティションまたはボリュームを作成します。

    • OS機能のpartedコマンドで作成

    • PRIMECLUSTER GDSのボリュームを作成

    PRIMECLUSTER GDSを使用している場合は、上記の作業でローデバイスの作成は完了となります。

    以降の作業は、PRIMECLUSTER GDSを使用していない場合に実施してください。

  2. ディスクのパーティションに対応するudevのブロックデバイス名を特定します。
    udevのブロックデバイス名には、by-id名とby-path名があり、接続されているディスク装置により、使用するデバイス名が異なります。なお、特定したudevのブロックデバイスとディスクパーティションの情報は対応表などを作成することを推奨します。

    ETERNUSのディスクに対してローデバイスを作成する場合:

    by-id名を使用してください。

    ETERNUS以外のディスクに対してローデバイスを作成する場合:

    by-path名を使用してください。

    ETERNUS以外のディスク(/dev/sda5)に対するudevのブロックデバイス名の特定をする場合の例を以下に示します。

    なお、/dev/sda5のudevのブロックデバイス名は、/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5となります。

    $ cd /dev/disk/by-path
    $ ls -l
    lrwxrwxrwx 1 root root  9 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0 -> ../../sda
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part1 -> ../../sda1
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part2 -> ../../sda2
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part3 -> ../../sda3
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part4 -> ../../sda4
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 -> ../../sda5
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part6 -> ../../sda6 lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part7 -> ../../sda7
  3. udevのブロックデバイスへシンボリックリンクを作成します。
    シンボリックリンクの作成先は、/dev_symfowareディレクトリを作成後、/dev_symfoware配下に作成します。
    /dev_symfowareディレクトリのアクセス権は、データベース管理者からアクセス可能なようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用してアクセス権の設定を行ってください。

    udevのブロックデバイス(/dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5)へシンボリックリンク(raw1)を作成する場合の例を以下に示します。なお、/dev_symfoware/raw1をローデバイス名と呼びます。

    $ cd /dev_symfoware
    $ ln -s /dev/disk/by-path/pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5 raw1
    $ ls -l
    lrwxrwxrwx 1 root root 10 12月 17 10:42 raw1 -> pci-0000:00:10.0-scsi-0:0:0:0-part5

なお、ローデバイスに対して初期化を行う必要はありません。

注意

OSのユーティリティでパーティションを切り出す場合、ユーティリティで指定したサイズと、実際に切り出されるサイズが若干異なることがあります。また、複数のパーティションを切り出す場合に、OSのユーティリティにそれぞれ同一のサイズを指定しても、実際に切り出されるパーティションによってサイズが異なることがあります。そのため、実際に切り出されたパーティションのサイズについては、OSのユーティリティで確認してください。

参照

  • partedコマンド、udev、chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細については、使用しているシステムベンダのドキュメントを参照してください。

  • PRIMECLUSTER GDSの詳細については、“PRIMECLUSTER Global Disk Services 説明書”を参照してください。

アクセス権の設定

アクセス権の設定方法について説明します。

Solarisの場合

複数の動作環境を作成する場合は、ほかのSymfoware/RDB環境とローデバイスを二重に使用しないよう注意が必要です。ローデバイスの作成後に、各システムの起動ユーザしかアクセスできないようにchownコマンドおよびchmodコマンドを使用して、アクセス権を設定してください。

参照

chownコマンドおよびchmodコマンドの詳細は、使用しているシステムのドキュメントを参照してください。

Linuxの場合

PRIMECLUSTER GDSを使用している場合

“PRIMECLUSTER Global Disk Services説明書”の“注意事項”を参照して設定してください。

PRIMECLUSTER GDSを使用していない場合

ローデバイスへのアクセス権の設定ルールを記述します。
設定ルールは、“/etc/udev/rules.d/99-symfoware.rules”を作成して記述します。
設定ルールは、すべてのローデバイス分記述します。

ローデバイスの作成例

以下に、作成例を示します。