UNIX版のSystemwalker Operation managerを別のマシンに移行する場合、移行用退避コマンドおよび移行用変換・登録コマンドを使用します。
同一のアーキテクチャ間の移行、およびLinux for Itanium版からLinux x64版への移行が可能です。
移行先マシンへのSystemwalker Operation Managerのインストール
移行先のマシンへ、本バージョンのSystemwalker Operation Managerをインストールします。以下のことに注意してインストールしてください。
移行先マシンのインストールディレクトリは、移行元マシンのインストールディレクトリと同じにしてください。
移行先マシンに、移行元マシンでプロジェクトの所有者として使用していたユーザーID、およびプロジェクトにアクセス権を設定していたユーザーIDを登録してください。
複数サブシステム運用の環境を移行する場合、移行先マシンは自動的にサブシステム環境になるため、移行先マシンに複数サブシステム環境を構築する必要はありません。ただし、servicesファイルに、サブシステム用のポート番号を設定する必要があります。
インストール手順、環境設定、サブシステム用のポート番号の設定の詳細は、“Systemwalker Operation Manager 導入ガイド”を参照してください。
Systemwalker Operation Managerによる業務の運用の停止
移行元マシンおよび移行先マシンの両方で、Systemwalker Operation Managerによる業務の運用を停止します。なお、Systemwalker Operation Managerの各デーモンは、移行用退避コマンドおよび移行用変換・登録コマンドを実行すると自動的に停止されるため、停止しておく必要はありません。
また、Systemwalker Centric Managerと共存している場合、Systemwalker Centric Managerの各デーモンも自動的に停止されます。
移行用退避コマンドの実行
移行元マシンに本バージョンのSystemwalker Operation Managerの製品メディアをセットし、以下の移行用退避コマンドを実行します。
なお、Solaris(Non-global Zone)で移行用退避コマンドを実行する場合は、“Solaris(Non-global Zone)で移行用退避コマンドを実行する場合”を参照してください。
【Solaris版】
<DVD-root>/Solaris/unx/tool/swmove -b 退避先ディレクトリ |
【Linux版】
<DVD-root>/Linux/unx/tool/swmove -b 退避先ディレクトリ |
【HP-UX/AIX版】
<cdrom-root>/unx/tool/swmove -b 退避先ディレクトリ |
注意
Linux for Itanium 版からLinux x64版へ移行する場合、Linux x64版の製品メディアをセットしてコマンドを実行してください。
移行用変換・登録コマンドの実行
移行先マシンに本バージョンのSystemwalker Operation Managerの製品メディアをセットし、以下の移行用変換・登録コマンドを実行します。
なお、Solaris(Non-global Zone)で移行用変換・登録コマンドを実行する場合は、“Solaris(Non-global Zone)で移行用変換・登録コマンドを実行する場合”を参照してください。
【Solaris版】
<DVD-root>/Solaris/unx/tool/swtrans -b 退避先ディレクトリ |
【Linux版】
<DVD-root>/Linux/unx/tool/swtrans -b 退避先ディレクトリ |
【HP-UX/AIX版】
< cdrom-root>/unx/tool/swtrans -b 退避先ディレクトリ |
グローバルサーバジョブ連携の設定
移行するバージョンが、Systemwalker Operation Manager GEE版の場合、グローバルサーバと通信させるために必要な、以下の設定作業を行ってください。
ホスト名の定義
ポート番号の定義
設定作業の詳細は、“Systemwalker Operation Manager Global Enterprise Edition ユーザーズガイド”の“管理サーバ側の作業”を参照してください。
IPアドレスおよびホスト名の変更
移行元マシンと移行先マシンのIPアドレスが異なる場合、移行先マシンおよび連携させるSystemwalker Operation Managerの他のマシンについて、IPアドレスおよびホスト名の定義情報を見直し、必要に応じて再設定してください。
見直しが必要な定義情報については、“Systemwalker Operation Manager 導入ガイド”の“IPアドレス、ホスト名の変更”を参照してください。
プロセス監視機能、デーモン起動コマンドの定義
移行元と移行先とでSystemwalker Operation Managerのバージョンレベルが異なる場合、プロセス監視機能の定義およびデーモン起動コマンドの定義は、自動的に移行されません。
この場合、移行前の定義は、拡張子に“.beforeXXXXXXXX”を付加したファイル名で同一フォルダ上に退避されますので、必要に応じて退避ファイルを参照し、本バージョンの定義ファイルを修正してください。(“XXXXXXXX”は、本製品のバージョンレベルを表します。)
退避対象の定義ファイルは、以下の4つです。定義ファイルの詳細については、“Systemwalker Operation Manager 導入ガイド”を参照してください。
/etc/opt/FJSVftlo/pmon/mppmon.usr
/etc/opt/FJSVftlo/pmon/mppmon.ini
/opt/FJSVftlo/pmon/bin/mppmonsnd.sh
/etc/opt/FJSVftlo/daemon/custom/rc3.ini
注意
拡張ユーザ管理機能を利用している場合
Operation Managerユーザ情報およびプロジェクトへのアクセス権情報は、以下のように移行されます。
移行元のマシンで、拡張ユーザ管理機能が有効の場合、移行先では、拡張ユーザ管理機能の有効/無効にかかわらず、拡張ユーザ管理機能が有効に設定され、Operation Managerユーザ情報、Operation Managerユーザのプロジェクトへのアクセス権情報が移行されます。
移行元のマシンで、拡張ユーザ管理機能が無効の場合、移行先では、拡張ユーザ管理機能が有効/無効にかかわらず、拡張ユーザ管理機能が無効に設定され、OSユーザのプロジェクトへのアクセス権情報が移行されます。
移行先にOperation Managerユーザが存在した場合、Operation Managerユーザ情報は、移行元のOperation Managerユーザ情報に置き換わります。
注意
ジョブ実行履歴情報、稼働実績情報について
移行元マシンで、[運用情報の定義]ウィンドウ-[ログ]シートの[ジョブ実行履歴情報を保存する]の[保存場所]や[運用情報の定義]ウィンドウ-[ログ]シートの[稼働実績情報を保存する]の[保存場所]に、以下のディレクトリおよび、その配下のディレクトリが指定されている場合のみ、ジョブ実行履歴情報や稼働実績情報が移行されます。
/var/spool/mjes/XXX
XXXは任意です。
ただし、以下のディレクトリおよび、その配下のディレクトリが指定されている場合は、移行されません。
/var/spool/mjes/_jctl
/var/spool/mjes/jclinfo
/var/spool/mjes/log
/var/spool/mjes/mjesn (n:1~9)
/var/spool/mjes/mjespool
/var/spool/mjes/mjsinfo
移行されない保存場所が指定されていた場合で、ジョブ実行履歴情報や稼働実績情報が必要な場合は、サーバ間のファイル転送などにより移行してください。ただし、移行の当日付の情報ファイルは、上書きで複写しないでください。当日における移行前の情報を参照する場合は、複写元のファイルを参照してください。
Solaris(Non-global Zone)で移行用退避コマンドを実行する場合
Solaris(Non-global Zone)で移行用退避コマンドを実行する場合の手順を説明します。
Global Zoneへログイン
Global Zoneへログインし、管理者(root)ユーザになります。
Systemwalker Operation Managerの製品メディアをセット
本バージョンのSystemwalker Operation Managerの製品メディアをドライブ装置にセットします。ボリューム管理デーモンを使用していない場合、ドライブ装置をマウントします。ドライブ装置のデバイス名は、環境によって異なる場合がありますので事前に確認してください。マウント例を以下に示します。
# mount -F hsfs /dev/dsk/<デバイス名> <マウント先ディレクトリ> |
製品メディアの内容を、Global Zoneのディスク上にコピー
(以降の例では、コピー先は“/PKG”とします。)
# cp -rfp <マウントポイント>/unx/tool /PKG |
移行元のNon-global Zoneを停止
すでに作成済みのNon-global Zoneを以下のコマンドで停止します。(以降の例では、移行元のNon-global Zoneの名称は“SWZONE”とします。)
# /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE halt |
Zoneの設定
以下のコマンドにより、Non-global Zoneからも3.で作成した製品メディアの複製を参照できるようにします。
# zonecfg -z SWZONE zonecfg:SWZONE> add fs <- “add fs”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set dir=/SWPKG <- “set dir=/SWPKG”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set special=/PKG <- “set special=/PKG”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set type=lofs <- “set type=lofs”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set options=ro <- “set options=ro”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> end <- “end”と入力 zonecfg:SWZONE> commit <- “commit”と入力 zonecfg:SWZONE> exit <- “exit”と入力
これにより、次回のNon-global Zone起動時から、Global Zoneで作成した製品メディアの複製が、Non-global Zoneの/SWPKGディレクトリから、読み込み専用ファイルシステムとして参照することが可能になります。
移行元のNon-global Zoneを起動
すでに作成済みのNon-global Zoneを以下のコマンドで起動します。
# /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE boot |
移行用退避コマンドの実行
Non-global Zoneへログインし、5.で設定したNon-global Zoneで参照できるディレクトリから、移行用退避コマンドを実行します。
# /SWPKG/swmove -b 退避先ディレクトリ |
コマンド実行後、Non-global Zoneから/SWPKGディレクトリを参照する必要がなくなった場合には、以下のコマンドにより、設定を解除することができます。この場合、Non-global Zoneを停止した後に作業を行ってください。
/PKGディレクトリを削除する場合は、設定解除後に行ってください。
# zonecfg -z SWZONE zonecfg:SWZONE> remove fs dir=/SWPKG zonecfg:SWZONE> commit zonecfg:SWZONE> exit # rm -fr /PKG
Solaris(Non-global Zone)で移行用変換・登録コマンドを実行する場合
Solaris(Non-global Zone)で移行用変換・登録コマンドを実行する場合の手順を説明します。
Global Zoneへログイン
Global Zoneへログインし、管理者(root)ユーザになります。
Systemwalker Operation Managerの製品メディアをセット
本バージョンのSystemwalker Operation Managerの製品メディアをドライブ装置にセットします。ボリューム管理デーモンを使用していない場合、ドライブ装置をマウントします。ドライブ装置のデバイス名は、環境によって異なる場合がありますので事前に確認してください。マウント例を以下に示します。
# mount -F hsfs /dev/dsk/<デバイス名> <マウント先ディレクトリ> |
製品メディアの内容を、Global Zoneのディスク上にコピー
(以降の例では、コピー先は“/PKG”とします。)
# cp -rfp <マウントポイント>/unx/tool /PKG |
移行先のNon-global Zoneを停止
すでに作成済みのNon-global Zoneを以下のコマンドで停止します。(以降の例では、移行先のNon-global Zoneの名称は“SWZONE”とします。)
# /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE halt |
Zoneの設定
以下のコマンドにより、Non-global Zoneからも3.で作成した製品メディアの複製を参照できるようにします。
# zonecfg -z SWZONE zonecfg:SWZONE> add fs <- “add fs”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set dir=/SWPKG <- “set dir=/SWPKG”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set special=/PKG <- “set special=/PKG”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set type=lofs <- “set type=lofs”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> set options=ro <- “set options=ro”と入力 zonecfg:SWZONE:fs> end <- “end”と入力 zonecfg:SWZONE> commit <- “commit”と入力 zonecfg:SWZONE> exit <- “exit”と入力
これにより、次回のNon-global Zone起動時から、Global Zoneで作成した製品メディアの複製が、Non-global Zoneの/SWPKGディレクトリから、読み込み専用ファイルシステムとして参照することが可能になります。
移行先のNon-global Zoneを起動
すでに作成済みのNon-global Zoneを以下のコマンドで起動します。
# /usr/sbin/zoneadm -z SWZONE boot |
移行用変換・登録コマンドの実行
Non-global Zoneへログインし、5.で設定したNon-global Zoneで参照できるディレクトリから、移行用変換・登録コマンドを実行します。
# /SWPKG/swtrans -b 退避先ディレクトリ |
コマンド実行後、Non-global Zoneから/SWPKGディレクトリを参照する必要がなくなった場合には、以下のコマンドにより、設定を解除することができます。この場合、Non-global Zoneを停止した後に作業を行ってください。
/PKGディレクトリを削除する場合は、設定解除後に行ってください。
# zonecfg -z SWZONE zonecfg:SWZONE> remove fs dir=/SWPKG zonecfg:SWZONE> commit zonecfg:SWZONE> exit # rm -fr /PKG