Webサーバーコネクタの変更内容について説明します。
wscadminコマンドの変更内容
wscadminコマンドで設定した内容の反映について
Webサーバー起動中にWebサーバーコネクタのコマンドにより設定の新規追加・更新等を行うと、再起動するまで設定が反映されません。
ログの出力先について
WebサーバーコネクタのメッセージはInterstage HTTP Server 2.4が出力するログに出力されます。ログの出力先は「Interstage HTTP Server 2.4運用ガイド」の「運用・保守」-「ログ」をご確認ください。
クラスタ名の大文字/小文字の区別について
Windows版ではクラスタ名の大文字/小文字を区別しない扱いになります。詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「注意事項」を参照してください。
create-envサブコマンドについて
Interstage Application Server V12のマニュアル「Java EE 7 設計・構築・運用ガイド」の「Java EE 7運用コマンド」-「wscadmin」-create-envサブコマンド」の「作成時の設定値」に示していたログ採取の設定は行われません。ログ採取については、「Interstage HTTP Server 2.4運用ガイド」の「運用・保守」-「ログ」をご確認ください。
新規にWebサーバーを作成し、本サブコマンドを実行してWebサーバーコネクタの動作環境を作成した場合は、Webサーバーの環境定義ファイルにおける、mod_ahs22_redirector2.soのコメント解除が不要になります。
詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「create-envサブコマンド」を参照してください。
delete-envサブコマンドについて
Webサーバーコネクタ環境を削除する場合は、Webサーバーの環境定義ファイルにおける、mod_ahs22_redirector2.soのコメント化が不要になります。詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「delete-envサブコマンド」-「注意事項」を参照してください。
update-cluster-configサブコマンドについて
--maxprocessorsオプションが指定できなくなります。
--maxprocessorsオプションが指定できなくなることによって、Webサーバーコネクタの動作設定時にインスタンスへの最大接続数が制限できなくなります。代替手段としてWebコンテナの同時処理数および接続数をチューニングすることで対応してください。Webコンテナの処理可能な上限を超過した場合に新規リクエストを受け付けると、クライアントに500番台のHTTPステータスコードを返却します。設定内容の詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishのチューニング」-「Webコンテナのチューニング」を参照してください。
update-fault-monitor-configサブコマンドについて
--startupwaittimeオプションおよび--responsewaittimeオプションが指定できなくなります。Webサーバー内で監視するようになるため、--startupwaittimeオプションによる故障監視機能の起動待ちは不要となりました。また、--responsewaittimeオプションが指定できなくなることにより、応答を待つ時間は0秒固定になります。
methodとしてpingが指定できなくなります。
詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「update-fault-monitor-configサブコマンド」を参照してください。
update-log-configサブコマンドについて
Webサーバーコネクタ固有のログ採取がなくなったため、当サブコマンドは提供されません。
Webサーバーの設定ファイル(httpd.conf)にログ出力の設定を記載することでクライアントマシンの情報およびリクエスト振り分けの情報を出力してください。LogFormatディレクティブでログの出力フォーマットを作成し、作成したフォーマットに対してCustomLogディレクティブを設定することができます。
例
クライアントマシンの情報およびリクエスト振り分けの情報を出力する場合におけるWebサーバーの設定ファイル(httpd.conf)の記述例
LogFormat "%h %p %l %u %t \"%r\" %>s %b %P %{tid}P %{X-Forwarded-For}i \"%{Referer}i\" \"%{User-Agent}i\" %{Set-Cookie}o %{BALANCER_SESSION_STICKY}e %{BALANCER_SESSION_ROUTE}e %{BALANCER_NAME}e %{BALANCER_WORKER_NAME}e %{BALANCER_WORKER_ROUTE}e %{BALANCER_ROUTE_CHANGED}e" customlog CustomLog "|\"C:/Interstage/F3FMahs/bin/ahsrlog.exe\" -s \"C:/Interstage/F3FMahs/logs/accesslog\" 1 5" customlog
LogFormat "%h %p %l %u %t \"%r\" %>s %b %P %{tid}P %{X-Forwarded-For}i \"%{Referer}i\" \"%{User-Agent}i\" %{Set-Cookie}o %{BALANCER_SESSION_STICKY}e %{BALANCER_SESSION_ROUTE}e %{BALANCER_NAME}e %{BALANCER_WORKER_NAME}e %{BALANCER_WORKER_ROUTE}e %{BALANCER_ROUTE_CHANGED}e" customlog CustomLog "|/opt/FJSVahs/bin/ahsrlog -s \"/opt/FJSVahs/logs/accesslog\" 1 5" customlog
LogFormatやCustomLogディレクティブを使用したログのカスタマイズについての詳細は「Interstage HTTP Server 2.4運用ガイド」の「環境設定」-「アクセスログの設定」および「メッセージのカスタマイズ」をご確認ください。
ディスク容量を圧迫する可能性があるため、ログローテーションを行うことを推奨します。
list-web-serversサブコマンドについて
--detailオプションで表示されていた一部項目が追加、変更、または削除されます。
以下の表示が追加されます。
Protocol = httpまたはhttp2
以下の表示は変更になります。
「WebServer」-「IJServerCluster」が「WebServer」-「GlassFishServerCluster」になります
以下は表示されなくなります。
「WebServer」-「IJServerCluster」-「MaxProcessors」
「WebServer」-「Log Directory」およびその配下のキー
「WebServer」-「FaultMonitoringMethod」-「ResponseWaitTime」
「WebServer」-「FaultMonitoringMethod」-「StartupWaitTime」
詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「list-web-serversサブコマンド」を参照してください。
add-instance-refサブコマンドについて
--identifierが必須オプションになります。
詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「add-instance-refサブコマンド」を参照してください。
add-virtual-host-refサブコマンドについて
バーチャルホストをGlassFish Serverクラスタで使用するために、Webサーバー固有のhttpd.confを修正する必要があります。詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「add-virtual-host-refサブコマンド」-「注意事項」を参照してください。
add-application-refサブコマンドについて
振り分け先のアプリケーションのコンテキストルートに、'+'を使用することはできません。
wscbackup・wscrestoreコマンドの変更内容
V12以前のバージョンから運用資源が移行できない
V12以前のwscadminで利用していた運用資産を、V13のwscbackup・wscrestoreコマンドで移行しようとしても成功しません。詳細は、「1.2.11 Webサーバーコネクタの資源」を参照してください。
故障監視機能の変更内容
故障監視機能において、ping監視方式が利用できなくなります
詳細は、「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「Jakarta EEアプリケーション実行環境の提供機能」-「Webサーバーコネクタ」-「Webサーバーコネクタの故障監視」-「故障監視方式」を参照してください。
注意
Interstage Application Server V12以前に提供していたping監視方式では、故障検知にかかる時間が約1分(監視間隔に依存し、デフォルト1分のため)、ポート監視方式での検出タイムアウト時間は約3分(OSのTCP関連設定に依存するため)でした。
そのため、デフォルト設定で運用していると、マシンハードウェア故障などが起きた場合、ポート監視方式はping監視方式と比べて検知に時間がかかります。
Interstage V13において、故障検出までのデフォルト時間の変更が必要な場合は、以下のいずれかにより送受信タイムアウトの設定を実施してください。
同じマシン(同一筐体)で運用する場合
「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「asadmin」-「Webサーバー連携」-「update-web-server-connector-configサブコマンド」
別のマシン(別筐体)で運用する場合
「GlassFish 設計・構築・運用ガイド」の「GlassFishの運用コマンド」-「wscadmin」-「update-cluster-configサブコマンド」
ただし、送受信タイムアウトを短くしすぎると、正常なリクエストも異常と検知されるため、アプリケーションの特性に応じて適切な値を設定してください。
リクエストの振り分け制御の変更内容
HTTPクライアントからのリクエストボディを受信中に、WebサーバーのTimeoutディレクティブの設定時間を超過した場合のHTTPステータスコードについて
V12以前はHTTPステータスコード200が返却されていましたが、V13以降ではHTTPステータスコード400が返却されるようになりました。そのため、WebサーバーのアクセスログやトレースログにHTTPステータスコード400が記録されるようになる場合があります。これらのログを使用してリクエストの状態を監視している場合は、監視処理を実行しているツール等のHTTPステータスコードのチェック処理の変更が必要となる可能性があります。
HTTPクライアントからのリクエスト受信中にクライアントが接続を切断した場合に、Webサーバーのログに出力されるHTTPステータスコードについて
V12以前はHTTPステータスコード200がWebサーバーのアクセスログやトレースログに出力されていましたが、V13ではHTTPステータスコード400が出力されるようになりました。これらのログを使用してリクエストの状態を監視している場合は、監視処理を実行しているツール等のHTTPステータスコードのチェック処理の変更が必要となる可能性があります。