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Enterprise Postgres 12 SP1 クラスタ運用ガイド(データベース多重化編)
FUJITSU Software

11.3 保守運用の操作

WebAdminでの災害対策運用において、運用センタで保守運用を行う場合の操作を説明します。

保守運用では、運用センタで保守作業を行うために待機センタへ一時的に切り替えた後、運用センタへ切り戻しを行います。

待機センタへの切り替え

運用センタで保守運用を行う場合は、待機センタに切り替えることで保守作業中の業務を継続します。

運用センタから待機センタへの切り替えは、以下の手順で行います。

  1. 運用センタで動作しているアプリケーション業務を停止します。

  2. 運用センタのプライマリサーバで行った[非同期WAL送信に追従]の設定をクリアします。

    [オプションの手順]

    1. [インスタンス]タブで、運用センタのプライマリサーバのインスタンスを選択します。

    2. をクリックして[設定]画面を開き、[PostgreSQLの設定]の横にあるをクリックします。

    3. [非同期WAL送信に追従]の設定をクリアして、をクリックします。

    4. [インスタンス]タブをクリックして、インスタンスの詳細画面に戻ります。

    5. をクリックして運用センタのプライマリサーバのインスタンスをリロードし、変更を反映します。

  3. 運用センタのすべてのMirroring Contrllerを停止します。

  4. 運用センタのすべてのインスタンスを停止します。

    「スマートモード」または「高速モード」のいずれかで停止してください。

  5. インスタンス状態の確認

    運用センタのプライマリサーバのインスタンスが通常停止していることを確認します。

    運用センタのプライマリサーバでpg_controldataコマンドを実行し、“Database cluster state”が“shut down”であることを確認します。

  6. トランザクションログの位置を確認

    待機センタの各サーバにトランザクションログが反映されていることを確認します。ログの反映状況は、以下の手順で確認します。

    1. 手順5で実行したpg_controldataコマンドの結果から“Latest checkpoint location”に出力されたLSNを確認します。

    2. 待機センタのプライマリ候補サーバ、およびスタンバイサーバでpg_last_wal_replay_lsn関数を実行し、実行結果のLSNが、手順aのLSNよりも新しいことを確認します。

      ただし、手順bのLSNが手順aのLSNよりも新しくない場合、運用センタのプライマリサーバから待機センタへすべてのトランザクションログが反映されていないため、運用センタのインスタンスを再起動して、手順4から再度、操作を実施します。

  7. 運用センタで保守作業を開始します。

  8. [インスタンス]タブで、待機センタのプライマリ候補サーバを選択します。

  9. をクリックしてインスタンスの昇格を行います。

    [オプションの手順]

    1. をクリックして[設定]画面を開きます。

    2. [PostgreSQLの設定]の横にあるをクリックします。

    3. [同期スタンバイ名]に待機センタのスタンバイサーバを設定します。

    4. をクリックします。

    5. [インスタンス]タブをクリックして、インスタンスの詳細画面に戻ります。

    6. をクリックして待機センタのプライマリ候補サーバのインスタンスをリロードし、変更を反映します。

  10. 待機センタのプライマリ候補サーバのインスタンスと待機センタのスタンバイサーバのインスタンスにMirroring Controllerをセットアップします。

  11. Mirroring Controllerを起動します。

  12. 待機センタでアプリケーション業務を再開します。

  13. 運用センタで保守作業が完了した後、運用センタのプライマリサーバのインスタンスを選択して、レプリケーションクラスタの結合を設定します。
    レプリケーションクラスタの結合についての詳細は、“運用ガイド”の“レプリケーションクラスタの結合”を参照してください。

  14. 待機センタのプライマリ候補サーバで[非同期WAL送信に追従]を設定します。

    [非同期WAL送信に追従]に“on”または“on (運用センタのプライマリサーバ)”を設定します。

    11.1 災害対策運用のセットアップ”の“[非同期WAL送信に追従]の設定”を参照してください。

  15. 運用センタのインスタンスを起動します。

注意

保守作業中に待機センタでトランザクションログが再利用された場合には、手順13でのレプリケーションクラスタの結合ができなくなります。その場合は、運用センタのインスタンスを再作成する必要があります。そのため、運用センタのプライマリサーバおよび待機センタのプライマリ候補サーバのセットアップ時に、[PostgreSQLの設定]の[WALの保存セグメント]に保守作業期間を想定した以上の値を設定してください。

運用センタへの切り戻し

運用センタでの保守作業が完了し、待機センタで行っていた業務を運用センタに切り戻すことができます。

運用センタ保守後に行うセンタの切り戻しの手順は、“待機センタへの切り替え”の手順と同じです。このため、待機センタへの切り替えの手順の運用センタと待機センタを読み替えて参照してください。