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Enterprise Service Development Platform V1.2.0 運用ガイド
FUJITSU Software

12.4.1 全コンポーネントの更新手順

ここでは、全コンポーネントをまとめて更新する手順について説明します。

以下の事項が前提です。

注意

本手順実施前に下記ページを参照し、それぞれの手順前に記載されている注意事項を確認してください。

Kubernetes masterサーバーで、以下の手順を行うことで全コンポーネントをまとめて更新できます。

  1. 事前準備

    更新前に以下のコマンドを実行し、更新に必要なファイルを生成します。

    $ cd /var/FJSGHD/playbook
    $ ansible-playbook -i /var/FJSGHD/inventories/hosts play_create_playbook_for_update_tool.yml
  2. 全コンポーネントの一括更新

    以下のコマンドを実行し、全コンポーネントをまとめて更新します。 コマンド実行時にオプションを指定することができます。 オプションの詳細については、下記参考をご覧ください。

    $ ansible-playbook -i /var/FJSGHD/inventories/hosts play_update.yml

    コマンドを実行すると、以下のメッセージが表示されます。誤って実行した場合や前提・業務無停止の条件を満たしていない場合は、「n」を入力し、Enterキーを押下することで更新を中断できます。更新を継続する場合は「y」を入力し、Enterキーを押下します。

    [Please confirm]
    ==============================================================
    [WARNING] Take a backup before update. Backup is required for backout.
              Do you want to update? (y/n)
    ==============================================================
    :

    参考

    【オプション説明】

    以下に示すコマンドオプションを利用することができます。

    -eオプション

    $ ansible-playbook -i /var/FJSGHD/inventories/hosts play_update.yml -e <指定値>
    指定値 オプション説明
    no_interactive=True 更新確認のための y/n 入力をスキップします。
    interactive_update=False 更新中、ロードバランサーからKubernetes nodeサーバーへの振り分け停止/再開を行う操作の確認のためのEnterキーの入力待ちをスキップできます。
    helm_upgrade_timeout=<タイムアウト時間> 各OSSはhelmでインストールされており、helm upgradeで更新されます。本パラメータは、helm upgradeが完了するまでの待ち時間を設定します。「設計ガイド」の各章に記載の資源見積もりを標準的な規模とし、デフォルト値を630mとしています。設定値のフォーマットは「概説書」-「Application Management」-「helm」の公式マニュアルを参照してください。タイムアウト時間変更については、事前に開発環境でご確認の上、本番環境では十分に余裕のある値を設定してください。

    注意

    Kubernetesの更新処理では、Kubernetes nodeサーバーを1台ずつ更新します。 nodeサーバーが2台以上存在する場合、nodeサーバーをメンテナンスする前後に以下のメッセージが出力され更新処理が一時停止されます。 業務無停止で更新するためには、nodeサーバーへのリクエスト振り分けの制御が必要です。前述の注意事項を確認した上で、 ロードバランサーからnodeサーバーへの振り分け停止および再開を実施し、Enterキーを押下してください。

    メンテナンス前には以下のメッセージが表示されます。

    【メッセージ】

    [update/container_mng/k8s_cluster : confirm]
    ======================================================
    [WARNING]
    Updating the version of the kubernetes node [<IPアドレス>] to <バージョン>.
    Please stop routing requests to the kubernetes node [<IPアドレス>] from the load balancer.
    If you have stopped routing requests, please press the enter key.
    ======================================================

    【説明】

    <IPアドレス>のKubernetes nodeサーバーを<バージョン>にアップデートします。
    ロードバランサーから<IPアドレス>のKubernetes nodeサーバーへの振り分けを停止してください。
    振り分け停止後、Enterキーを押下し、処理を再開してください。

    メンテナンス後には以下のメッセージが表示されます。

    【メッセージ】

    [update/container_mng/k8s_cluster : confirm]
    ======================================================
    [WARNING]
    The kubernetes node [<IPアドレス>] has been updated to <バージョン>.
    Please resume routing requests to the kubernetes node [<IPアドレス>] from the load balancer.
    If you have resumed routing requests, please press the enter key.
    ======================================================

    【説明】

    <IPアドレス>のKubernetes nodeサーバーを<バージョン>にアップデートしました。
    ロードバランサーから<IPアドレス>のKubernetes nodeサーバーへの振り分けを再開してください。
    振り分け再開後、Enterキーを押下し、処理を再開してください。

    【正常終了時】

    正常終了時は下記のようにunreachable=0, failed=0となり、XX、YYは任意の整数が記載されています。

    PLAY RECAP *********************************************************************
    127.0.0.1                  : ok=XX  changed=YY  unreachable=0    failed=0

    【異常終了時】

    異常終了時は下記のようにunreachable, failedのAAおよびBBは1以上の任意の整数が記載されています。

    PLAY RECAP *********************************************************************
    127.0.0.1                  : ok=XX  changed=YY  unreachable=AA    failed=BB

参考

Container Managementの更新は、Podの退避処理(Drain k8s_nodeタスク)に失敗した場合、 退避が正常に行えるように修正後、下記コマンドを再実行することで現在のバージョンから更新を再開することができます。

$ ansible-playbook -i /var/FJSGHD/inventories/hosts play_create_playbook_for_update_tool.yml
$ ansible-playbook -i /var/FJSGHD/inventories/hosts play_update_container_mng.yml

注意

本手順実施後に下記ページを参照し、それぞれの手順後に記載されている注意事項を確認してください。