RLP動作環境ファイルは、主系RLPと従系RLPのそれぞれで設定します。
RLP動作環境ファイルは、UNIX系ファイルで作成します。
主系と従系の各RLPでは、複写元RLPと複写先RLPのそれぞれでRLP動作環境ファイルを作成します。
RLP動作環境ファイルは、/opt/FJSVsymdx/demo/rlp001.envを複写し、作成したテキストファイルに定義します。このファイル名を“RLP名.env”に変更し、BC構成パラメタファイルのRLP_FILE_PATHパラメタで指定してください。なお、RLP動作環境ファイルは、任意のディレクトリに作成することができます。ただし、/tmpのような一時領域には作成しないでください。
ポイント
RLP動作環境ファイルは、RLP種別が複写元RLPであるか、複写先RLPであるかによって有効なパラメタが異なります。それぞれで有効にならないパラメタは指定不要のため、該当の行を削除するか、コメントアウトしてください。
なお、RLPが主系であるか従系であるかによって、有効なパラメタが異なることはありません。
このため、主系RLPの複写元RLP環境と複写先RLP環境で作成したRLP動作環境ファイルを従系RLPに複写し、ファイル名およびディレクトリ名を含むパラメタのみを編集します。
参照
RLP動作環境ファイルの記述形式は、“パラメタファイルの記述形式”を参照してください。
セキュリティ運用時にのみ有効なパラメタについては、“2.3.10.1 RLP動作環境ファイルのセキュリティパラメタ”を参照してください。
RLP動作環境ファイルに記述する定義種別と定義内容を以下に示します。
定義種別 | 定義内容 | 記述の省略 | |
---|---|---|---|
複写元RLP | 複写先RLP | ||
正系ノードで空きRLCファイルの減少の警告契機 | 可 | - | |
RERUNログ抽出ファイルの作成先のディレクトリの絶対パス名 | - | 不可 | |
RERUNログ引継ぎファイルの配置先のローデバイス名またはディレクトリの絶対パス名 | - | 不可 | |
RERUNログ抽出作業域の獲得先ディレクトリの絶対パス名 | - | 可 | |
RERUNログ抽出作業域の作業域ファイルとして獲得するファイルサイズの割り当て量 (注1) | - | 可 | |
RERUNログ抽出作業域の作業域メモリとして獲得するメモリの大きさ (注1) | - | 可 | |
RERUNログ反映のコミット順序の保証単位、反映常駐スレッド数 (注1)、トランザクション結合数 (注1) | - | 可 | |
自動ログ破棄の有無 | - | 可 | |
EXT_FILE_CLEAR (注2) | RERUNログ抽出ファイルの削除時にRERUNログ抽出ファイルの初期化を行うか否か | - | 可 |
EXT_WORK_CLEAR (注2) | RERUNログ抽出作業域の作業域ファイルの削除時に作業域ファイルの初期化を行うか否か | - | 可 |
-:指定不要
注1) 主系RLPと従系RLPで同一値にしてください。
注2) セキュリティ運用時にのみ有効です。
注意
複写元RLPのRLP動作環境ファイルに設定する定義種別が無くても、ファイルは作成してください。
ローデバイス名が指定可能な定義種別にローデバイス名を指定した場合、重複チェックが実施される場合があります。
各パラメタの説明
正系ノードの空きRLCファイルの減少を通知する警告メッセージの出力契機を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
RLC_NOEMP_WARN = 正系ノードの空きRLCファイル個数
正系ノードの空きRLCファイルの減少を通知する警告メッセージの出力契機を、空きRLCファイルの個数(1~63の範囲)で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは省略可能です。複写先RLPの場合、本パラメタは不要です。
省略時は、警告メッセージは出力されません。
ポイント
正系ノードの空きRLCファイル個数が本パラメタに指定した値以下になると、RLCファイルの交替時に警告メッセージが出力されます。
RERUNログ抽出ファイルの作成先を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
EXT_FILE_PATH = 絶対パス名
RERUNログ抽出ファイルの作成先ディレクトリの絶対パス名を、511バイト以内で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略できません。
RERUNログ引継ぎファイルの作成先を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
CONT_FILE_PATH = 絶対パス名
RERUNログ引継ぎファイルの配置先のローデバイスまたはディレクトリの絶対パス名を、511バイト以内で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略できません。
注意
ローデバイスの絶対パス名を指定する場合は、以下の資源を配置しているローデバイスと重複しないようにしてください。
Mirroring Controllerの資源
RDBシステムの資源
Active DB Guardの資源
RERUNログを抽出するときに使用する、RERUNログ抽出作業域の獲得先を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
EXT_WORK_PATH = 絶対パス名
RERUNログ抽出作業域の獲得先ディレクトリの絶対パス名を、220バイト以内で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略可能です。
省略時は、絶対パス名として/tmpが指定されたものとみなします。
RERUNログを抽出するときに使用するRERUNログ抽出作業域として、作業域ファイルを作成または拡張する場合の1回の割当て量を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
EXT_WORK_SIZE = サイズ
RERUNログ抽出作業域として作業域ファイルを作成または拡張する場合の割当て量を1メガバイト~100メガバイトの範囲で、メガバイト単位で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略可能です。
省略時は、サイズとして10(メガバイト)が指定されたものとみなします。
参照
本パラメタに指定する値の見積り方法は、“B.3.6.3 RERUNログ抽出作業域の見積り”を参照してください。
RERUNログを抽出するときに使用する、RERUNログ抽出作業域の作業域メモリの大きさを指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
EXT_WORK_MEM = サイズ
RERUNログ抽出作業域の作業域メモリの大きさを1メガバイト~2047メガバイトの範囲で、メガバイト単位で指定します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略可能です。
省略時は、サイズとして10(メガバイト)が指定されたものとみなします。
参照
本パラメタに指定する値の見積り方法は、“B.3.6.3 RERUNログ抽出作業域の見積り”を参照してください。
RERUNログ反映に関する以下の動作を指定します。
コミット順序の保証単位
反映常駐スレッド数
トランザクション結合数
記述形式は、以下のとおりです。
REF_APPLY_MODE = {DSI[,[反映常駐スレッド数][,[トランザクション結合数]]]
| LOGGROUP,反映常駐スレッド数[,[トランザクション結合数]]}
RERUNログ反映でのコミット順序の保証単位として、正本のデータベースにおけるトランザクションのDSI単位、またはロググループ単位のどちらかを指定します。
DSI単位で、正本のデータベースにおけるトランザクションのコミット順にRERUNログを反映します。
本パラメタはRERUNログ反映の性能を優先する場合に選択します。
本パラメタを選択した場合には、RERUNログ反映はページ単位で占有します。
ロググループ単位で、正本のデータベースにおけるトランザクションのコミット順にRERUNログを反映します。
本パラメタは、副本のデータベースの参照業務で、RERUNログ反映中に正本のデータベースにおけるトランザクションを保証する必要がある場合に選択します。
本パラメタを選択した場合、RERUNログ反映は行単位で占有します。
RERUNログを反映するときに利用する反映常駐スレッド数を指定します。
反映常駐スレッド数は2~65535の範囲で指定します。
省略時は以下のいずれかの値が設定されたものとみなします。
・RDB構成パラメタファイルにRDBCPUNUMパラメタを指定している場合
RDBCPUNUMに指定したCPUコア数
・RDB構成パラメタファイルにRDBCPUNUMパラメタを指定していない場合
Symfoware/RDB起動時の稼動中のCPUコア数
ただし、値が1となる場合には2に繰り上げます。
反映常駐スレッド数に1を指定します。
本パラメタは省略できません。
当該RLPに含まれるDSIすべてに対して、デフォルトのトランザクション結合数を1~65535の範囲で指定します。
本パラメタは省略可能です。
省略時は1が指定されたものとみなします。
複写元RLPの場合、REF_APPLY_MODEは指定不要です。
複写先RLPの場合、REF_APPLY_MODEは省略可能です。省略時は以下が指定されたものとみなします。
コミット順序の保証単位にDSI
反映常駐スレッド数に上記の反映常駐スレッド数の省略時の値
トランザクション結合数に1
注意
コミット順序の保証単位にDSIを指定した場合でも、格納構造がSEQUENTIAL構造でDSO定義にPRECEDENCE(1)を指定しているDSIへのRERUNログ反映は、行単位の占有となります。
参照
本機能の利用方法については、“E.6 RERUNログ反映時のコミット順序の保証単位”を参照してください。
反映常駐スレッド数に指定する値の見積り方法は、“Mirroring Controller 運用ガイド”の“反映常駐スレッドの多重度数のチューニング”を参照してください。
トランザクション結合数に指定する値の見積り方法は、“Mirroring Controller 運用ガイド”の“トランザクション結合数のチューニング”を参照してください。
RERUNログ反映処理において、閉塞状態の資源や資源識別子が未登録の資源を検知した場合のRERUNログの破棄の有無を指定します。
記述形式は、以下のとおりです。
REF_LOG_PURGE = {DSI | MAP | ALL | NONE}
DSI:RERUNログの反映が不可となったDSIのRERUNログを破棄し、その他のRERUNログの反映処理を行います。
MAP:資源識別子が未登録のRERUNログを破棄し、その他のRERUNログの反映処理を行います。
ALL:RERUNログの反映不可のDSIおよび資源識別子が未登録のRERUNログを破棄し、その他のRERUNログの反映処理を行います。
NONE:RERUNログ反映不可のDSIまたは資源識別子が未登録のRERUNログであっても破棄せず、RERUNログ反映処理を中断します。
複写元RLPの場合、本パラメタは不要です。複写先RLPの場合、本パラメタは省略可能です。
省略時はNONEが指定されたものとみなします。
注意
セットアップでは、本パラメタの指定を省略するか、指定する場合は必ずNONEを指定してください。
本パラメタの変更は、RERUNログ反映処理に異常が発生した場合に行います。
なお、本パラメタにDSI、MAP、ALLを指定した場合、ノード切替え不可状態となります。
参照
RERUNログの破棄の詳細については、“Mirroring Controller 運用ガイド”の“ログ破棄を利用したリカバリ”を参照してください。
例
RLP動作環境ファイルの記述例を以下に示します。
ここでは、RERUNログ引継ぎファイルを、ローデバイスに配置しています。
Solarisの場合
RLC_NOEMP_WARN = 1
EXT_FILE_PATH = /work/tmp/extfile CONT_FILE_PATH = /dev/rdsk/c3t1d1s4 EXT_WORK_PATH = /tmp/extwork EXT_WORK_SIZE = 100 EXT_WORK_MEM = 200 REF_APPLY_MODE = DSI,15,10 REF_LOG_PURGE = NONE
Linuxの場合
RLC_NOEMP_WARN = 1
EXT_FILE_PATH = /work/tmp/extfile CONT_FILE_PATH = /dev_symfomc/raw7 EXT_WORK_PATH = /tmp/extwork EXT_WORK_SIZE = 100 EXT_WORK_MEM = 200 REF_APPLY_MODE = DSI,15,10 REF_LOG_PURGE = NONE