分散トランザクション連携を行うCORBAサーバアプリケーションをマルチスレッド環境で使用する場合、以下のアプリケーション構成で運用することができるようになります。
■1つのアプリケーションプロセス内でデータベースアクセスする場合
以下の図は、1つのアプリケーションプロセス内で、スレッド多重3で動作する場合の例です。
3つのプロセスで行うことを、3つのスレッドで制御するため、資源削減となります。なお、同じデータベースにアクセスする場合は、アクセスの内容によって、データベース側で排他制御されることがあります。例では、同じサーバ環境にOTSシステムも動作していますが、別サーバにOTSシステムを動作させても問題ありません。
■サーバアプリケーションのコンパイル・リンクについて
C言語用サーバアプリケーションソースを、Microsoft Platform SDKを使用してコンパイルする場合、コンパイルオプションに「/MD」を追加してください。
C言語用サーバアプリケーションソースをコンパイルする場合は、-mtオプションを付加してください。
■コンパイル・リンク方法の例(C言語の場合)
C言語でSymfoware/RDBを使用した場合のリンクパラメタを以下に示します。
cc -mt -O -o test1_s test1_s.o test1_skel.o /opt/FSUNots/program/xa/libotsxasym_mt.o \ -L/opt/FSUNots/lib -lservapl_mt -ltacebase -L/opt/FSUNrdb2b/lib -lsql64drvm -lrdbxa64m \ -L/opt/FSUNod/lib -lOM -lOMcn -I/opt/FSUNod/include -I/opt/FSUNots/include test1_s.c
Symfoware/RDBのインストールパス:「/opt/FSUNrdb2b」
データベース連携サービスのインストールパス:「/opt/FSUNots」
CORBAサービスのインストールパス:「/opt/FSUNod」
\:継続行
■サーバアプリケーション情報のインプリメンテーションリポジトリへの登録
OD_impl_instコマンドを使用して、インプリメンテーションリポジトリにサーバアプリケーション情報を登録します。登録の方法は、サーバアプリケーションのプロセス、スレッド関係なく同一ですが、CORBAアプリケーション情報定義ファイルの情報は異なります。OD_impl_instコマンドの詳細については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「CORBAサービス運用コマンド」-「OD_impl_inst」を参照してください。
OD_impl_inst -ax defname
OD_impl_instコマンドに指定するCORBAアプリケーション情報定義ファイルの例を以下に示します。
rep_id = IDL:ODdemo/calculator:1.0 type = persistent proc_conc_max = 1 thr_conc_init = 3 mode = SYNC_END data = "RESOURCE:resourcedef1"
rep_id = IDL:ODdemo/calculator:1.0 type = persistent proc_conc_max = 1 thr_conc_init = 3 env = LD_LIBRARY_PATH=/opt/FSUNots/lib:/opt/FSUNod/lib;OTS_HOME=/opt/FSUNots mode = SYNC_END data = "RESOURCE:resourcedef1"
マルチスレッド環境で運用する場合は、thr_conc_initパラメタにスレッド多重度を設定してください。スレッド多重度の制限値、およびパラメタの詳細な意味や設定値については、「リファレンスマニュアル(コマンド編)」の「CORBAサービス運用コマンド」-「OD_impl_inst」を参照してください。
CORBAサービスから提供されるlibOM.soファイルは、サーバアプリケーションの言語に関係なくCORBAサービスのインストールディレクトリ/libが有効になるように環境変数LD_LIBRARY_PATHに設定してください。
OD_impl_instコマンドは、サーバアプリケーション情報を削除することもできます。
削除処理の例を以下に示します。
OD_impl_inst -d -r IDL:ODdemo/calculator:1.0