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Interstage Application Server V13.0.0 アプリケーション作成ガイド(CORBAサービス編)
FUJITSU Software

D.3.8 Portable-ORB

(8) Portable-ORBのJava連携機能で使用できるサンプルプログラムの実行例を説明します。
Java言語のCORBAアプリケーションをコンパイル/実行するためには、環境設定を行う必要があります。ORBの指定については、“5.2.2 ORB(Object Request Broker)の指定”を参照してください。サーバの環境設定については、“5.5 サーバの環境設定”を参照してください。
サンプルプログラムは、以下のフォルダ配下に格納されています。

種別

フォルダ(注)

Portable-ORB/各種データ型

%OD_SAMPLES%\complex\samplelist.Java\data\*

Portable-ORB/POAインタフェース

%OD_SAMPLES%\POA\java_1_4\*

Portable-ORB/四則演算

%OD_SAMPLES%\CalcSample\java

Portable-ORB/各種APInet_disconnect

%OD_SAMPLES%\complex\samplelist.Java\API\net_disconnect

Portable-ORB/各種APIset_client_request_timer

%OD_SAMPLES%\complex\samplelist.Java\API\set_client_request_timer

Portable-ORB/各種APIstring_to_object

%OD_SAMPLES%\complex\samplelist.Java\API\string_to_object

注)
ここで使用している環境変数は、以下です(Interstageのインストールフォルダ:デフォルト)。

環境変数

OD_SAMPLES

C:\Interstage\ODWIN\src\sample


D.3.8.1 Portable-ORB/各種データ型

注意

Portable-ORBでは、context型のデータの受け渡しができないため、context型のサンプルは実行できません。


<作成>

D.3.1.3 静的インタフェース/各種データ型(Java言語)”の<作成>を参照してください。


<実行>

作成したアプリケーションの実行手順を以下に示します。


1. 環境変数(サーバ)の設定

コマンドプロンプトを起動し、環境変数CLASSPATH、PATHを設定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します。

set CLASSPATH=.;C:\Interstage\ODWIN\etc\Class\ODjava4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

注意

環境変数CLASSPATHは、インストール時にODjava4.jarが設定されます。


2. サーバアプリケーションの登録

コマンドプロンプトにおいて、サンプルアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、registar.batを実行して、サンプルプログラムを実行するために必要なインプリメンテーションリポジトリIDとオブジェクトリファレンスを登録します。

register.bat

3. サーバアプリケーションの起動

exec-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを起動します。

exec-SV.bat

4. 環境変数(クライアント)の設定

コマンドプロンプトを起動し、Portable-ORBを動作させるための環境変数CLASSPATH、PATHを指定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します(PORB_HOME:Portable-ORBのインストールパス“C:\Interstage\PORB”)。

set CLASSPATH=.;%PORB_HOME%\lib\ODporb4.jar;%PORB_HOME%\lib\CosNaming4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

5. クライアントアプリケーションの起動

コマンドプロンプトにおいて、サンプルアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、exec-CL.batを実行して、クライアントアプリケーションを起動し、出力結果を確認します。

exec-CL.bat

6. サーバアプリケーションの終了

stop-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを停止します。

stop-SV.bat

7. サーバアプリケーションの登録削除

unregister.batを実行して、不要となったサンプルプログラムのインプリメンテーションリポジトリIDとオブジェクトリファレンスを削除します。

unregister.bat

D.3.8.2 Portable-ORB/POAインタフェース

D.3.8.1 Portable-ORB/各種データ型”を参照してください。


D.3.8.3 Portable-ORB/四則演算

以下のいずれかをサーバアプリケーションとして使用します。

種別

フォルダ(注)

静的インタフェース/四則演算(C言語)

%OD_SAMPLES%\CalcSample\c_s

静的インタフェース/四則演算(C++言語)

%OD_SAMPLES%\CalcSample\c++_s

注)
ここで使用している環境変数は、以下です(Interstageのインストールフォルダ:デフォルト)。

環境変数

OD_SAMPLES

C:\Interstage\ODWIN\src\sample


<作成/サーバ>

D.3.1.4 静的インタフェース/四則演算(C言語)のアプリケーションを使用する場合は、“D.3.1.1 静的インタフェース/各種データ型(C言語)”の<作成/サーバ>を参照してください。D.3.1.5 静的インタフェース/四則演算(C++言語)のアプリケーションを使用する場合は、“D.3.1.2 静的インタフェース/各種データ型(C++言語)”の<作成/サーバ>を参照してください。


<作成/クライアント>

クライアントアプリケーションの作成手順を以下に示します。

1. 環境変数の設定

コマンドプロンプトを起動し、環境変数CLASSPATH、PATHを設定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します(PORB_HOME:Portable-ORBのインストールパス“C:\Interstage\PORB”)。

set CLASSPATH=.;%PORB_HOME%\lib\ODporb4.jar;%PORB_HOME%\lib\CosNaming4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

2. スタブの作成

コマンドプロンプトにおいて、サンプルアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、make.batを実行して、スタブを作成します。

make.bat

3. クライアントアプリケーションの作成

apl-compile.batを実行してJavaのソースをコンパイルします。

apl-compile.bat

<実行>

D.3.8.1 Portable-ORB/各種データ型”の<実行>を参照してください。


注意

サンプルプログラムを実行すると、以下のメッセージが出力されます。これはサンプルプログラムの出力であり、システムや内部で異常が発生したことによるものではありません。

ERROR(0 divide) : ODdemo.calculatorPackage.ZEROPARAM

D.3.8.4 Portable-ORB/各種API(net_disconnect)

<作成>

D.3.1.3 静的インタフェース/各種データ型(Java言語)”の<作成>を参照してください。


<実行>

作成したアプリケーションの実行手順を以下に示します。


1. 環境変数(サーバ)の設定

コマンドプロンプトを起動し、環境変数CLASSPATH、PATHを設定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します。

set CLASSPATH=.;C:\Interstage\ODWIN\etc\Class\ODjava4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%  

注意

環境変数CLASSPATHは、インストール時にODjava4.jarが設定されます。


2. SSL環境(サーバ)設定

サーバにおいてSSLの環境設定を行います。SSLの環境設定については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“CORBAサービスでSSLを利用する方法”を参照してください。


3. SSL環境(クライアント)設定

クライアントにおいてSSLの環境設定を行います。SSLの環境設定については、“セキュリティシステム運用ガイド”の“Portable-ORBでSSLを利用する方法”を参照してください。


4. サーバアプリケーションの登録

コマンドプロンプトにおいて、サンプルアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、registar.batを実行して、サンプルプログラムを実行するために必要なインプリメンテーションリポジトリIDとオブジェクトリファレンスを登録します。

register.bat

5. サーバアプリケーションの起動

exec-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを起動します。

start exec-SV.bat

6. コネクション数の確認(疎通前)

odprtcurparamコマンドを使用して、疎通前のコネクション数(IIOP_resp_conのvalueの値)を確認します。

odprtcurparam

7. 環境変数(クライアント)の設定

コマンドプロンプトを起動し、Portable-ORBを動作させるための環境変数CLASSPATH、PATHを指定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します(PORB_HOME:Portable-ORBのインストールパス“C:\Interstage\PORB”)。

set CLASSPATH=.;%PORB_HOME%\lib\ODporb4.jar;%PORB_HOME%\lib\CosNaming4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

8. クライアントアプリケーションの起動

コマンドプロンプトにおいて、クライアントアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、exec-CL.batを実行して、クライアントアプリケーションを起動します。

exec-CL.bat

9. コネクション数の確認(疎通後)

サーバ側のコマンドプロンプトにおいて、odprtcurparamコマンドを使用して、疎通後のコネクション数(IIOP_resp_conのvalueの値)が疎通前より1だけ増加していることを確認します。

odprtcurparam

10. クライアントアプリケーションの終了

クライアント側のコマンドプロンプトにおいてEnterキーを押下し、クライアントアプリケーションを終了します。


11. サーバアプリケーションの終了

コマンドプロンプトにおいて、サーバアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、stop-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを停止します。

stop-SV.bat

12. サーバアプリケーションの登録削除

unregister.batを実行して、不要となったサンプルプログラムのインプリメンテーションリポジトリIDとオブジェクトリファレンスを削除します。

unregister.bat

ポイント

  • クライアントアプリケーションにおいて、com.fujitsu.ObjectDirector.CORBA.ORB.net_disconnectをコメントアウトした上で作成/実行することにより、APIが通信資源(コネクション数)に与える影響を確認できます。
    該当のAPIをコメントアウトしたアプリケーションでは通信資源が解放されないため、“9. コネクション数の確認(疎通後)”においてコネクション数は疎通前より2だけ増加します。

注意

サーバ側無通信監視機能/クライアント側無通信監視機能の影響により、“9. コネクション数の確認(疎通後)”において期待する結果が得られないことがあります。この場合、再度アプリケーションを実行してください。


D.3.8.5 Portable-ORB/各種API(set_client_request_timer)

D.3.8.1 Portable-ORB/各種データ型”を参照してください。

ポイント

set_client_request_timerのサーバアプリケーションは、ワークユニット上で動作させることも可能です。
サーバアプリケーションをワークユニット上で動作させる場合は、“D.3.1.3 静的インタフェース/各種データ型(Java言語)”のポイントを参照してください。


D.3.8.6 Portable-ORB/各種API(string_to_object)

<作成>

D.3.1.3 静的インタフェース/各種データ型(Java言語)”の<作成>を参照してください。


<実行>

作成したアプリケーションの実行手順を以下に示します。


1. 環境変数(サーバ)の設定

コマンドプロンプトを起動し、環境変数CLASSPATH、PATHを設定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します。

set CLASSPATH=.;C:\Interstage\ODWIN\etc\Class\ODjava4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

注意

環境変数CLASSPATHは、インストール時にODjava4.jarが設定されます。


2. サーバアプリケーションの登録

コマンドプロンプトを起動し、サーバアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、registar.batを実行して、サンプルプログラムを実行するために必要なインプリメンテーションリポジトリIDの登録、およびオブジェクトリファレンスのファイル出力を実行します。

register.bat

3. サーバアプリケーションの起動

exec-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを起動します。

start  exec-SV.bat

4. 環境変数(クライアント)の設定

コマンドプロンプトを起動し、Portable-ORBを動作させるための環境変数CLASSPATH、PATHを指定します。環境変数PATHには、使用するOpenJDKのディレクトリを指定します(PORB_HOME:Portable-ORBのインストールパス“C:\Interstage\PORB”)。

set CLASSPATH=.;%PORB_HOME%\lib\ODporb4.jar;%PORB_HOME%\lib\CosNaming4.jar;%CLASSPATH%
set PATH=<OpenJDKのインストールパス>\bin;%PATH%

5. クライアントアプリケーションの起動

コマンドプロンプトにおいて、クライアントアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、exec-CL.batを実行して、クライアントアプリケーションを起動します。なお、必要に応じて、Interstageのインストール環境にあわせてexec-CL.batを修正してください。

exec-CL.bat

6. サーバアプリケーションの終了

コマンドプロンプトにおいて、サーバアプリケーションフォルダへ現フォルダを移動します。その後、stop-SV.batを実行して、サーバアプリケーションを停止します。

stop-SV.bat

7. サーバアプリケーションの登録削除

unregister.batを実行して、不要となったサンプルプログラムのインプリメンテーションリポジトリIDとオブジェクトリファレンスを削除します。

unregister.bat

ポイント

string_to_objectのサーバアプリケーションは、ワークユニット上で動作させることも可能です。
サーバアプリケーションをワークユニット上で動作させる場合は、“D.3.1.3 静的インタフェース/各種データ型(Java言語)”のポイントを参照してください。