配信連携マスタファイルは、受信した印刷データの格納先部門を定義するためのファイルです。
印刷データの格納先をテキストファイルに記述し、そのファイルをlvsetmasコマンドで登録します。なお、登録が正常に終了した場合には、テキストファイルのバックアップファイル(lvtrinfmas.BAK)がシステムディレクトリに作成されます。このテキストファイルは、配信連携マスタファイルの登録後も、更新する際に使用しますので、大切に保管しておいてください。
lvsetmasコマンドについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。 |
なお、テキストファイルのひな型は、リスト管理サーバをインストールすると作成されます。
注意
配信連携定義で帳票の振り分けを行う場合は、サーバ動作環境ファイルの帳票の振り分け(DISTDEF=)に、配信連携定義(0)を指定する必要があります。
印刷データを配信連携定義で振り分ける場合、帳票情報は、以下の優先順で採用されます。
OSIV SystemWalker/PrintASSORTの帳票情報、OSIV LISTVIEWの帳票情報、または、OSIV APS/NPの仕分け情報
受信フォルダの振り分け定義、または配信連携マスタファイル/配信連携定義ファイルの定義
なお、帳票仕分け管理を使用する場合は、帳票仕分け管理の優先順が一番高くなります。
(1) 部門を振り分けるための指定
印刷データを格納先部門に振り分ける方法には、以下の3つがあります。
印刷データのファイル名に含まれる文字(キーワード)による振り分け
任意に指定した条件(振り分けキーワード)による振り分け
印刷データのファイル名と任意の条件の両方による(キーワードと振り分けキーワードをともに条件とする)振り分け
部門の振り分け方法(部門の決定方法)に対する、各情報の指定方法を示します。
格納先部門の決定方法 | 配信連携マスタファイル | 情報連携ファイル | |
---|---|---|---|
KEY | KEY-MAS | LV-MAS-KEY | |
ファイル名により決定 | 定義する | 定義しない | 指定しない |
振り分けキーワードにより決定 | 定義しない | 定義する | 指定する |
ファイル名および振り分けキーワードにより決定 | 定義する | 定義する | 指定する |
印刷データのファイル名に含まれる文字(キーワード)により、格納先の部門を決定する場合、配信連携マスタファイルに以下の定義が必要です。
キーワード(KEY): ファイル名で振り分けるための条件
部門のディレクトリ(PATH): 格納先の部門のディレクトリ名
情報連携ファイルに指定された条件(振り分けキーワード)により、格納先の部門を決定する場合、配信連携マスタファイルに以下の定義が必要です。
配信連携マスタ振り分けキーワード(KEY-MAS): 振り分けるための条件となる文字列
部門のディレクトリ(PATH): 格納先の部門のディレクトリ名
帳票登録コマンド(lvrcvlst)を実行する際、部門の振り分けキーワード(LV-MAS-KEY)を設定した情報連携ファイル名を指定します。
lvrcvlstコマンドについては、“コマンドリファレンス”を参照してください。 情報連携ファイルについては、“6.3.3 印刷データの登録 <ファイル転送運用のみ>”の“情報連携ファイルの設定”を参照してください。 |
なお、情報連携ファイルと配信連携マスタファイルの振り分けキーワードは、前方一致により比較されます。
配信連携マスタファイル | 情報連携ファイル | 比較結果 |
---|---|---|
KEY-MAS | LV-MAS-KEY | |
ABCDEFG | ABCDEFG | 一致 |
ABC | ABCDEFG | 一致 |
ABCDEFG | ABC | 不一致 |
EFG | ABCDEFG | 不一致 |
配信連携マスタファイルは、印刷データの格納先部門を定義するためのファイルです。配信連携マスタファイルには、部門ごとに以下の定義をします。
格納先を振り分けるための条件
条件に対応する部門
この定義により、印刷データの格納先部門を決定します。
配信連携マスタファイルの内容
配信連携マスタファイルでは、以下の情報を設定します。
情報名 | オペランド | 説明 | 省略値 | |
---|---|---|---|---|
キーワード開始桁 | KEYS= | ファイル名で振り分ける場合、キーワードの開始桁数を1~64の数字で指定します。 ただし、キーワード開始桁とキーワード文字数を合わせた数は65以下になるようにします。なお、ファイル名で振り分けない場合は 「KEYS=0」を指定します。 | 省略不可 | |
キーワード文字数 | KEYN= | ファイル名で振り分ける場合、キーワードの文字数を1~64の数字で指定します。 ただしキーワード開始桁とキーワード文字数を合わせた数は65以下になるようにします。なお、ファイル名で振り分けない場合は「KEYN=0」を指定します。 | 省略不可 | |
部門ごとの定義 | キーワード | KEY= | ファイル名で振り分ける場合、キーワードを64バイト以内の文字で指定します。キーワードの文字数はKEYNで指定したキーワード文字数と合わせてください。 なお、KEYS=0とKEYN=0を指定する場合、本オペランドは指定できません。どのキーワードにも一致しない印刷データの格納先を記述する場合は「KEY=*」を指定します。ファイル名で振り分ける場合、「KEY=*」は必ず指定します。キーワードとして使用できる文字は、ファイル名として認識できる文字です。 | ファイル名で振り分ける場合は、省略不可 |
配信連携マスタ振り分けキーワード | KEY-MAS= | 任意の条件で振り分ける場合、振り分けキーワードを64バイト以内の文字で指定します。 どの振り分けキーワードにも一致しない印刷データの格納先を記述する場合は「KEY-MAS=*」を指定します。振り分けキーワードで振り分ける場合、「KEY-MAS=*」は必ず指定しなければなりません。 | 任意の条件(振り分けキーワード)で振り分ける場合は、省略不可 | |
部門のディレクトリ名 | PATH= | 格納先の部門のディレクトリ名を168バイト以内のフルパスで指定します。 | 省略不可 |
配信連携マスタファイルは、テキストファイルに記述します。配信連携マスタファイルの記述形式を振り分けの方法ごとに説明します。
ファイル名による振り分け
任意の条件(振り分けキーワード)による振り分け
ファイル名と任意の条件の両方による振り分け
ファイル名による振り分けをする場合、配信連携マスタファイルは、テキストファイルに以下のように記述します。
注意
1行に複数のオペランドを記述することはできません。
同じキーワードがある場合は、最初の定義が有効になります。
任意の条件(振り分けキーワード)による振り分けをする場合、配信連携マスタファイルは、テキストファイルに以下のように記述します。
注意
1行に複数のオペランドを記述することはできません。
同じキーワードがある場合は、最初の定義が有効になります。
ファイル名と任意の条件の両方による振り分けをする場合、配信連携マスタファイルは、テキストファイルに以下のように記述します。
注意
1行に複数のオペランドを記述することはできません。
同じキーワードがある場合は、最初の定義が有効になります。
ファイル名と振り分けキーワードの両方で振り分けを行う場合は、どの部門にも一致しない定義(「KEY=*」と「KEY-MAS=*」)は、1つの部門で同時に定義しなければなりません。
印刷データを営業部門と総務部門に分けて登録します。印刷データのファイル名は、先頭2文字が「ei」または「so」で始まるように運用を決めておきます。ファイル名がそれ以外の文字で始まる印刷データはその他の部門に登録するようにします。
配信連携マスタファイルには以下の情報を定義します。
情報名 | 営業部門 | 総務部門 | その他 |
---|---|---|---|
キーワード開始桁 | 1 | ||
キーワード文字数 | 2 | ||
キーワード | ei | so | * |
部門のディレクトリ名 | /home/eigyo | /home/soumu | /home/other |
「/home/m0001/master」というテキストファイルに、以下のように記述して配信連携マスタファイルを作成します。
KEYS=1 KEYN=2 # 営業部門用 KEY=ei PATH=/home/eigyo // # 総務部門用 KEY=so PATH=/home/soumu // # その他 KEY=* PATH=/home/other //
作成した配信連携マスタファイルを登録します。
# lvsetmas -i/home/m0001/master
印刷データを営業部門と総務部門に分けて登録します。振り分けキーワードを設定し、「eigyo」なら営業部門に、「soumu」なら総務部門に、それ以外ならその他の部門に登録するようにします。
配信連携マスタファイルには以下の情報を定義します。
情報名 | 営業部門 | 総務部門 | その他 |
---|---|---|---|
キーワード開始桁 | 0 | ||
キーワード文字数 | 0 | ||
配信連携マスタ振り分けキーワード | eigyo | soumu | * |
部門のディレクトリ名 | /home/eigyo | /home/soumu | /home/other |
「/home/m0001/master」というテキストファイルに、以下のように記述して配信連携マスタファイルを作成します。
KEYS=0 KEYN=0 # 営業部門用 KEY-MAS=eigyo PATH=/home/eigyo // # 総務部門用 KEY-MAS=soumu PATH=/home/soumu // # その他 KEY-MAS=* PATH=/home/other //
作成した配信連携マスタファイルを登録します。
# lvsetmas -i/home/m0001/master