1階層Tierプールは、ストレージ装置のFTRPとして登録されます。
WebコンソールからTierプールを作成すると、ストレージ装置にFTRPとFTSPの両方が作成されます。さらに、Webコンソールから、ストレージ装置にFTVを作成することが可能になります。
以下の作業を実施するときに、CMを指定できます。
1階層Tierプールを作成するとき
サブプールの容量を拡張するとき
CMは1つ以上指定可能とし、Tierプールに対して指定することでTierプール全体のCMを指定することが可能です。
Tierプールに複数のCMを指定した場合は、指定されたCMからラウンドロビン方式でCMを設定します。
Tierプールのサブプール作成時は、Tierプールに指定した複数のCMから指定することもできます。
サブプールの容量拡張時は、すでに作成している各サブプールに割当て済みのCMを考慮してラウンドロビン方式でCMを割り当てます。CM一覧に表示されるCMから指定することもできます。
CMの指定を省略した場合は、装置側の実装により自動的に割り当てられます。
Tierプールの | サブプールの | 設定される | 説明 |
---|---|---|---|
CM#0 | - | CM#0 | プールの指定によりCM#0を設定 |
CM#0、CM#1 | - | CM#0 | Tierプールの指定を基に、ラウンドロビン方式でCM#0を設定 |
CM#0、CM#1 | CM#0 | CM#0 | サブプールの指定によりCM#0を設定 |
CM#0、CM#1 | CM#1 | CM#1 | サブプールの指定によりCM#1を設定 |
Tierプールの | 設定済みの | 新たに割り当てられるCM | 説明 |
---|---|---|---|
CM#0 | CM#0 | CM#0 | Tierプールの指定によりCM#0を設定 |
CM#0、CM#1 | CM#0 | CM#1 | 未割当てのCM#1を設定 |
CM#0、CM#1 | CM#1 | CM#0 | 未割当てのCM#0を設定 |
以下の作業を実施するときに、ディスクを自動選択できます。
1階層Tierプールを作成するとき
サブプールの容量を拡張するとき
自動で選択する場合は、必要な物理容量を指定します。ディスクを手動で選択することも可能です。
1階層Tierプールを作成します。
1階層Tierプールに指定できる項目は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「Tierプールの作成」を参照してください。
1階層Tierプールの作成方法は、『Webコンソール説明書』の「1階層Tierプールの作成」を参照してください。
1階層Tierプールの運用を変更する場合に、Tierプールの定義内容を変更します。
変更可能な項目は、以下のとおりです。項目の説明は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「Tierプールの作成」を参照してください。
プールの警告閾値
プールの注意閾値
FTSP名
現在のTierプールの詳細情報の表示方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールの表示」を参照してください。
Tierプールの変更方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールの変更」を参照してください。
ポイント
複数のTierプールの定義内容を一括して変更することはできません。複数のTierプールの定義内容を変更する場合は、複数のTierプールを1つずつ変更してください。
以下のTierプールの定義内容は、変更できません。
ストレージ自動階層制御を開始しているTierプール
RAIDグループの削除処理を実行中のTierプール
削除操作の前に、削除しようとしている1階層Tierプールの詳細情報を表示し、削除して問題ないことを確認してください。Tierプールの詳細情報の表示方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールの表示」を参照してください。
Tierプールの削除方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールの削除」を参照してください。
ポイント
複数のTierプールを一括して削除できます。
以下のTierプールは削除できません。
FTVが存在するTierプール
Virtual Volumeが存在するTierプール
ストレージ自動階層制御が開始されているTierプール
VVOLデータストアを構成しているTierプール
クローンバックアップ用VVOLデータストアを構成しているTierプール
RAIDグループの削除処理を実行中のTierプール
1階層Tierプールを構成するサブプールの容量は、拡張可能です。拡張方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールのサブプール容量拡張」を参照してください。
注意
サブプールの容量拡張を行うと、サブプール内でデータの偏りが発生し、アクセス性能に差が出ることがあります。データの偏りを解消するには、Tierプール平準化を実施してください。サブプール容量拡張を行うときもTierプール平準化を実施できます。設定方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールのサブプール容量拡張」を参照してください。
サブプールの容量拡張を行った後でもTierプール平準化を開始できます。開始方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプール平準化の開始/停止」を参照してください。
RAIDグループの削除処理を実行中のTierプールにおいて、サブプールの容量拡張はできません。
参照
Tierプールの平準化の詳細は、「6.5.1.5 1階層Tierプールの平準化」を参照してください。
Tierプール平準化は、Tierプールを構成する各サブプール内のRAIDグループに対して、それぞれのRAIDグループの使用容量が均等になるように物理割当て領域を再配置する機能です。このため、FTVへのI/Oアクセスが、FTSP内のRAIDグループにほぼ均等に分散されます。
FTSP内のRAIDグループの使用容量を均等にしたい場合は、Tierプール平準化を実施してください。
Tierプール平準化は、平準化レベルに関係なく実施できます。通常、Tierプールの平準化レベルを"Middle"または"Low"から"High"にする場合に、Tierプール平準化を実施します。
平準化レベルは、Webコンソールにおいて、ストレージ自動階層制御のTierプールのオーバービューに表示される[平準化]の[レベル]で確認できます。
Tierプール平準化の処理は、停止させることが可能です。Tierプール平準化を開始/停止できるTierプールは、装置内で1つだけです。
参照
Tierプール平準化の開始/停止方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプール平準化の開始/停止」を参照してください。
Tierプール平準化を実施するには、対象の1階層Tierプールが以下のすべての条件を満たしている必要があります。
対象Tierプールの「Tierプール状態」が、"Available"、"Partially Readying"、または"Exposed"である
対象Tierプールに対するTierプール平準化処理が実施中でない
対象Tierプールの「平準化:状態」が"Stop"である
Tierプール平準化の処理を停止するには、対象の1階層Tierプールが以下の条件を満たしている必要があります。
対象Tierプールの「平準化:状態」が"Active"または"Error"である
ポイント
1階層Tierプールへの業務I/Oが発生中のときでも、その1階層Tierプールに対するTierプール平準化を実施できます。
1階層Tierプールの平準化レベル、サブプールの平準化レベル、および平準化の進捗状況は、Webコンソールで確認できます。詳細は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「Tierプールの設定内容の確認」を参照してください。
注意
Tierプール平準化は、Tierプール内で平準化レベルが低いFTVを優先し、一度に最大32個のFTVを平準化します。このため、FTV数が多い場合、Tierプール平準化を実施しても平準化レベルが"High"にならないことがあります。平準化レベルを"High"にするには、Tierプール平準化を再実施してください。
平準化状態がErrorの場合は、その1階層Tierプールに対するTierプール平準化処理を停止してください。
Tierプール平準化を実施しても、FTVが物理割当てされているサブプールは変更されません。
以下のどれかの条件を満たす場合は、Tierプール平準化を実施できません。
対象Tierプールの「ストレージ自動階層制御状態」が"Start"である
対象TierプールにFTVが存在しない
ストレージ装置内に、Tierプール平準化を実施中のTierプールが存在する
装置に最大数のボリュームが登録されている
ストレージ装置で、TPV平準化およびRAIDマイグレーションのセッション数を合わせて32件の処理を同時実行中である
ストレージ装置で、TPV平準化およびRAIDマイグレーションの移行容量を合わせて128TBの処理を同時実行中である
ストレージ装置で、RAIDグループ診断を実行中である
ストレージ装置で、ディスク診断を実行中である
対象Tierプールに存在するすべての平準化対象FTVで容量最適化中である
対象Tierプールに存在するすべての平準化対象FTVでODX実行中である
対象Tierプールに存在する平準化対象FTVが、削除中のRAIDグループを使用している
以下の場合は、Tierプール平準化の処理を停止できません。
Tierプール平準化を実施中のTierプールが存在しない
Tierプール平準化がエラー停止中のTierプールが存在しない
対象Tierプールに対するTierプール平準化処理が完了している
FTVの作成、削除、または構成変更を実施した場合、平準化レベルは更新されません。平準化レベルを最新にするには、ストレージ自動階層制御の状態更新を実行してください。
以下のどちらかの条件に当てはまるFTVは、平準化処理の対象外です。
FTVの容量が20GB以下
FTVの使用容量が10GB以下
アクセス状況チャートは、TierプールまたはFTVに発生しているアクセス状況データ(IOPS値)をグラフ化したものです。 アクセス状況チャートを参照し、IOPS値の傾向を確認することで、ストレージ自動階層制御の導入による性能向上やディスク利用の最適化を期待できるかを判断できます。
ストレージ自動階層制御を開始することで、1階層Tierプールの情報をDashboardのアクセス状況チャートパネルに表示できます。ストレージ自動階層制御の開始方法は、『Webコンソール説明書』の「Tierプールに対するストレージ自動階層制御の開始/停止」を参照してください。
1階層Tierプールの情報をアクセス状況チャートパネルに表示すると、1日の間に発生したIOPS値の平均値がグラフで表示されます。
1階層TierプールにおけるIOPS値の集計期間と評価基準を変更したい場合は、設定ファイルを修正してください。設定ファイルは、運用管理サーバの以下に格納されています。
運用管理サーバのOS種別 | 絶対パス名 |
---|---|
Windows | $ENV_DIR\AST\Manager\etc\opt\FJSVssast\data\astchart\astchart.properties |
Solaris、Linux | /etc/opt/FJSVssast/data/astchart/astchart.properties |
設定ファイルの反映方法
変更した内容は、次回のIOPS値の集計時(翌日2:00)に自動的に反映されます。
カスタマイズ
IOPS値の集計期間を、1~7の日単位で設定します。初期値には、1が設定されています。
指定範囲外の値を設定した場合は、初期値で動作します。
例: DAY_UNIT = 1
IOPS値の評価基準を、1(平均値)または2(ピーク値)で設定します。初期値には、1が設定されています。
指定範囲外の値を設定した場合は、初期値で動作します。
例: EVALUATE_VALUE = 1
IOPS値の評価期間を7日で設定している場合に、評価開始曜日を指定できます。
評価開始曜日に設定できるのは、"SUN"(日曜日)、"MON"(月曜日)、 "TUE"(火曜日)、"WED"(水曜日)、"THU"(木曜日)、"FRI"(金曜日)、"SAT"(土曜日)、または""(曜日指定無し)です。初期値には、""が設定されています。
上記以外の文字列を設定した場合は、初期値で動作します。
例: DAY_OF_WEEK = SUN
注意
本設定は、ETERNUS SF Managerが管理しているすべての1階層Tierプールで共通の設定です。このため、Tierプールごとに設定を変えることはできません。
1階層Tierプールを構成するRAIDグループを削除できます。
詳細は、『Storage Cruiser 運用ガイド Optimization機能編』の「RAIDグループの削除」を参照してください。