本製品では、装置から送られるSNMPトラップを受信、解読して装置の状態変化をイベントとして扱い、装置の障害を管理します。
イベントは、SNMPトラップの内容とユーザーの設定を基に作成されます。
作成されたイベントに対して以下のような処理を実行します。
ただし、以下のイベントではイベントログ表示だけで、その他の処理は実行されません。
装置共通トラップイベント(『イベント説明書』の「装置共通トラップに関する注意事項」の装置共通トラップ)
性能情報機能の再確保開始/再確保成功イベント(『イベント説明書』の「性能管理のトラップ」の性能情報の再確保開始、再確保成功)
ポーリング機能の異常時イベント(『イベント説明書』の「装置ポーリングイベント」のポーリング機能に異常があったとき)
参照
イベント表示・連携内容は、障害監視方法をカスタマイズすることで、SNMPトラップごとに変更可能です。障害監視方法のカスタマイズは、「A.5 SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照してください。
作成されたイベントをWebコンソールのイベントログおよびDashboardに表示します。イベントの表示内容は、以下のとおりです。
表示項目名 | 内容 |
---|---|
タイプ | 表示されたのイベントのレベルを表示します。 |
日付 | イベントが発生した年月日時間を表示します。 |
装置 | イベントが発生している装置名を表示します。 |
メッセージ | イベントIDとイベントの内容を表示します。 |
注意
装置から同じ内容のSNMPトラップを同時刻に複数受信した場合、イベントログには最初に受信したSNMPトラップだけを表示します。
作成されたイベントをSystemwalker Centric Managerに通知します。事前設定は、「12.1 Systemwalker Centric Managerとの連携」を参照してください。イベントの重要度レベルも同等に通知されます。
本製品は、シン・プロビジョニングプールの使用割合の遷移と容量の枯渇に関するイベントをInformationイベントでSystemwalker Centric Managerに通知します。ただし、Systemwalker Centric Managerのデフォルトの通知設定では、本製品が通知するInformationイベントがSystemwalker Centric Managerで表示されません。そのイベントをSystemwalker Centric Managerで表示する場合は、本製品の障害監視方法をカスタマイズして、本製品が通知するイベントをInformationイベントから変更してください。
注意
サーバノードエージェントのイベントはSystemwalker Centric Managerに通知されません(ただし、Shell/Bat連携は動作します)。Systemwalker Centric Managerのメッセージ監視機能で障害監視を実施してください。
作成されたイベントを以下のようなShell/Batファイルの呼び出しの引数に設定し、呼び出します。
マネージャーのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR\ESC\Manager\etc\opt\FJSVssmgr\current\trapop.bat 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
Solaris OS、 | /etc/opt/FJSVssmgr/current/trapop.sh 引数1 引数2 引数3 引数4 引数5 引数6 |
引数1には、障害内容が入ります。
引数2には、対象装置のIPアドレスが入ります。
引数3には、対象装置のサーバノード名(FQDN)が入ります(フルドメイン名が確保できない場合はIPアドレスが設定されます)。
引数4には、1970年1月1日0時0分0秒 GMTをゼロとする現在時刻までのミリ秒数が入ります。
引数5には、障害レベル(INFO、WARNING、ERROR)が入ります。
引数6には、対象装置の名前が入ります。
これらの Shell/Batファイルの中身を書き換えることで、障害内容のE-mail連携/他管理ソフトウェア連携(管理ソフトウェアへのコマンドを発行して、管理ソフトウェアが管理しているログファイルに情報を書き込む定義など)を実現できます。
サンプルのShell/Batファイルが以下にインストールされています。このサンプルをコピーして連携用のShell/Batファイルを作成してください。
マネージャーのOS種別 | ファイル名(絶対パス) |
---|---|
Windows | $ENV_DIR\ESC\Manager\opt\FJSVssmgr\lib\sample\trapop.bat |
Solaris OS、 | /opt/FJSVssmgr/lib/sample/trapop.sh |
Shell/Bat連携の機能を使用しない場合、Shell/Batファイルの作成は不要です。
以下に、イベント発生時にシステムログ/イベントログに出力するスクリプトとして作成した場合の例を示します。
@echo off EVENTCREATE /L SYSTEM /ID 999 /SO StorageCruiser /T ERROR /D "%4 %5 %3 %2 %~1"
#!/bin/sh logger -- "$4 StorageCruiser $5 $3 $2 $1"
注意
対象装置のIPアドレスは、システムログ/イベントログに出力されたイベントのメッセージ内の情報となります。
システムログ/イベントログへのイベント出力は、サーバノードエージェントと共存していないマネージャー環境で実施してください。マネージャーとサーバノードエージェントの共存環境の場合、メッセージが繰り返し出力される可能性があります。
Shell/Bat連携のtrapop.sh/trapop.batのほかに、任意の外部スクリプトを実行できます。スクリプトはSNMPトラップXML定義ファイルごとに2つまで定義できます。スクリプト呼び出しの引数はShell/Bat連携と同じです。
定義方法の詳細は、「A.5 SNMPトラップXML定義ファイル説明」を参照してください。
注意
外部スクリプト連携はSNMPトラップXML定義ファイルで定義します。したがって、XML定義ファイルが提供されていない装置では利用できません。
Shell/Bat連携や外部スクリプト連携でのシェルスクリプトやバッチファイルでは、処理結果や処理経過などを画面に出力しないでください(例えば、echoコマンドでメッセージを表示するような処理は行わないでください)。Windowsでは、必ず、先頭に"@echo off"を記述してください。
以下の形式で、作成されたイベントをメール通知します。
Subject: ETERNUS SF Event Mail From: $1 To: $2 Severity: $3 Date: $4 Device IP: $5 Device Name: $6 Message: $7 |
$1: 送信元のメールアドレス(事前に設定します)
$2: 送信先のメールアドレス(事前に設定します)
$3: 障害レベル(Information、Warning、Error)
$4: イベントが発生した日時
$5: 対象装置のIPアドレス
$6: 対象装置の名前
$7: 障害内容
WarningイベントおよびErrorイベントは、すべて通知されます。Informationイベントは、シン・プロビジョニングプールの使用割合の遷移と容量の枯渇が通知されます。そのほかのInformationイベントを通知させる場合は、障害監視方法をカスタマイズしてください。
ポイント
Systemwalker Centric Manager連携、Shell連携、外部スクリプト連携を行う場合は、本製品に登録している装置の名前を解決できるように、各装置のIPアドレスとホスト名の情報を、運用管理サーバが参照しているDNSサーバに登録するか、運用管理サーバ上の/etc/hostsファイルに定義してください。