ここでは、Cloud Edition利用時の運用イメージを以下に示します。
本製品を利用してインフラ運用基盤の構築、運用を実施する利用者は以下のとおりです。
利用者の役割については、「第4章 本製品の利用者の役割【Cloud Edition】」を参照してください。
部門 | 利用者 | 概要 |
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サービス利用部門 | テナント利用者 |
業務システムの構築、運用、保守を行う担当者です。 割り当てられた論理プラットフォーム(L-Platform)上で業務システムを構築します。 |
テナント管理者 |
論理プラットフォーム(L-Platform)の構築、運用、保守を行うサービス利用部門の責任者です。 本製品では、組織や業務形態に応じてリソースの管理・運用を分割する単位をテナントと呼びます。 テナント内のテナント利用者や論理プラットフォーム(L-Platform)を管理します。 |
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サービス提供部門 | インフラ管理者 |
インフラ全体の構築、運用、保守を行うサービス提供部門の責任者です。 サービス利用部門からの依頼に基づき、論理プラットフォーム(L-Platform)の払出しを行います。 |
システム運用管理者 |
システム全体の運用管理者です。 本製品のインストールや事前設定を行います。OSの管理者権限が必要です。通常は、インフラ管理者とシステム運用管理者を兼任します。 |
本製品が提供するサービスポータル(RORコンソール)を利用して、本製品の利用者が利用できる機能は、以下のとおりです。
機能 | 利用者 | 概要 | |
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論理プラットフォーム(L-Platform)の管理と作成 | 電源操作、スナップショット | テナント利用者 |
論理プラットフォーム(L-Platform)をリモートデスクトップまたはSSHにより利用できます。 論理プラットフォーム(L-Platform)の起動、停止などの電源操作ができます。また、論理プラットフォーム(L-Platform)のスナップショット採取およびリストアが操作できます。 |
構成変更 | インフラ管理者 |
インフラ管理者は、テナント利用者、テナント管理者から依頼された場合、論理プラットフォーム(L-Platform)のCPU、メモリ、ディスク容量などのサーバのスペックを変更できます。 利用する論理プラットフォーム(L-Platform)の負荷変動に合わせて、リソースを柔軟に増減できるため、リソースを有効に活用できます。 |
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ネットワーク設定自動化 | インフラ管理者 |
論理プラットフォーム(L-Platform)の作成、変更、削除を契機にネットワーク機器に対してルールや定義を自動設定できます。 ネットワーク設定を自動化することで、テナント利用者の作業負荷を軽減できます。 |
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論理プラットフォーム(L-Platform)作成 | テナント利用者 |
テンプレートに基づいて、物理サーバや仮想サーバが混在した論理プラットフォーム(L-Platform)を自動で配備できます。 構築作業の自動化により、設定ミスを防止し、論理プラットフォーム(L-Platform)を迅速に提供できます。 |
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利用申請 | テナント利用者 | テナント利用者は、論理プラットフォーム(L-Platform)を利用申請できます。 | |
承認・審査 |
テナント管理者 インフラ管理者 |
利用申請に対して、テナント管理者による承認、インフラ管理者による審査の2段階でチェックできます。 利用申請の妥当性を確認することで、リソースの適正利用を推進できます。 |
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リソースの稼動状況の可視化と課金管理 | 課金 | テナント管理者 |
テナントごとや論理プラットフォーム(L-Platform)ごとの利用料金を表示し、メールで通知できます。 リソースに対して適切な費用を割り当てられます。 |
リソースの稼動状況監視 |
テナント利用者 テナント管理者 |
テナント利用者は、割り当てられた論理プラットフォーム(L-Platform)の稼動状況を監視できます。 テナント管理者は、管理するテナントに所属する論理プラットフォーム(L-Platform)の稼動状況を一括して監視できます。 インフラ管理者は、リソースプールで管理されたすべてのリソースに対して、空き状況の確認やしきい値を監視できます。 |
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テンプレートによるプラットフォーム標準化 | L-Platformテンプレート作成・公開 |
テナント管理者 インフラ管理者 |
インフラ全体やテナントごとにL-Platformテンプレートと呼ばれるテンプレートを作成できます。 テンプレートを利用して、利用部門の論理プラットフォーム(L-Platform)を型決め(標準化)することで、運用の効率化を推進できます。 |
マルチテナント環境のリソース管理 | リソースプールの使用率監視 |
テナント管理者 インフラ管理者 |
テナント管理者は、管理するテナントに所属するリソースプールの空き状況(使用率)の確認やしきい値監視ができます。 インフラ管理者は、複数のテナント間で利用できるリソースプールの空き状況(使用率)の確認やしきい値監視ができます。 ICTリソースの利用状況をダッシュボードで簡単に把握できます。 また、論理プラットフォーム(L-Platform)の性能情報や構成情報の表示、リソースプールの需要予測、VMゲストの再配置シミュレーションができます。 |
リソースプール管理 | インフラ管理者 | ICTリソースをまとめて管理(リソースプール)できます。利用量の変化に応じて、ICTリソースを有効に活用できます。 | |
テナント管理 | インフラ管理者 |
リソースを分割して管理するためのテナントの作成、変更、削除ができます。 複数部門によるICTリソースの共通利用とセキュリティの確保を実現できます。 |
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システム管理 | ユーザー・ロール管理 |
テナント管理者 インフラ管理者 |
テナント管理者は、テナント利用者の追加、変更、削除ができます。 インフラ管理者は、利用者ごとに利用できる操作や、操作できるリソースを制限できます。 |
サーバ統合管理 | インフラ管理者 | 物理サーバや仮想サーバをサーバハードウェアの機種、OSの違いを意識することなく、同一画面で操作できます。 | |
システム状態監視、可視化 | インフラ管理者 | ブレードサーバの状態やネットワークの結線状態、消費電力を可視化し、システムの状態を監視できます。 | |
サーバハードウェア保守 | インフラ管理者 |
OS、ソフトウェアの導入、変更、削除時やパッチ適用時にシステムディスクの内容をバックアップし、ハードウェアトラブルやソフトウェアトラブルなどのサーバのトラブル発生時にリストアすることで、システムを迅速に復旧します。 サーバの運用、保守などで、VMゲストが元いた場所とは異なるVMホスト上に移動した際に、一度の操作で元のVMホストに戻すことができます。 また、サーバ故障が発生した場合、事前に定義した予備サーバに切り替えてシステムを再起動できます。 |
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ネットワークセキュリティ確保 | インフラ管理者 | 専用のファイアーウォール装置がなくても、テナント、論理プラットフォーム(L-Platform)および各セグメント単位にセキュリティを確保できます。 | |
災害からのシステム復旧 | インフラ管理者 | 運用サイトにあるディスクの内容を待機サイトに複製することで論理プラットフォーム(L-Platform)を迅速に復旧できます。 |
論理プラットフォーム(L-Platform)の運用フローは、以下のとおりです。
フェーズ | 作業内容 | 作業者 | 概要 |
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準備 | リソースプール登録 | インフラ管理者 | 管理対象のリソースをリソースプールに登録します。 |
テンプレート登録 | インフラ管理者 | テナント共通で利用できるテンプレートを本製品に登録します。 | |
テナント管理者 | テナント共通のテンプレートを流用し、テナント固有のテンプレートを登録します。 | ||
申請 | 論理プラットフォーム(L-Platform)作成 | テナント利用者 | 論理プラットフォーム(L-Platform)の作成を申請します。 |
承認(省略可) | テナント管理者 | テナント利用者からの利用申請に対して承認できます。本作業は省略できます。 | |
審査(省略可) | インフラ管理者 | テナント利用者からの利用申請に対して審査できます。本作業は省略できます。 | |
運用 | 完了通知受信 | テナント利用者 |
論理プラットフォーム(L-Platform)が作成されると、完了通知を受信します。 完了通知を受信後、論理プラットフォーム(L-Platform)を利用できます。 |
サーバ運用操作 | テナント利用者 |
論理プラットフォーム(L-Platform)をリモートデスクトップまたはSSHにより利用できます。 論理プラットフォーム(L-Platform)の起動、停止などの電源操作ができます。 また、論理プラットフォーム(L-Platform)のスナップショット採取およびリストアが操作できます。 |
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リソース稼動監視 | テナント利用者 | 利用している論理プラットフォーム(L-Platform)の稼動状況を監視できます。 | |
課金計算(監視) | テナント管理者 | テナントごとや論理プラットフォーム(L-Platform)ごとの利用料金を監視できます。 | |
リソース使用量監視 | インフラ管理者 | リソースの使用量を監視できます。 | |
課金計算(配賦) | インフラ管理者 |
インフラ管理者は、テナントごとの利用料金ファイルをメールで受け取ることができます。 利用料金ファイルをもとに各テナントに利用料金を請求することができます。 課金請求の担当者がインフラ管理者と異なる場合は、課金請求担当者に利用料金ファイルを送付することもできます。 |