「第8章 サーバ環境の決定と設定」の作業に加えて、以下の作業が必要です。
ホストOSのインストールと設定
L-ServerにVMホストを導入する場合、「導入ガイド CE」の「付録D 物理L-Serverに対するVMホストの導入」を参照してください。
ホストOS内の/etc/sysconfig/libvirt-guestsの設定
/etc/sysconfig/libvirt-guestsは、ハイパーバイザー停止時のゲストOSの自動停止設定を行うための定義ファイルです。
ゲストOSを起動した状態でハイパーバイザーを停止または再起動した場合、ハイパーバイザーは起動しているすべての仮想マシンをサスペンド状態にしたうえで停止または再起動します。
このため、ハイパーバイザーの起動または再起動後に、仮想マシンはサスペンド状態から復帰し、サスペンドした時点からの業務が再開されます。
このサスペンド時点からの業務が再開されることで、DBトランザクションで矛盾が発生するなどの問題が生じる可能性があります。このような問題を避けるために、仮想マシンを起動した状態でハイパーバイザーの停止または再起動をした場合に、同時にゲストOSも停止する設定を行う必要があります。
VMホストの/etc/sysconfig/libvirt-guestsを以下のように編集してください。
#ON_BOOT=startの行のコメントアウトを解除し、ON_BOOT=ignoreとしてください。
#ON_SHUTDOWN=suspendの行のコメントアウトを解除し、ON_SHUTDOWN=shutdownとしてください。
#SHUTDOWN_TIMEOUT=0の行のコメントアウトを解除し、SHUTDOWN_TIMEOUT=300としてください。
VMゲストに対して、VMホストからshutdownコマンドを送信してから電源offにするまでの時間を設定します。単位は秒です。
ホストOS内の/etc/sysconfig/libvirtdの設定
"LANG=C"という行を追記してください。
libvirtdを再起動させてください。
注意
libvirtパッケージについての確認とアップグレード
ホストOSにインストールするlibvirtパッケージが0.9.4-23.el6_2.4以降であるかを確認してください。
libvirtパッケージに、セキュリティ関連の非互換があります。
古いバージョンであればアップグレードしてください。
非互換の詳細は、以下を参照してください。
URL: https://access.redhat.com/knowledge/solutions/71283 |
VMホストにおいて、RHEL6.4以降を使用する場合、以下に示すパッケージが、以下のバージョン以降であるかを確認してください。古いバージョンであればアップグレードしてください。
augeas-0.9.0-4.el6.x86_64.rpm
libvirt-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
libvirt-client-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
libvirt-debuginfo-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
libvirt-devel-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
libvirt-lock-sanlock-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
libvirt-python-0.10.2-18.el6_4.5.x86_64.rpm
sanlock-2.6-2.el6.x86_64.rpm
sanlock-lib-2.6-2.el6.x86_64.rpm
libvirtの障害があります。詳細は、以下を参照してください。
URL: https://bugzilla.redhat.com/show_bug.cgi?id=953107 |
SSH接続の設定
本製品の管理サーバからVMホストに対し、管理LANを利用してSSH接続できるように設定してください。
VMホストのSSHの設定では、暗号化アルゴリズムに"3DES-CBC"が使用できるように設定してください。
本設定は、ダッシュボード(稼動状況)が情報収集するために必要です。
以下に設定方法を示します。(OSバンドルのOpenSSHの例)
/etc/ssh/sshd_configのCiphersに"3des-cbc"を追加します。
なお、Ciphersが存在しない、またはコメントアウトされている場合は、追加する必要はありません。
初期状態で"3DES-CBC"が許可されています。
以下のコマンドを実行しSSHデーモンを再起動します。
# /etc/rc2.d/S55sshd restart
L-Serverのマイグレーションのための前提条件
RHEL-KVM環境における仮想L-Serverのライブマイグレーションまたはコールドマイグレーションのための前提条件は、以下のとおりです。
移動先と移動元のVMホストで、以下の項目が同一であること
カーネルバージョン(マイナーバージョンを含みます)
この前提条件は、ライブマイグレーションを行う場合に必要です。
CPUアーキテクチャー(Intel64またはx86)
CPUモデル名
仮想L-Serverの使用するディスクが、移動先VMホストに接続されていること
仮想L-ServerのNICと接続する仮想ブリッジが、移動先VMホストに存在していること
L-Serverのライブマイグレーションのための設定
本製品のRHEL-KVM環境では、仮想L-ServerのライブマイグレーションでSSHを使用します。
マネージャーでL-Serverをライブマイグレーションする各ホスト間に、以下の設定が必要です。
/etc/hostsの設定
SSHを使用する場合の設定
「Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Administration Guide」の以下を参照し、設定してください。
Chapter 5. KVM live migration
Chapter 6. Remote management of guests
URL: http://docs.redhat.com/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Administration_Guide/index.html |
ただし、パスフレーズは設定しないでください。
具体的には、SSH鍵ペアを作成する際の"ssh-keygen -t rsa"コマンド実行時に、パスフレーズを入力しないでください。
パスフレーズの詳細は、以下を参照してください。
URL: https://access.redhat.com/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/Virtualization_Administration_Guide/chap-Virtualization_Administration_Guide-Remote_management_of_virtualized_guests.html |
Red Hat Enterprise Linuxのマニュアルが集約されている以下のURLからも参照できます。
URL: https://access.redhat.com/site/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/index.html |
ホストOSのスワップ領域の設定
ホストOSのスワップ領域の確保が不十分な場合、仮想L-Serverの起動に失敗する可能性があります。適切に設定してください。
詳細は、「Red Hat Enterprise Linux 6 Virtualization Administration Guide」の以下を参照してください。
Chapter 7. Overcommitting with KVM
7.1. Introduction
URL: |
また、スワップ領域の確保が難しい場合、ゲストOSのカーネルパラメーター(/proc/sys/vm/overcommit_memory)を設定することで、仮想L-Serverのメモリ領域不足による起動失敗を回避できます。
詳細は、「Red Hat Enterprise Linux 6 Performance Tuning Guide」の以下を参照してください。
Chapter 5. Memory
5.4. Capacity Tuning
URL: |
Red Hatが提供するDMマルチパス機能を使用する場合の設定
/etc/multipath.confにおいて、以下のように設定してください。
user_friendly_names属性を"yes"にする。
alias属性に何も指定しない。
そのほかの設定はデフォルトのままにする。
詳細については、以下のRedHatのドキュメントを参照してください。
URL: https://access.redhat.com/knowledge/docs/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/6/html/DM_Multipath/index.html |
Red Hat Enterprise Linuxのマニュアルが集約されている以下のURLからも参照できます。
URL: https://access.redhat.com/site/documentation/en-US/Red_Hat_Enterprise_Linux/index.html |