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ServerView Resource Orchestrator Cloud Edition V3.1.2 設計ガイド
FUJITSU Software

9.4.8 ネットワーク機器をリソースとして管理する場合

ネットワーク機器をリソースとして管理するための事前準備について説明します。

事前準備が必要になる条件

事前準備の内容

ネットワーク構成情報(XML定義)を作成する場合

(必須の準備作業)

ネットワーク構成情報(XML定義)の作成

ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用する場合

ネットワーク機器設定ファイル管理機能の定義設定

外部FTPサーバの登録

ネットワークデバイスのログイン情報の設定

ネットワーク機器設定ファイルの設定値を変更する場合

ネットワーク機器設定ファイル管理機能で利用される定義ファイルの設定値変更

ポートプロファイル設定機能を使用する場合

ポートプロファイル設定機能の定義ファイル作成

9.4.8.1 ネットワーク構成情報(XML定義)を作成する場合

インフラ管理者は、ネットワーク機器の管理者から入手したネットワーク機器の情報(管理IPアドレス、アカウント情報、結線情報など)を元に、ネットワーク機器をネットワークデバイスとして登録するためのネットワーク構成情報(XML定義)を作成します。

ットワーク機器の設置前にネットワークデバイスとして登録する場合

ネットワーク機器がネットワークデバイスとして登録されると、監視機能によって状態の監視が開始されます。そこで、不要な監視を行わせないために、Maintenanceタグに"true"を指定し登録します。
この指定によって保守モードが設定され、監視対象外になります。ネットワーク機器が設置され監視対象にする場合、保守モードを解除します。
Maintenanceタグの指定は、登録するネットワークデバイス単位(Netdeviceタグ単位)に指定できます。

数のネットワーク機器をネットワークデバイスとして一括して登録または変更する場合

ットワークデバイスへの自動設定を行う場合

9.3.3 管理対象のネットワーク機器への事前設定」で登録したアカウント情報をXML定義に記載してください。
XML定義に、正しいアカウント情報を指定していない場合、ネットワークデバイスへのログインに失敗し、ネットワークデバイスへの自動設定機能を利用できません。
そこで、事前にアカウント情報が正しいか確認したい場合、LoginInfoタグに"check=true"を指定することで、指定したアカウント情報を利用してネットワークデバイスへログイン処理を行い、ログインできるかを確認できます。

ただし、アカウント情報を登録していない(アカウント情報を使用する機能を利用しない)場合、LoginInfoタグの記載は必要ありません。

LoginInfoタグの指定は、登録するネットワークデバイス単位(Netdeviceタグ単位)に指定できます。

なお、protocolタグに"telnet"を指定した場合は、以下のすべての条件を満たしているネットワーク機器だけ、アカウント情報の確認ができます。

ベンダー名

機種名

プロンプトの種類

プロンプト文字

Fujitsu

SR-X
イーサネット・ファブリック (注1)

ログインプロンプト

Login:

パスワードプロンプト

Password:

コマンドプロンプト (注2)

任意の文字列#

任意の文字列>

IPCOM EX
IPCOM VX
IPCOM VA
NSアプライアンス

ログインプロンプト

login:

パスワードプロンプト

Password:

コマンドプロンプト (注2)

任意の文字列#

任意の文字列>

Cisco

Catalyst
ASA

ログインプロンプト

Username:

パスワードプロンプト

Password:

コマンドプロンプト (注2)

任意の文字列#

任意の文字列>

Nexus

ログインプロンプト

login:

パスワードプロンプト

Password:

コマンドプロンプト (注2)

任意の文字列#

任意の文字列>

Brocade

VDX

ログインプロンプト

Login:

パスワードプロンプト

Password:

コマンドプロンプト (注2)

任意の文字列#

任意の文字列>

F5 Networks

BIG-IP (注3)

ログインプロンプト
パスワードプロンプト
コマンドプロンプト

特に制約はありません。

注1) Fujitsu PRIMERGYコンバージドファブリックスイッチブレード(10Gbps 18/8+2)またはFujitsu CFX2000 seriesが対象となります。
注2) コマンドプロンプトでは、任意の文字列に続く"#"または">"までをプロンプト文字として扱います。
注3) BIG-IP LTMシリーズを機種名としては"BIG-IP"として扱います。

Web管理画面機能を提供しているネットワーク機器を登録する場合

システムで問題が発生した場合、ネットワーク機器が提供するWeb管理画面を起動し調査を行うことがあります。この際、ネットワーク機器のWeb管理画面は、別のWebブラウザからWeb管理画面を起動する必要がありました。そこで、ネットワークデバイス登録時にMgmtURLタグにネットワーク機器のWeb管理画面の起動用URLを指定することで、RORコンソールから簡単にネットワーク機器のWeb管理画面を起動できるようになります。

MgmtURLタグの指定は、登録するネットワークデバイス単位(Netdeviceタグ単位)に指定できます。

長構成のネットワーク機器をネットワークデバイスとして登録する場合

冗長構成で登録できるネットワークデバイスは、"ベンダー名"と"装置名"が同じネットワーク機器になります。"ベンダー名"と"装置名"が同じネットワーク機器の登録時に、Redundancy group_idタグに指定する"グループID"に冗長構成にする登録済みのネットワークデバイスと同じ値を指定することで、冗長構成として扱います。

なお、"ベンダー名"と"装置名"については、登録時に対象のネットワーク機器からMIB情報を収集し、登録済みのネットワークデバイスと"ベンダー名"と"装置名"が同じか確認します。

ットワークを可視化したい場合

以下の結線について、結線情報を登録することで結線関係を可視化することができます。

ネットワークの可視化については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「第11章 ネットワークビューア」を参照してください。

結線情報の指定方法については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.6.1 作成」を参照してください。

理L-Serverを配備する場合

物理L-Serverを配備する際にネットワークデバイスへの自動設定を行うために、ネットワークデバイスとラックマウント型サーバまたはタワー型サーバとの結線情報の登録が必要です。

結線情報の指定方法については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.6.1 作成」を参照してください。

L2スイッチを登録する場合

L2スイッチをネットワークデバイスとして登録する場合、Tenantタグは省略してください。

ポート機種以外のネットワーク機器を登録する場合

ネットワークデバイスのモデル定義に登録予定のネットワーク機器のモデルを追加し、モデル定義ファイルを更新してからネットワーク機器をネットワークデバイスとして登録してください。

ットワークデバイスとして登録するネットワーク機器の状態を定期監視する場合

ネットワークやネットワーク機器が一時的に高負荷状態になると、定期監視の通信に対する応答が遅れることがあります。この遅れがタイムアウト時間を超えた場合、定期監視の通信を再度行います。

このため、登録時に指定する監視間隔(Intervalタグ)やタイムアウト時間(Timeoutタグ)が短い場合、定期監視の再通信の回数が多くなる可能性があります。この結果、ネットワークおよびネットワーク機器の負荷を高める原因になりますので、省略値を採用することをお勧めします。

ーサネット・ファブリックスイッチ装置を登録する場合

IPCOM VXを登録する場合

IPCOM VAを登録する場合

参考

登録する台数によって必要な定義が異なります。

  • 1台のネットワーク機器を個別に登録する場合

    Netdeviceタグが先頭になります。

  • 複数のネットワーク機器を一括して登録する場合

    Netconfigタグを先頭に、Netdevicesタグの配下に各ネットワーク機器単位にNetdeviceタグ配下を定義します。
    一括して登録する場合、Linksタグ配下に結線情報を定義することもできます。

参照

  • ネットワーク構成情報(XML定義)については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.6 ネットワーク構成情報」を参照してください。

    本製品は、ネットワーク構成情報(XML定義)を簡単に作成するためのツールをFUJITSU Software ServerView Resource Orchestrator Webサイトで公開しています。このツールを利用することで、ネットワーク構成情報(XML定義)を簡単に作成できます。

  • rcxadm netconfigコマンドについては、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.7 rcxadm netconfig」を参照してください。

  • 保守モードの解除については、「操作ガイド インフラ管理者編 (リソース管理) CE」の「22.1 保守モードの切替え」を参照してください。

  • ネットワークデバイスのモデル定義については、「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「15.14 ネットワークデバイスのモデル定義」を参照してください。

9.4.8.2 ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用する場合

ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用するための事前準備について説明します。

参考

"Fujitsu PRIMERGYコンバージドファブリックスイッチブレード(10Gbps 18/8+2)"および"Fujitsu コンバージドファブリックスイッチ"から構成されるイーサネット・ファブリックの場合、ネットワーク機器設定ファイル管理機能は使用しません。当該装置の保守手順に従ってください。

ネットワーク機器設定ファイル管理機能の定義設定

ネットワーク機器設定ファイル管理機能を使用する場合、ネットワーク機器設定ファイル管理機能の定義ファイルで使用する機能や世代管理数などを設定する必要があります。

ネットワーク機器設定ファイル管理機能の定義方法は、「9.4.8.3 ネットワーク機器設定ファイルの設定値を変更する場合」を参照してください。

外部FTPサーバの登録

FTPサーバ機能をサポートしていないネットワークデバイス(SR-X series以外のサポート機種)について、ネットワーク機器設定用ファイルの管理を行う場合、以下のために使用するFTPサーバが必要です。

rcxadm netconfig importコマンドを使用して外部FTPサーバを登録します。

rcxadm netconfigコマンドについては「リファレンスガイド (コマンド/XML編) CE」の「3.7 rcxadm netconfig」を参照してください。

ポイント

Nexus 5000 seriesのネットワーク機器設定ファイルのバックアップおよびリストアを実施するために外部FTPサーバを登録する場合、事前に外部FTPサーバに対して以下の設定を行ってください。

  1. チェンジルートの設定を行います。

  2. アカウントのルートディレクトリ("/")をホームディレクトリに変更してください。

ネットワークデバイスのログイン情報の設定

ネットワークデバイスとして登録または変更する場合、ネットワーク構成情報(XML定義)に必要なログイン情報を登録します。

注意

本機能を使用する場合の留意点を説明します。

  • "IPCOM EX series"または"IPCOM VA series"を使用する場合

    • 本機能はネットワーク機器内に一時ファイルを作成します。
      ネットワーク機器内に以下のファイルを作成しないでください。

      • ror-running-config.cli

      • ror-startup-config.cli

      また、ネットワーク機器内にネットワーク機器コンフィグファイルを保存できるだけの空き容量を確保してください。

    • 認証情報を初期化せずにネットワーク機器設定用ファイルのリストアを行う場合

      事前にrcxadm netdevice cfexportコマンドでネットワーク機器環境ファイルをエクスポートで取り出し、手動にてIPCOM EXまたはIPCOM VAの設定を行ってください。
      手動での設定方法については、IPCOM EXまたはIPCOM VAのマニュアルを参照してください。

    • 本製品に登録済みのアカウント設定を追加、変更または削除した場合

      rcxadm netdevice cfbackupコマンドでネットワーク機器コンフィグファイルをバックアップしてください。
      バックアップを行わずにリストアを行った場合、アカウント情報の不一致などによってリストアに失敗することがあります。

    • 認証情報が自動更新される機能を使用している場合

      rcxadm netdevice cfrestoreコマンドでネットワーク機器環境ファイルのリストアを行うことで、認証情報がリストアした情報で初期化されることがあります。

      自動更新される機能には、以下のようなものがあります。

      • アカウントの認証タイプに"skey"を指定している場合

      • SSL-VPNクライアントまたはL2TP/IPsecクライアントからの認証を"ローカルデータベース運用"で行う場合

  • "BIG-IP Local Traffic Manager series"を使用する場合

    • ログイン情報に設定するユーザーには、ログイン直後にtmshで動作するユーザーの情報を指定してください。

    • 本機能はネットワーク機器内に一時ファイルを作成します。
      ネットワーク機器内に以下のファイルを作成しないでください。

      • /var/local/ucs/environment.ucs

      • /var/local/scf/config.scf

      また、ネットワーク機器内にネットワーク機器設定用ファイルを保存できるだけの空き容量を確保してください。

  • "Nexus 5000 series"を使用する場合

    • "Nexus 5000 series"に対してリストアを実施する場合、以下の手順で実施してください。

      • Nexus 2000 seriesと接続していない場合

        (1) リストア対象のNexusにログインし、管理IPアドレスおよびSNMPコミュニティ名を確認します。
        (2) write eraseコマンドなどでstartup-configの内容をクリアします。
        (3) リストア対象のNexusを再起動します。
        (4) 再起動後、再度リストア対象のNexusにログインします。
        (5) 管理IPアドレスおよびSNMPコミュニティ名を、(1)で確認した内容で設定します。
        (6) リストア対象のNexusからログアウト後、リストアを実行します。

      • Nexus 2000 seriesと接続している場合

        (1) リストア対象のNexusにログインし、管理IPアドレスおよびSNMPコミュニティ名を確認します。
        (2) write eraseコマンドなどでstartup-configの内容をクリアします。
        (3) リストア対象のNexusを再起動します。
        (4) 再起動後、再度リストア対象のNexusにログインします。
        (5) FEXの設定を実施します。
        (6) 管理IPアドレスおよびSNMPコミュニティ名を、(1)で確認した内容で設定します。
        (7) リストア対象のNexusからログアウト後、リストアを実行します。

  • "Cisco ASA 5500 series"を使用する場合

    冗長構成時の片系障害の場合、復旧時にリストアコマンド(rcxadm netdevice cfrestore)の実行は不要です。
    "Cisco ASA 5500 series"の機能により、運用系と同じ設定が自動的に反映されます。
    詳細は"Cisco ASA 5500 series"のマニュアルを参照してください。

  • "Catalyst series"を使用する場合

    本機能はネットワーク機器内に一時ファイルを作成します。
    ネットワーク機器内に以下のファイルを作成しないでください。

    • flash:ror-running-config

    また、ネットワーク機器内にネットワーク機器コンフィグファイルを保存できるだけの空き容量を確保してください。

9.4.8.3 ネットワーク機器設定ファイルの設定値を変更する場合

事前に以下の定義ファイルに値を設定することで、ネットワーク機器設定ファイル管理機能で利用される定義を変更できます。

定義ファイルの格納場所

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

定義ファイル名

unm_mon.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルは以下の形式で指定します。

パラメーター=指定値

パラメーター

ネットワーク機器設定ファイル管理について指定します。

パラメーター

説明および指定値

CONFIG_BACKUP

ネットワーク機器設定用ファイルのバックアップ機能の使用有無を指定します。

  • true

    ネットワーク機器設定用ファイルのバックアップ機能を使用します。

  • false

    ネットワーク機器設定用ファイルのバックアップ機能を使用しません。

省略時は、"true"が指定されます。

CONFIG_AUTO_MASTER

ネットワークデバイスのリソース登録時にマスターコンフィグファイルの採取有無を指定します。

  • true

    マスターコンフィグファイルを採取します。

  • false

    マスターコンフィグファイルを採取しません。

省略時は、"false"が指定されます。

CONFIG_AUTO_BACKUP

ネットワークデバイスへ自動設定が行われた場合にネットワーク機器コンフィグファイルのバックアップの実施有無を指定します。

  • true

    ネットワーク機器コンフィグファイルのバックアップを実施します。

  • false

    ネットワーク機器コンフィグファイルのバックアップを実施しません。

省略時は、"false"が指定されます。

CONFIG_RETRY_COUNT

ネットワーク機器設定用ファイルのバックアップ実施時のネットワークデバイスへの接続リトライ回数を0~10までの整数で指定します。

省略時は、"3"が指定されます。

CONFIG_TIMEOUT

ネットワーク機器設定用ファイルのバックアップ実施時のネットワークデバイスへの接続タイムアウト時間(秒)を10~60までの整数で指定します。

省略時は、"30"が指定されます。

CONFIG_NOTIFY_COMMAND

rcxadm netdevice cfbackupコマンドを実行したときに、実行結果として"バックアップした"または"前回と差分がなかったためにバックアップしなかった"を通知するメッセージの出力有無を指定します。

  • true

    メッセージを出力します。

  • false

    メッセージを出力しません。

省略時は、"false"が指定されます。

CONFIG_NOTIFY_AUTO

ネットワークデバイスへ自動設定が行われた場合にバックアップしたネットワーク機器コンフィグファイルの内容の変更有無を通知するメッセージの出力有無を指定します。

  • true

    メッセージを出力します。

  • false

    メッセージを出力しません。

省略時は、"false"が指定されます。

CONFIG_BACKUP=true
CONFIG_AUTO_MASTER=true
CONFIG_AUTO_BACKUP=true
CONFIG_RETRY_COUNT=3
CONFIG_TIMEOUT=30
CONFIG_NOTIFY_COMMAND=true
CONFIG_NOTIFY_AUTO=false

9.4.8.4 ポートプロファイル設定機能を使用する場合

イーサネット・ファブリック装置("Fujitsu PRIMERGYコンバージドファブリックスイッチブレード(10Gbps 18/8+2)"または"Fujitsu コンバージドファブリックスイッチ")において手動で設定したポートプロファイルを、本製品のポートプロファイル設定機能で使用する場合、以下のファイルを定義してください。

定義ファイルの格納場所

【Windowsマネージャー】
インストールフォルダー\SVROR\Manager\etc\customize_data

【Linuxマネージャー】
/etc/opt/FJSVrcvmr/customize_data

定義ファイル名

cfabric_portprofile_networkresource.rcxprop

定義ファイルの形式

定義ファイルは以下の形式で指定します。

"ネットワークリソース名"=ポートプロファイルID

ネットワークリソース名

ポートプロファイルを使用するネットワークリソース名を以下の形式で指定します。

/フォルダー名またはテナント名/プール名/ネットワークリソース名

ポートプロファイルID

当該装置において手動により設定したポートプロファイルIDを指定します。

"/TenantA/FolderA/NetworkPool/network1"=123