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Interstage Navigator ServerV9.5.0 セットアップガイド Vol.1(Enterprise Edition用)
FUJITSU Software

11.4.2 ODBCドライバ共通の環境設定

データソース名の登録・公開

NavigatorでODBCインタフェースを利用する場合、あらかじめ各ドライバの規定する方法に従ってデータソースを作成し、Navigatorに登録する必要があります。以下にその手順と注意点について説明します。

データソース名の作成

WindowsサーバではODBC Administratorでシステムデータソース(System DSN)を作成し、その名前をNavigatorに登録します。

UNIXの場合はドライバによってデータソースの意味や作成方法が異なります。詳細は本章後述の、各ドライバの環境設定を参照してください。

データソースの作成時には、特に以下の点に注意してください。

環境設定ファイルの設定

Navigatorサーバの環境設定ファイルに以下の環境変数を設定してください。

環境設定

環境変数

設定内容

RN_DBMS_KIND

使用するデータベースの種別を指定します。

  • ODBC

機密保護の設定

ODBCドライバを利用する場合の機密保護の設定は、データソース側の機能で行います。NavigatorでODBCドライバによる問い合わせを行うには、各問い合わせユーザがデータソース上のテーブルに対し、SQLのSELECT文を実行できるようにセットアップします。

一般的なデータソースでユーザにSELECT文を実行させるには、公開するテーブルごとに参照(SELECT文実行)権を与える必要があります。データソースの仕様によっては、テーブルの問い合わせを行うためにデータソースへの接続権などの権限が必要となる場合があります。そのため、ODBCドライバ、およびデータソースのマニュアルで確認してください。

なお、ODBCドライバの仕様によっては、Navigator辞書管理ツールでテーブルの追加や整合性検査時に表示されるテーブル、項目一覧に、Navigator辞書管理ツールを実行するユーザにテーブルデータの参照権が与えられていないものが表示される場合があります。

データソースのNavigatorへの登録

先に説明した手順で作成したデータソースの名前を、Navigator辞書管理ツールの[データソースの追加]画面上で指定し、Navigatorに登録します。

また、ここでは、Navigatorからのデータソースへの接続時にログイン名、パスワードを指定するか、しないかを選択します。これは使用するODBCドライバの接続時の仕様にあわせる必要があります。詳細は本章後述の、各ドライバの環境設定の説明を参照してくださ

い。

データソースへの接続

データソースの登録が完了するとNavigator辞書管理ツールのツリービューにそのデータソース名が表示されます。利用するODBCドライバの仕様によっては、自動的にデータソースに接続される場合と、手動で接続する必要がある場合があります。詳細は本章後述の、各ドライバの環境設定の説明を参照してください。

データソースの登録後の注意

登録したデータソースの削除をNavigator辞書管理ツール上で行う場合、あらかじめ、その配下のすべての公開済みスキーマ情報をNavigator辞書管理ツール上で削除した上で、データソースの削除を行う必要があります。

接続文字列を使用するデータソースの登録

接続文字列は、接続を格納するための情報を格納した文字列であり、その構文には各ドライバにより規定されています。Navigatorからの初期値の接続では不都合がある場合(例えば初期値の環境設定しか使用できないなど)、接続文字列に指定可能な設定であればこの接続を使用することで解決できます。

ODBCドライバが接続文字列による接続をサポートしている場合、Navigatorの接続文字列指定機能を利用して、接続文字列によるデータソースへの接続を行うことができます。

接続文字列はODBCSPECファイルに指定します。ODBCSPECファイルの指定方法については、“ODBCSPECファイルの設定”を参照してください。

ただし、接続文字列にはユーザID(UID=)、パスワード(PWD=)を除く、接続に最低限必要な情報をすべて指定してください。接続文字列に指定する情報については各ドライバのマニュアル、ヘルプを参照してください。

ユーザID(UID=)、パスワード(PWD=)については、直接ODBCSPECファイル内の接続文字列に指定することもできます。また、接続文字列には含めず、データソースへの接続時に[接続]画面に指定するように設定することも可能です。

接続文字列をNavigatorへ登録する手順を以下に説明します。

  1. 接続文字列を示す任意の名前を決めます。この名前がNavigator上でのデータソース名となります。
    なお、接続文字列の名前は、“データソース名の登録・公開”で説明しているデータソース名の制限に従ってください。

  2. 1)で決定した名前をデータソース名として、ODBCSPECファイルに接続文字列を指定してください。

  3. 2)で指定したデータソース名と同じ名前を、Navigator辞書管理ツールの[データソースの追加]画面で指定し、Navigatorに登録します。ここで、データソースへの接続時にユーザID、パスワードを指定したい場合、対応する認証方法を選択します。

ODBCSPECファイルの設定

Navigator のODBCSPECファイルは、Navigatorに各データソースの固有仕様を指定するテキスト形式のファイルです。

以下の場合に指定します。

ODBCSPECファイルの作成方法

ODBCSPECファイルは、テキストファイルエディタを使用して作成します。ファイル名は任意です。

1つのデータソースについての情報は、以下のように指定します。

データソース名行
情報行
情報行(1つのデータソースについて複数情報を指定する場合)

データソース名行の指定

データソース名行は以下のように指定します。

<データソース名>

情報行の指定

情報行は、そのデータソースに指定する情報をデータソース名行の下に記述します。

指定形式は以下のとおりです。

接続文字列により接続する場合

CONNECTSTR=接続文字列

  • "CONNECTSTR="はキーワードです。間に空白類を含むことはできません。

  • 接続文字列には、ODBCドライバが規定する接続文字列を指定します。

  • "CONNECTSTR="キーワード、接続文字列を含め、本指定はすべて1行に記述してください。1つの指定の途中で改行することはできません。

  • 接続文字列に指定可能な文字列の最大長は1023バイトです。

スキーマ、テーブル情報一覧の動作モードを変更する場合

LISTMODE=LIMITED

  • "LISTMODE=LIMITED"はキーワードです。間に空白類、および改行を含むことはできません。

IN条件の分割数を変更する場合

INMAX=分割数

  • 分割数の初期値は250000です。

  • 対象のデータソースに対し発行するSELECT文のIN条件の分割数を1~2147483647の範囲で指定します。

  • IN条件の分割数はご利用の問い合わせで発行されるSELECT文を確認し適宜設定してください。SELECT文はDBアクセスログで確認することができます。

例)データソースDatasource1について接続文字列による接続を行う場合の指定

<Datasource1>
CONNECTSTR=DSN=Data1;UID=AAA

例)データソースDatasource2について一覧取得方法の変更を行う場合の指定

<Datasource2>
LISTMODE=LIMITED

1つのファイルに複数のデータソースの情報を指定

1つのファイルに複数のデータソースの情報を指定できます。その場合、1つのデータソース情報の下に続けて他のデータソースの情報を記述します。

例)Datasource1に接続文字列の指定、Datasource2に一覧取得方法変更、Datasource3に両方を指定する場合のファイルは以下のように記述します。

<Datasource1>
CONNECTSTR=DSN=Data1;UID=AAA
<Datasource2>
LISTMODE=LIMITED
<Datasource3>
CONNECTSTR=DSN=Data3;UID=BBB
LISTMODE=LIMITED
<Datasource4>
INMAX=16

留意事項

ODBCSPECファイルを有効にする

ODBCSPECファイルを有効にするためには、Navigatorサーバの環境設定ファイルに以下の環境変数を設定します。

環境変数

設定内容

RN_ODBC_SPECFILE

ODBCSPECファイルを使用する場合に、そのファイル名を絶対パスで指定します。

ODBCSPECファイルはデータソースへの接続時に読み込まれます。データソースへの接続中にODBCSPECファイルを編集した場合、再接続を行う必要があります。