辞書出口モジュールは、Navigator辞書の情報を独自に作成し、その情報をNavigatorの規定するインタフェースに従って返却するライブラリモジュールです。Navigatorは、辞書出口モジュールの利用を指示されると、一部の辞書情報を辞書テーブルから読み込むかわりに、辞書出口モジュールから受け取ることで解決します。この仕組みによって、外部のシステムで全社的に統合管理しているアクセス制御情報などの管理情報を、Navigator辞書を更新することなく、Navigatorに反映させることができます。
辞書出口モジュールが受け渡し可能な辞書情報
辞書出口モジュールが、Navigatorに受け渡すことが可能な辞書情報は、以下のとおりです。
資源の公開/非公開情報
Navigator辞書に登録されているスキーマ、テーブル、項目について、特定のログインユーザの参照を許可する、または許可しないことを示す情報です。この情報によって、利用者が利用できるスキーマ、テーブル、項目をユーザ独自のルールによって決定することができます。
ユーザごとの公開/非公開情報の設定の概要
ユーザが、Navigatorにログインした後、Navigatorは、ユーザが作成した辞書出口モジュールにログインユーザ情報を渡して、そのログインユーザに対する公開/非公開情報を受け取ります。受け取った公開/非公開情報は、ユーザがNavigatorからログアウトするまで有効です。
辞書出口モジュールによって、Navigatorに渡すことができる公開/非公開情報は以下のとおりです。
辞書出口モジュールは、ログインしているユーザの参照可能な資源一覧をNavigatorに渡します。ユーザは、Navigator辞書管理ツールなどから辞書に登録された資源のうち、公開情報として渡された資源だけを使用することができます。
辞書出口モジュールは、ログインしているユーザに対して参照を許可しない資源一覧(非公開情報)をNavigatorに渡します。ユーザは、Navigator辞書管理ツールから辞書に登録された資源のうち、辞書出口モジュールから渡された非公開情報に含まれない資源だけを使用することができます。
注意事項
Navigator Serverにおける、辞書出口モジュールからの公開/非公開情報の取得は、Navigatorへのログイン直後に行われます。取得した情報の有効期間は、Navigatorからログアウトするまでになります。したがって、あるユーザがNavigator Serverにログイン中に、そのユーザについて辞書出口モジュールが渡す公開/非公開情報を変更しても、変更の効果はありません。ログアウトするまでは、ログイン時に取得した変更前の公開/非公開情報で動作します。
Navigator Serverにおいて、辞書出口モジュールによる公開/非公開情報の設定を指定している場合、すでにNavigator辞書管理ツールや辞書ユーティリティコマンドなどによってNavigator辞書に登録されている非公開情報は無視され、辞書出口モジュールの返却情報だけに従って公開/非公開が決定されます。
(なお、この場合でもNavigator辞書管理ツール、または辞書コマンドrn_dicmgrからの公開/非公開情報の参照、更新、および削除処理は辞書テーブルの非公開情報に対して実行可能です。これらの操作はNavigator辞書内の公開/非公開情報に対して行われますが、辞書出口モジュールを使用している間は、このNavigator辞書の公開/非公開情報は使用されることはありません。ただし、辞書出口モジュールを使用中のサーバに対して、Navigator辞書管理ツールから参照専用モードで接続した場合に限り、辞書出口モジュールが返却する非公開資源の情報が表示されます。辞書出口モジュールを使用するサーバにおいて、Navigator辞書に登録されている公開/非公開情報を確認する場合、参照専用モードで接続しないよう注意してください。)
Navigator Serverにおいて、辞書出口モジュールによる公開/非公開情報の設定を運用していた環境で辞書出口モジュールの運用を止めた場合、すでにNavigator辞書管理ツールや辞書ユーティリティコマンドなどによって、Navigator辞書テーブルに設定されている非公開情報が有効となります。
辞書出口モジュールから渡す公開/非公開情報は、公開情報と非公開情報のどちらか一方だけを渡すことができます。両方同時に渡すことはできません。
エキスパート向け分析機能を使用して作成した個人のテーブルは、常に公開状態となります。個人のテーブルについての公開/非公開情報を辞書出口モジュールからNavigator Serverに渡した場合、その情報は無視されます。