サンプル業務アプリケーションでは、注文受付から予算管理業務、在庫管理業務、発注処理業務および発送業務までの一連の処理を行う業務モデルを想定しています。
業務モデルにおいて、注文受付など個別の処理を行うアプリケーションは、アプリケーション連携実行基盤を使用して、注文受付業務から発送業務までの処理を行う一連のアプリケーションです。
Webブラウザから品物、個数および発送先を指定して注文を行うと、それぞれの業務アプリケーションを経由して発送処理を行います。
このサンプル業務アプリケーションでは、以下のような社内の業務処理の流れを想定しています。
■予算管理
部門の予算管理者は、予算管理アプリケーションで予算の残金を管理します。(予算管理アプリケーション)
■在庫管理
商品の在庫は社内で集中的に管理しています。在庫管理者は、在庫管理アプリケーションで在庫を管理します。(在庫管理アプリケーション)
■注文受付
注文を発注し、発送までの流れを行うアプリケーション連携を以下のとおり実行します。フロー定義では、“注文受付フロー定義”として定義します。
購入者が商品を買うごとに、予算管理アプリケーションからその金額を減らします。(予算管理アプリケーション)
注文が行われた際、商品の在庫がある場合には在庫の中から購入者へ商品の発送依頼を行います。(在庫管理アプリケーション)
商品の在庫がない場合には発注処理を行い、購入者へ商品の発送依頼を行います。(発注処理アプリケーション)
注文後、購入者は発送アプリケーションにアクセスして、発送待ちの商品を確認できます。(発送アプリケーション)
なお、本機能は、Interstage Business Application Server Enterprise Editionで提供する、非同期アプリケーション連携実行基盤で実現しています。
■注文キャンセル
購入者は、確認画面から発送待ちの商品のキャンセルを行うことができます。注文をキャンセルした場合は、注文の分だけ在庫管理アプリケーションと予算管理アプリケーションから商品の個数と金額を元に戻します。このアプリケーション連携を、フロー定義では、“注文キャンセルフロー定義”として定義します。
なお、本機能は、Interstage Business Application Server Enterprise Editionで提供する、非同期アプリケーション連携実行基盤で実現しています。
■エラー処理
予算管理業務において予算不足エラーが発生した場合、エラーメッセージ退避キューへメッセージが退避されます。ユーザ定義型業務データ編集サンプルを使用して、退避されたメッセージに格納される業務データを編集し業務を再開することができます。
また、異常が発生したメッセージに格納される業務データの修正方法を以下に示します。
業務データのデータ型がユーザ定義型クラス以外の場合
異常が発生したメッセージをメッセージファイルに変換して、業務データを修正します。
修正方法の詳細については、“Interstage Business Application Server 運用ガイド(アプリケーション連携実行基盤編)”の“異常処理出口を使用したメッセージの復旧”の“メッセージの修正”を参照してください。
業務データのデータ型がユーザ定義型クラスの場合
異常が発生したメッセージに格納される業務データを、アプリケーションで編集します。編集用アプリケーションのサンプルは、サンプル資材として提供されています。詳細は、“A.6 ユーザ定義型業務データ編集サンプル”を参照してください。
なお、本機能は、Interstage Business Application Server Enterprise Editionで提供する、非同期アプリケーション連携実行基盤で実現しています。