業務共通制御とは、同期アプリケーション連携実行基盤の提供する振分け制御、トランザクション制御、リトライ制御といった実行制御をカスタマイズするための制御ロジックです。業務共通制御を開発することにより、制御ロジックと業務ロジックを分離して、業務ロジックの独立性を高めることが可能となります。
ユーザがC言語で作成した業務共通制御を、アプリケーション連携実行基盤で動作させるためには、業務共通制御とアプリケーション連携実行基盤をつなぐためのインタフェースが必要になります。これを、業務共通制御実行基盤インタフェースといいます。以下に、位置付けを示します。
業務共通制御実行基盤インタフェースは、アプリケーション連携実行基盤から受け取った制御データを、業務共通制御で使用できるデータ形式に変換します。また、業務共通制御から返された制御データを、アプリケーション連携実行基盤で扱う形式に変換して返します。
業務共通制御実行基盤インタフェースは、業務共通制御実行基盤インタフェース生成ツールで作成することができます。
業務共通制御実行基盤インタフェース生成ツールでは、業務共通制御のインタフェースを定義したIDLファイル、および付加情報を定義した業務共通制御情報入力ファイルを入力として、以下の情報を生成します。
業務共通制御実行基盤インタフェース
業務共通制御アプリケーションインタフェース定義ファイル
制御アプリケーション定義ファイル
C言語で作成した制御ロジックと、ツールで生成された業務共通制御実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、業務共通制御(ライブラリ)を作成します。このライブラリと、ツールで生成された業務共通制御アプリケーションインタフェース定義ファイル、および制御アプリケーション定義ファイルをアプリケーション連携実行基盤に配備することで、アプリケーション連携実行基盤から制御ロジックを実装したサーバアプリケーションを実行できるようになります。
以下に、業務共通制御実行基盤インタフェース生成ツールの機能概要を示します。
業務共通制御IDLファイル
業務共通制御のインタフェースを、IDLで記述したファイルです。1つのアプリケーション連携実行基盤に対して1ファイル作成してください。詳細は、“16.4.1 業務共通制御IDLファイルの作成・修正”を参照してください。
業務共通制御情報入力ファイル
業務共通制御の付加情報を定義した、XML形式のファイルです。1つのアプリケーション連携実行基盤に対して1ファイル作成してください。詳細は、“16.4.2 業務共通制御情報入力ファイルの作成・修正”を参照してください。
業務共通制御
サーバアプリケーションの制御ロジックを記述したソースファイルです。
業務共通制御実行基盤インタフェース
アプリケーション連携実行基盤と業務共通制御をつなぐためのインタフェースです。詳細は、“15.4.3 業務処理の作成・修正”を参照してください。
業務共通制御アプリケーションインタフェース定義ファイル
業務共通制御のインタフェース情報を定義した、XML形式のファイルです。
制御アプリケーション定義ファイル
業務共通制御に対応する関数名を定義した、XML形式のファイルです。
業務共通制御(ライブラリ)
制御ロジックと、ツールで生成された業務共通制御実行基盤インタフェースをコンパイルおよびリンクして、業務共通制御(ライブラリ)を作成します。
注意
図はサーバがSolarisおよびLinuxの場合の例です。
サーバがWindowsの場合、業務共通制御実行基盤インタフェース生成ツールとして、“apfwgenctrlw”を使用します。
■業務共通制御の資産の分類
業務共通制御の資産の分類を以下に示します。
開発資産とは、アプリケーションの開発に必要な資産です。バージョン管理対象、および開発環境のバックアップ対象となります。
運用資産とは、アプリケーションの実行に必要な資産です。運用環境のバックアップ対象となります。
資産名 | 開発資産 | 運用資産 |
---|---|---|
業務共通制御IDLファイル | ○ | - |
業務共通制御情報入力ファイル | ○ | - |
業務共通制御実行基盤インタフェースソースファイル | ○(注1) | - |
ユーザ作成ソースファイル | ○ | - |
業務共通制御アプリケーションインタフェース定義ファイル | - | ○(注1) |
制御アプリケーション定義ファイル | - | ○(注1) |
業務共通制御ライブラリ | - | ○ |
○:対象資産であることを示します。 -:対象資産ではありません。
注1)業務共通制御実行基盤インタフェース生成ツールによって生成されます。