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Interstage Charset Manager Standard Edition V9 使用手引書 日本語資源管理編
FUJITSU Software

I.4.4 入力機能向け運用住所辞書生成コマンド

Charset-入力アシスト用の運用住所辞書を生成する機能について説明します。

コマンドは以下に格納されています。コマンドの実行時には、フルパスで指定してください。

Charset Managerインストールディレクトリ\JPMAN

コマンド

F5ATWADR.EXE

呼出し形式

F5ATWADR.EXE /DIR "運用住所辞書の出力先"
            { [/A [/C {SJIS|JEF|SJIS_JEF}]] |
              [/P /F "ファイル名"] }
            [/L "ログ出力先"]
            [/SD] [/REP]

パラメタの説明

コマンドに指定するパラメタの詳細について説明します。

/DIR "運用住所辞書の出力先"

生成した運用住所辞書を格納するフォルダを指定します。

指定されたフォルダには、次のファイルが生成されます。

POST7.DIC: 運用住所辞書

DFCopy2.ini: Charset-入力アシスト運用管理情報

Autorun.inf: CD用のオートラン情報

Autorun.bat: 配付資源の反映用バッチファイル

指定されたフォルダに、"POST7.DIC"または"DFCopy2.ini"のファイルが既に存在する場合は、上書きされます。また、辞書の作成に失敗した場合には、ファイルが削除されます。

"Autorun.inf"と"Autorun.bat"のファイルは上書きされません。このため“I.4.2 Charset-住所辞書オプションの連携手順”の注意にあるように、Charset-入力アシストのインストール先を変更している際、"Autorun.bat"を既に書き換えている場合に情報は保持されます。

[/A [/C {SJIS|JEF|SJIS_JEF}]]

Charset-住所辞書オプションを元に、運用住所辞書を生成します。

"/C"には、次の表を参考にして生成する運用住所辞書の種類を指定してください。

Charset-入力アシストの運用

"/C"の指定

Charset-住所辞書オプションの使用される辞書

JEFモード

SJIS

シフトJIS (*1)

JEF

Unicode-JEF

JEFモード以外

SJIS

シフトJIS

JEFモードとそれ以外のクライアントが混在する場合

SJIS_JEF

シフトJIS と Unicode-JEF

(*1) シフトJISの辞書を使用すると、JEF固有の文字を使用した辞書は生成されません。JEF固有文字を含む正しい地名の辞書を生成したい場合は"JEF"を指定してください。

"/C"の指定によって、Charset-住所辞書オプションの使用される辞書が異なります。使用される辞書を、Charset Manager-Mと同じPCに予めインストールしておく必要があります。

"/C"を省略した場合は、Charset-住所辞書オプションのインストールした辞書の種類に従って生成されます。

"/C SJIS_JEF"が指定された場合には、"/DIR"の指定フォルダの中に、次のフォルダが作成されて、各フォルダ内に辞書や他のファイルが生成されます。

運用住所辞書の種類

作成されるフォルダ名

SJIS版

SJIS

JEF版

Unicode-JEF

"/A"も"/P"も共に省略した場合は、Charset-住所辞書オプションがインストールされていれば、"/A"が指定されたと見なされ、Charset-住所辞書オプションがインストールされてなければ"/P"が指定されたと見なされます。

[/P /F "ファイル名"]

日本郵政グループのホームページで公開されている、「郵便番号等のダウンロード」のファイルを元に、運用住所辞書を生成します。対象とするデータは「読み仮名データの促音・拗音を小書きで表記するもの」です。促音・拗音を小書きで表記しないデータからは、辞書を生成できません。

"/F ファイル名"に、「住所の郵便番号のダウンロード」からダウンロードして展開したファイル("KEN_ALL.CSV"や"01HOKKAI.CSV"など)のパスを指定してください。

事業所データも使用する場合は、「事業所の個別郵便番号のダウンロード」からダウンロードして、住所データと同じフォルダに展開し、ファイル名を"JIGYOSYO.CSV"にしてください。

"ファイル名"を省略した場合は、Web入力用の「基本住所辞書テンプレートの更新」で指定されたデータが使用されます。

[/L "ログ出力先"]

エラーが発生した場合に、ログを出力するフォルダを指定します。

省略した場合は、ログは出力されません。

出力されるファイル名は、"wadr_ime.log"です。ファイルが既に存在する場合は、ログの内容が追加されます。なお、正常終了した場合でも、既に存在するファイルは削除されません。

[/SD]

郵便番号データやCharset-住所辞書オプションは、市郡と区町村の間に区切りが入っておりません。辞書を作成する際には、市郡と区町村を分割してあげる必要がありますが、区切りが無いため自動的に分割することができない場合があります。このような場合に、"/SD"パラメタが必要になります。

住所データの市区郡と市区町村名を分割できない場合に、分割指定ダイアログを表示するか否かを指定します。

指定すると、分割できない地名が検出された場合にダイアログが逐次表示されますので、分割位置を指定します。表示されるダイアログは図I.2 運用住所辞書生成(地名の分割位置指定)の通りです。

[/REP]

出力先フォルダに同一名のファイルが存在する場合に、上書きするか否かを指定します。指定すると、上書きされます。

図I.2 運用住所辞書生成(地名の分割位置指定)

『指定項目』

表記

表記に"/"(半角)を入力し、区切り位置を指定します。市のみであり区がない場合には分割が必要ないので、データの末端に"/"を入力します。

東京都の内、伊豆諸島の場合のみ町名のみを残し、データの先頭に"/"を入力します。

例) 表示されるデータ: 大島大島町
指定するデータ: /大島町

読み

読みは、半角カタカナで指定します。

読みに"/"(半角)を入力し、区切り位置を指定します。市のみであり区がない場合には分割が必要ないので、データの末端に"/"を入力します。

東京都の内、伊豆諸島の場合のみ町名のみを残し、データの先頭に"/"を入力します。

例) 表示されるデータ: オオシマオオシママチ
指定するデータ: /オオシママチ

分割位置の指定を打ち切る

分割位置の指定を打ち切って、今後このダイアログを表示しないようにします。

コマンドパラメタにログ出力が指定している場合、今後分割位置の指定が必要な地名が現れた場合には、ログが出力されます。

辞書を作成するためには、コマンドを再度実行する必要があります。

[OK]ボタン

区切り位置の設定を行います。

コマンドパラメタにログ出力が指定されており、このパラメタを省略した場合は、分割できない地名がエラーとしてログに出力されます。エラー出力された場合は、"/SD"パラメタを指定して再度実行するか、生成する辞書の種類に従って次のファイルに分割の情報を追加してください。

日本郵政グループの郵便番号データを使用する場合

管理ディレクトリ\JPRES\MAN\WCVT_DATA\adjust_kihon.txt

Charset-住所辞書オプションを使用する場合

管理ディレクトリ\JPRES\MAN\WCVT_DATA\adjust_kuin.txt

注意

  • Charset-住所辞書オプションと日本郵政グループの郵便番号データを元に、2つの運用住所辞書を同時に生成することはできません。

  • 日本郵政グループの郵便番号ダウンロードのデータについては、日本郵政グループのホームページで公開されるデータのファイル形式が変更された場合は、そのまま利用することができなくなります。利用可能なファイル形式については、“I.4.5 日本郵政グループの郵便番号データ形式”を参照してください。

  • 郵便番号データを元に辞書作成する際に、事業所データ"JIGYOSYO.CSV"の内容が正しくない場合、住所データが正しければ事業所データを除いた辞書が作成されます。エラーは表示されませんのでご注意ください。

  • リモート運用で利用する場合、本コマンドは同時に複数起動することはできません。
    また運用住所辞書の出力先の指定に関しては、他のユーザと重複しないように指定してください。

  • ユーザーアカウント制御が有効な環境では、管理者権限で実行する必要があります。

バッチファイルの記述例を以下に示します。

バッチファイルの記述例

"C:\Program Files\CharMGR\JPMAN\F5ATWADR.EXE" /DIR "C:\DIC" /A /C SJIS /L "C:\LOG"
  if ERRORLEVEL 1 goto ABNOML01
  rem 正常終了
  goto END01
  :ABNOML01
  rem 異常終了
  :END01

辞書作成の手順

辞書を作成する場合には、次の手順で作成してください。

  1. ログ出力を指定してコマンドを実行します。

    例) F5ATWADR.EXE /DIR "C:\DIC" /P /F "C:\Download\KEN_ALL.CSV" /L "C:\LOG"

  2. ログの状況により、次の操作をします。

    • ログが出力されなければ、作成終了です。配付をしてください。

    • "Non-Separate"のログが出力された場合は、(3)以降の処理を行なってください。

    • "Non-Separate"以外のログが出力された場合はエラー内容に従って対処してください。

  3. ログの情報から、地名の読みの収集や分割位置の確認を行ないます。

    例)

    ~ERROR Non-Separate:0650000,北海道,札幌市東区,~,サッポロシヒガシク,~
    ~ERROR Non-Separate:0411692,北海道,茅部郡南茅部町,~,南茅部町役場,~

    参考

    1行目の例では、"札幌市東区"や"サッポロシヒガシク"のように、地名の表記と読みは共にありますので、分割位置を確認しておきます。
    2行目の例では、"茅部郡南茅部町"のように地名の表記はありますが、それに対する読みがありませんので、読みと分割位置を調べておきます。

  4. "/SD"パラメタを指定してコマンドを実行します。

    例) F5ATWADR.EXE /DIR "C:\DIC" /P /F "C:\Download\KEN_ALL.CSV" /L "C:\LOG" /SD

    表示されるダイアログに従って、(3)で調べておいた情報を入力していきます。

    分割のダイアログは、ログに出力された地名の数だけ繰り返し表示されます。

    分割できない地名がなくなると、継続して辞書生成が実行されます。

注意

  • 郵便番号データでは、住所データと大口事業所のデータの整合がとれていないため、地名情報を取り出すことができず、数多くの地名に対して分割が必要になる場合があります。大口事業所のデータを必要としない場合は、住所データのみで辞書を作成することをお薦めします。

パラメタ指定エラー

コマンドに指定するパラメタを誤った場合のエラーについて説明します。

エラーはコマンド入力画面に、パラメタ形式の表示に続いて次のエラーが表示されます。

エラー種別

表示文字列

フォルダ指定の誤り

Error : 指定したフォルダが存在しません。

Error : 指定したフォルダの書き込み権限がありません。

Error : 指定したフォルダに誤りがあります。

ファイル指定の誤り

Error : 日本郵政グループの郵便番号データファイルが存在しません。

Error : 日本郵政グループの郵便番号データファイルの読み取り権限がありません。

辞書オプションの誤り

Error : Charset-住所辞書オプションが見つかりません。

パラメタ指定の誤り

Error : パラメタの組み合わせが正しくありません。

多重起動された

Error : 同時に複数のコマンドが起動されました。

同一名ファイルが存在

Error : 出力先フォルダに同じ名前のファイルが存在しました。

コマンドの復帰コード

返却されるコマンドの復帰コードについて説明します。

復帰コード

エラー内容

0

正常終了

1

異常終了

ログの形式

エラー発生時に出力されるログについて説明します。

ログファイル名

ログの形式

wadr_ime.log

YYYY/MM/DD hh:mm:ss メッセージ

メッセージの内容は、次の表を参照してください。

No.

ログ内容

1

メッセージ

ERROR Non-Separate:分割できなかった地名の情報

原因

郵便番号データの市区郡と市区町村名を分割できない。

結果

辞書は生成されない。

対処

コマンドのパラメタ"/SD"の解説と辞書作成の手順を参照。

2

メッセージ

ERROR Non-Create

原因

郵便番号データが正しくないため、住所辞書が作成できない。

結果

辞書は生成されない。

対処

正しい日本郵政グループの郵便番号データを指定する。対象とするデータは「読み仮名データの促音・拗音を小書きで表記するもの」です。

3

メッセージ

ERROR Internal_Error:xxxxxxxx

原因

続行不可能なエラー発生

xxxxxxxx = 内部処理コード

結果

辞書は生成されない。

対処

ディスク領域不足、メモリ資源不足やシステム異常などに該当しますので弊社技術員にご連絡ください。