本製品のソフトウェアの更新手順は、以下のとおりです。
準備
運用停止
スナップショット作成
ソフトウェア更新
スナップショット削除
運用再開
ポイント
スナップショットの作成は必須ではありませんが、ソフトウェアの更新を中止する場合や、ソフトウェアの更新が失敗した場合に備えて、元の状態に戻せることを目的に行います。
本製品の旧バージョンV1.1からアップグレードする場合は、アップグレードの前に以下を実施してください。
クラウドプロバイダーのURIの確認
クラウドプロバイダーとしてAmazon S3を使用している場合、URIの形式が「3.1.2 クラウドプロバイダーの登録に必要な情報」に記載されている通りの形式になっていることを確認してください。異なる場合は、形式に合わせてURIを変更してください。
クラウドプロバイダーのURIの変更については「5.3 クラウドプロバイダーの設定変更」を参照してください。
内部認証のNASアクセスユーザーの確認
内部認証のNASアクセスユーザーの名前に「sftpadmin」を使用している場合、「sftpadmin」以外の名前に変更してください。名前の変更には、対象のユーザーを一旦「削除」して、新しい名前で「作成」の操作を実施してください。そして、共有フォルダの所有者を新しい名前のNASアクセスユーザーに変更してください。
NASアクセスユーザーの名前の変更については「2.7.1.2 NASアクセスユーザー設定」を参照してください。共有フォルダの所有者の変更については「5.1 共有フォルダの設定変更」を参照してください。
共有フォルダの設定の確認
共有フォルダの以下の項目について、CSG REST APIを使用して半角スペースを設定している場合、設定を削除してください。共有フォルダの設定の削除については「5.1.2 共有フォルダの設定変更手順」を参照してください。
NFS許可ホスト(nfs_allow_hosts)
NFS rootアクセス許可ホスト(nfs_no_root_squash_hosts)
SMB許可ホスト(smb_allow_hosts)
SMB拒否ホスト(smb_deny_hosts)
以下の手順で運用を停止します。
共有フォルダへのアクセスがないことを確認します。アクセスしている場合は、アクセスがなくなるのを待ち合わせるか、アクセスしている業務を停止してください。
CSG Web GUIの「キャッシュ使用量」パネルで「未転送データ」が「なし」になっていることを確認します。「あり」になっている場合は、「なし」になるまで待ち合わせます。データ転送の完了時間は以下の方法で見積もることができます。
CSG Web GUIの「クラウド転送」パネルの性能データからクラウド転送の平均性能(MB/s)を算出します。
CSG Web GUIの「キャッシュ使用量」パネルの「未転送」の値(GB)を確認します。
上記のaとbで求めた値を使って転送完了時間を見積もります。
転送完了時間の予測値(s)=(“未転送データ量” + 1) x 1024 / “クラウド転送の平均性能”
CSG Web GUIからログアウトし、Webブラウザを閉じます。
本製品の仮想マシンを停止します。
Microsoft Azure環境以外の場合
管理者アカウント(administrator)を使用して本製品のコンソールにログインし、以下のコマンドで停止します。
# csgadm power stop
Microsoft Azure環境の場合
Azureポータルの[Virtual Machines]サービスで、本製品の仮想マシンを選択して[停止]をクリックします。
注意
ソフトウェアの更新手順の中で、本製品の仮想マシンを再起動することがありますが、更新手順が完了するまで、共有フォルダにはアクセスしないでください。本製品を停止する前に、共有フォルダの無効化を推奨します。共有フォルダの設定変更については、「5.1 共有フォルダの設定変更」を参照してください。
スナップショットの作成方法は「D.1 スナップショット作成」を参照してください。
以下の手順でソフトウェアを更新します。
本製品の仮想マシンを起動します。
注意
仮想マシンを起動しても、共有フォルダにアクセスしないでください。
SFTPで本製品にログインし、更新モジュールを本製品に転送します。
sftpadminを使用してログインして、以下のディレクトリに転送してください。
/Administrator/ftp/
ポイント
更新パッチを適用していないV1.1.0から更新する場合は、administratorを使用してログインして、FTPで転送してください。
管理者アカウント(administrator)を使用して、コンソールにログインし、ソフトウェアの更新を実行します。
以下は、更新モジュールのファイル名がCSG120UP.tgzの場合の例です。
適用する更新モジュールに合わせてファイル名を変更してください。
# csgadm system patch-add -file /Administrator/ftp/CSG120UP.tgz
本製品の仮想マシンを停止します。
Microsoft Azure環境以外の場合
管理者アカウント(administrator)を使用して本製品のコンソールにログインし、以下のコマンドで停止します。
# csgadm power stop
Microsoft Azure環境の場合
Azureポータルの[Virtual Machines]サービスで、本製品の仮想マシンを選択して[停止]をクリックします。
注意
手順3が失敗した場合、失敗した原因を取り除いたあと、スナップショットの状態に復元してから、「6.5.1.4 ソフトウェア更新」をやり直してください。スナップショットへの復元方法は「D.2 スナップショット復元」を参照してください。
ニフクラ/FUJITSU Cloud Service for VMware NIFCLOUD環境の場合は、スナップショットへ復元すると、スナップショットが削除されますので、「6.5.1.3 スナップショット作成」からやり直してください。
ソフトウェア更新の実施中に、以下のメッセージがコンソールに表示される場合があります。問題はありませんので、対処は不要です。
blk_update_request: I/O error, dev fd0, sector0
「6.5.1.3 スナップショット作成」で作成したスナップショットを削除し、ソフトウェアの更新内容を本製品の仮想マシンに反映します。
スナップショットの削除方法は「D.3 スナップショット削除」を参照してください。
本製品の仮想マシンを起動して運用を再開します。
共有フォルダを無効化していた場合は、有効化してください。
更新パッチを適用していないV1.1.0から更新した場合、ファイル転送にSFTPを使用するには、設定ウィザードを実行して、SFTP専用アカウントのパスワードを設定してください。また、今後、ファイル転送にSFTPだけを使用し、FTPを使用しない場合は、以下のコマンドを実行することで、本製品のFTP機能を無効化することができます。管理者アカウント(administrator)を使用して、コンソールにログインして実行してください。
# csgadm system ftp-disable
「6.5.1.4 ソフトウェア更新」で本製品に転送していた更新モジュールは、SFTPで本製品にログインして削除してください。更新パッチを適用していないV1.1.0から更新した場合、かつ、上記コマンドを実行していない場合は、FTPで削除することもできます。
注意
ソフトウェア更新前と同じWebブラウザを使用してCSG Web GUIを操作する場合は、Webブラウザのキャッシュを削除してから操作してください。キャッシュを削除しない場合、CSG Web GUIが正常に表示されない可能性があります。