cfset(1M) コマンドはCFドライバに調整可能なパラメタを設定する場合に使用します。値は/etc/default/cluster.configに保存されます。cfset(1M) コマンドはカーネルまたはファイルからの値の取得および表示に使用します。
/etc/defaultにcluster.configという新しいファイルが作成されます。
/etc/default/cluster.configに定義された値は、GUI (クラスタの初期構成時のcfcpおよびcfsh用) またはテキストエディタで設定や変更が可能です。
ファイルはNameとValueの2つから構成されます。
Name:
CF構成パラメタの名前にします。各行の最初のトークンはNameにする必要があります。
Nameの長さは最大31バイトです。名前は一意である必要があります。
cfconfig -lおよびcfset(1M) コマンド (cfset -rおよび-fオプション) でエントリを適用したときに、重複した名前は検出され、エラーとして報告されます。無効なエントリや重複したエントリは、/var/log/messagesに記録されます。
ドライバがすでにロードされ実行中の場合は、cfset(1M) によりNameのValueを変更します。
Value:
CFパラメタに割り当てられている値を表します。二重引用符または単一引用符で囲まれた文字列です。Valueの長さは最大4キロバイト (4K)です。
引用符内で改行することはできません。
改行または空白はトークンの終了を示します。
ただし、二重引用符または単一引用符で始まる行は、cfsetでは前の値の続きと解釈されます。
NameとValueのペアの最大エントリ数は100です。
シャープ記号 (#) はコメント文字として使用されます。シャープ記号は行の先頭に置く必要があります。その行のエントリが無視されます。
単一引用符は、二重引用符で囲むことができます。またこの逆も可能です。
cfset(1M) には次のオプションがあります。
cfset [ -r | -f | -a | -o name | -g name | -h ]
参照
cfset(1M) の詳細については、“PRIMECLUSTER 活用ガイド<コマンドリファレンス編>”の cfset(1M)を参照してください。
設定できるのは、以下のとおりです。
CLUSTER_TIMEOUT (下記の“例1 cfset(1M) を使用して、タイムアウトを調整する場合”を参照してください)
CFSH (“1.1.3 CFのセキュリティ”を参照してください)
CFCP (“1.1.3 CFのセキュリティ”を参照してください)
CLUSTER_IP_TTL (下記の“例2 変数をデフォルト値以外に設定する場合”を参照してください)
このパラメタは、CF over IPの使用時に有効となります。
調整可能な値: 全CFパケットのIPヘッダ内TTLフィールドに設定する値です。
デフォルト値: 64
設定値: 1-255
CLUSTER_IP_CTRL_TOS (下記の“例2 変数をデフォルト値以外に設定する場合”を参照してください)
このパラメタは、CF over IPの使用時に有効となります。
調整可能な値: 全CF制御パケットのIPヘッダ内TOS 8ビットフィールドに設定する値です。クラスタハートビートパケットもここに含まれます。ここに示したデフォルト値は、6ビットのDSCPフィールドをバイナリの100010に設定する場合に最適なデフォルト値です。これは、DSCPの4F AF転送クラス (旧IP precedenceと互換) で、最も低いAFドロップ優先順位を指定します (輻輳が発生した場合にドロップされる確率が最も低い)。
デフォルト値: 0x88 (136)
設定値: 0-255
CLUSTER_IP_DATA_TOS (下記の“例2 変数をデフォルト値以外に設定する場合”を参照してください)
このパラメタは、CF over IPの使用時に有効となります。
調整可能な値: 全CFデータパケットのIPヘッダ内TOS 8ビットフィールドに設定する値です (非制御パケット)。ここに示したデフォルト値は、6ビットのDSCPフィールドをバイナリの001010に設定する場合に最適なデフォルト値です。これは、DSCPの1F AF転送クラス (旧IP precedenceと互換) で、最も低いAF ドロップ優先順位を指定します (輻輳が発生した場合にドロップされる確率が最も低い)。
デフォルト値: 0x28 (40)
設定値: 0-255
cluster.configの値を変更した場合は、必ずcfset -rコマンドを実行してください。
例
CLUSTER_TIMEOUT "30"
これによりタイムアウトはデフォルトの10秒から30秒に変更されます。最低値は1秒です。最大値の制限はありません。すべてのクラスタノードで同じ値を使用することを推奨します。
CLUSTER_TIMEOUTは、クラスタノードが他のクラスタノードからのハートビート応答を待機する時間を表します。 CLUSTER_TIMEOUTに指定された秒数が経過すると、それまでに応答のないノードはLEFTCLUSTER状態にあると宣言されます。 CLUSTER_TIMEOUTのデフォルト値は10秒です。通常のPRIMECLUSTER導入例では変更する必要はありません。 ただし、切替えの遅延時間が長いネットワークなど、例外的な場合には値の調整が可能です。
/etc/default/cluster.configファイルを編集して各変数のエントリを追加します。
CLUSTER_IP_TTL "64" CLUSTER_IP_CTRL_TOS "0x88" CLUSTER_IP_DATA_TOS "0x28"
ファイルの設定を検証するため、cfset -fを実行します。
CFに新しい値を読み込むため、cfset -rを実行します。
カーネルの値を検証するため、cfset -aを実行します。