プロパティの値は、MOVE、ADD、SUBTRACT、COMPUTE、IF、DISPLAYおよびEVALUATE文の7つの文を使用して参照できます。各文の記述形式を以下に示します。
プロパティの値を転記して、別のデータまたはプロパティへ取り出すときに使用します。
書き方
MOVE プロパティ TO 受け取り側項目
受け取り側項目は、一意名またはプロパティでなければなりません。
CORRESPONDINGを指定することはできません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
スタティックテキストコントロール(Static1)のフォントのサイズを、作業場所節で定義した領域(FONT-SIZE)に取り出す場合、以下のように記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 FONT-SIZE PIC S9(4) COMP-5. ・ PROCEDURE DIVISION. ・ MOVE "Size" OF "Font" OF Static1 TO FONT-SIZE.
数値をもつプロパティの値を、別のデータに加算するときに使用します。
ADD プロパティ TO {一意名[ROUNDED]}… [ON SIZE ERROR 無条件文] [NOT ON SIZE ERROR 無条件文] [END-ADD]
TOの前に、作用対象を複数記述することはできません。
GIVINGを指定することはできません。
CORRESPONDINGを指定することはできません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
スクロールバーコントロール(Scroll1)の増減値(大)を、作業場所節で定義した数値項目(CURR-VALUE)に足す場合、以下のように記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 CURR-VALUE PIC S9(4) COMP-5 VALUE IS 0. ・ PROCEDURE DIVISION. ・ ADD "LargeStep" OF Scroll1 TO CURR-VALUE.
数値をもつプロパティの値を、別のデータから減算するときに使用します。
SUBTRACT プロパティ FROM {一意名[ROUNDED]}… [ON SIZE ERROR 無条件文] [NOT ON SIZE ERROR 無条件文] [END-SUBTRACT]
FROMの前に、作用対象を複数記述することはできません。
GIVINGを指定することはできません。
CORRESPONDINGを指定することはできません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
作業場所節で定義した数値項目(CURR-VALUE)から、スクロールバーコントロール(Scroll1)の増減値(大)を引く場合、以下のように記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 CURR-VALUE PIC S9(4) COMP-5 VALUE IS 0. ・ PROCEDURE DIVISION. ・ SUBTRACT "LargeStep" OF Scroll1 FROM CURR-VALUE.
数値をもつプロパティを使って、演算するときに使用します。
COMPUTE 受け取り側項目 = 算術式-1
算術式-1の中にプロパティを記述することができます。
受け取り側項目は、一意名またはプロパティでなければなりません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
スタティックテキストコントロール(Static1)のフォントのサイズを、コマンドボタンコントロール(Command1)のフォントのサイズより2だけ大きくする場合、以下のように記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. PROCEDURE DIVISION. ・ COMPUTE "Size" OF "Font" OF Static1 = "Size" OF "Font" OF Command1 + 2.
プロパティの値を使って、比較条件を判定するときに使用します。
IF 比較条件 THEN {{文-1}… | NEXT SENTENCE} {{ELSE {文-2}…[END-IF]}| {ELSE NEXT SENTENCE}| {END-IF}}
比較条件の中にプロパティを使用することができます。
組み合わせ比較条件を省略することはできません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
チェックボックスコントロール(Check1)がチェック状態であれば、イメージコントロール(Image1)に"IMAGE-BMP"というリソース名で登録されたイメージを表示する場合、以下のように記述します。
チェック状態でなければ、何も表示しません。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. 01 CHECK-ON PIC S9(4) COMP-5 VALUE IS +1. ・ PROCEDURE DIVISION. ・ IF "Value" OF Check1 = CHECK-ON THEN MOVE "IMAGE-BMP" TO "ImageName" OF Image1 END-IF.
少量のデータの内容をハードウェア装置に転送し、表示するときに使用します。
DISPLAY プロパティ … [UPON 呼び名]
DISPLAY文の記述規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
COBOLのコンソールウィンドウに、イメージコントロール(Image1)に表示されているイメージ名を表示する場合、以下のように記述します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. PROCEDURE DIVISION. ・ DISPLAY NC"現在表示しているイメージは " "ImageName" OF Image1 NC"です。".
プロパティの内容を、複数の条件で評価するときに使用します。
EVALUATE プロパティ WHEN 選択対象 … WHEN 選択対象 … … END-EVALUATE
選択主体としてプロパティを使用できます。ALSOを指定することはできません。
その他の規則については『COBOL 文法書』を参照してください。
テキストボックスコントロール(Text1)に入力された色名によって、スタティックテキストコントロール(Static1)に表示される文字列を変更する場合、以下のように記述します。
色名として扱えない文字列が入力された場合は、"色無効"と表示します。
DATA DIVISION. WORKING-STORAGE SECTION. PROCEDURE DIVISION. ・ EVALUATE "Text" OF Text1 WHEN "BLACK" MOVE NC"黒色" TO "Caption" OF Static1 WHEN "RED" MOVE NC"赤色" TO "Caption" OF Static1 WHEN "YELLOW" MOVE NC"黄色" TO "Caption" OF Static1 WHEN OTHER MOVE NC"色無効" TO "Caption" OF Static1 END-EVALUATE.