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Interstage Studio V12.2.0 ユーザーズガイド Java EE 6編
FUJITSU Software

B.6.5 J2EE、Java EEアプリケーションの移行に関する注意点

Interstage Application Serverで動作するJ2EE規約やJava EE規約にしたがって作成されたアプリケーションは、本来あらゆる環境で動作することを前提としています。しかし、規約の違いにより提供機能やそれに伴う設定ファイルなどが異なるため、旧資産から移行する場合は、アプリケーション(ソースコードなど)の修正や定義変更が必要になる場合があります。

旧バージョンのワークベンチで開発していた資産を本バージョンのワークベンチに移行して、J2EE実行環境やJava EE実行環境で動作させる場合は、本マニュアルとは別に、以下のマニュアルで機能上の非互換や運用上の非互換を確認して対処してください。

J2EE、Java EEプロジェクトの自動更新

本バージョンでは、J2EE、Java EEプロジェクトの移行を以下の組み合わせにしたがって、自動更新で行うことができます。

移行前のプロジェクト

JREシステム・ライブラリー

ワークベンチのデフォルトJRE

移行後のプロジェクト

J2EE

JDK8

J2EE

Java EE 6

ワークスペースのデフォルトJRE

JDK8

Java EE 7

JDK7

Java EE 6

代替JRE:JDK7

Java EE 6

代替JRE:JDK7以外

Java EE 7

Java EE 5

JDK 8

Java EE 7

注意

  • ワークベンチのデフォルトJREがJDK7の際に、J2EEのプロジェクトが移行対象として表示される場合がありますが、JDK7を使用したJ2EEアプリ開発機能はサポート対象外であるため、実施しないでください。

  • サーバランタイムおよびターゲットランタイムを複数指定している場合、自動更新が正常に行われません。そのため、サーバランタイムとターゲットランタイムの指定をそれぞれ1つにしてから自動更新を実施するか、もしくは手動で設定変更をしてください。

  • 自動更新で、Java EE 6またはJava EE 7のプロジェクトに更新する場合、プロジェクトファセットは以下のように設定されます。

    • Java EE 6

      • EJBモジュール:3.1

      • 動的Webモジュール:3.0

      • アプリケーション・クライアント・モジュール:6.0

      • EAR:6.0

      • JPA:2.0

      • JCAモジュール:1.6

    • Java EE 7

      • EJBモジュール:3.2

      • 動的Webモジュール:3.1

      • アプリケーション・クライアント・モジュール:7.0

      • EAR:7.0

      • JPA:2.1

      • JCAモジュール:1.6

    プロジェクトファセットを変更したくない場合は、プロジェクトをインポート後に以下の手順で設定変更してください。

    1. "Javaのバージョンを確認する"を行います。

    2. "ビルドパスの定義を変更する"を行います。

    3. インポートしたプロジェクトを選択して、コンテキストメニュー > [プロパティー] > [プロジェクト・ファセット]から、Interstage deployment descriptorのチェックを外して、適用します。

    4. インポートしたプロジェクトを選択して、コンテキストメニュー > [プロパティー] > [ターゲット・ランタイム]から、適切なターゲット・ランタイムを指定します。

    5. インポートしたプロジェクトを選択して、コンテキストメニュー > [プロパティー] > [プロジェクト・ファセット]から、適切なInterstage deployment descriptorのチェックをつけて、適用します。

  • 自動更新は、プログラムソースやdeployment descriptorは更新しないため、必要に応じて修正してください。

J2EEアプリケーションからJava EEアプリケーションへの移行

J2EEアプリケーションをJava EEアプリケーションに移行するには、各アプリケーションの変更点を参照してアプリケーションを更新してください。

注意

以下のJ2EEアプリケーションについては注意事項があります。

  • Enterprise Bean (Container-managed Persistence)

    CMP拡張情報ファイルはJ2EE実行環境で動作させるためのファイルです。Java EE実行環境で動作させるためには、Interstage Application Serverのマニュアルを参考にファイルを変更してください。

  • Webサービス

    J2EE実行環境で運用していたWebサービス(JAX-RPC)は、Java EE実行環境で実行することができません。詳細はInterstage Application Serverのマニュアルを参照してください。

EJB2.0からEJB2.1への移行

EJB2.0に準拠した資産をEJB2.1準拠に移行するには、以下の手順にしたがってください。

注意

EJB2.1に移行した場合は、Interstage Application Serverではリモート環境からEJBアプリケーションにアクセスすることはできません。

1) プロジェクト新規作成

EJBプロジェクトウィザードで新規にEJBプロジェクトを作成します。このとき、ウィザードの[EJB モジュール バージョン]で[2.1]を選択してください。

2) 旧資産のインポート

インポートウィザードを使用して旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、インポートウィザードを起動します。[インポートソースの選択]で[一般] > [ファイルシステム]を選択して、旧資産の必要な資産(ソースファイル、deployment descriptorなど)をインポートしてください。deployment descriptorはソースフォルダのMETA-INFフォルダ配下に格納してください。deployment descriptorは、EJBプロジェクト作成時に生成されますが、インポート時に既存資産のdeployment descriptorを上書きしてください。

ポイント

以下のフォルダはインポート対象から外してください。

  • .externalToolBuilders

  • .settings

  • bin

  • src

  • distribute

3) deployment descriptorの更新

deployment descriptorをEJB2.0からEJB2.1形式に変更します。変更は、deployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。

4) Javaソースの修正

EJB2.0からEJB2.1への移行ではソースの修正の必要はありません。

J2EEアプリケーションクライアント1.3からJ2EEアプリケーションクライアント1.4への移行

J2EEアプリケーションクライアント1.3に準拠した資産をJ2EEアプリケーションクライアント1.4準拠に移行するには、以下の手順にしたがってください。

1) プロジェクト新規作成

アプリケーションクライアントプロジェクトウィザードで新規にアプリケーションクライアントプロジェクトを作成します。[アプリケーション・クライアント・モジュール バージョン]の指定では、[1.4]を指定します。

2) 旧資産のインポート

インポートウィザードを使用して旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、インポートウィザードを起動します。[インポートソースの選択]で[一般] > [ファイル・システム]を選択して、旧資産の必要な資産(ソースファイル、deployment descriptorなど)をインポートしてください。deployment descriptorはソースフォルダのMETA-INFフォルダ配下に格納してください。deployment descriptorは、アプリケーションクライアントプロジェクト作成時に生成されますが、インポート時に既存資産のdeployment descriptorを上書きしてください。

3) deployment descriptorの更新

deployment descriptorをJ2EEアプリケーションクライアント1.3からJ2EEアプリケーションクライアント1.4形式に変更します。変更は、deployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。

Webアプリケーション2.3からWebアプリケーション2.4への移行

Webアプリケーション2.3に準拠した資産をWebアプリケーション2.4準拠に移行するには、以下の手順にしたがってください。

1) プロジェクト新規作成

アプリケーションクライアントプロジェクトウィザードで新規に動的 Web プロジェクトを作成します。[動的 Web モジュール バージョン]の指定では、[2.4]を指定します。

2) 旧資産のインポート

インポートウィザードを使用して旧資産をインポートします。
メニューバーから[ファイル] > [インポート]を選択して、インポートウィザードを起動します。[インポートソースの選択]で[一般] > [ファイル・システム]を選択して、旧資産の必要な資産(ソースファイル、deployment descriptorなど)をインポートしてください。deployment descriptorはソースフォルダのMETA-INFフォルダ配下に格納してください。deployment descriptorは、アプリケーションクライアントプロジェクト作成時に生成されますが、インポート時に既存資産のdeployment descriptorを上書きしてください。

3) deployment descriptorの更新

deployment descriptorをWebアプリケーション2.3からWebアプリケーション2.4形式に変更します。変更は、deployment descriptorをXMLエディタで開き、XMLを直接変更する必要があります。

J2EE関連のテンプレートをインポートする

J2EEアプリケーション開発用に以下のテンプレートを用意しています。必要に応じてテンプレート定義ファイルをインポートしてください。

コンテキスト

名前

説明

Java

EJB Homeの参照

EJB Homeの参照処理を行う

EJB Local Homeの参照

EJB Local Homeの参照処理を行う

MessageProducer

イベントチャンネルにメッセージを送信する

Point-To-Point

キューにメッセージを送信する

Publish/Subscribe

トピックにメッセージを送信する

定義ファイルのインポートについて以下に示します。

  1. メニューから[ウィンドウ] > [設定]を選択します。

  2. [設定]ダイアログボックスが表示されるので、[Java] > [エディター] > [テンプレート]を選択します。

  3. [テンプレート]ページが表示されるので、[インポート]をクリックします。

  4. [テンプレートのインポート]ダイアログボックスが表示されるので、以下のファイルを指定して、テンプレート定義をインポートします。

    <製品インストールフォルダ>\IDE\1202\etc\templates\templates_ejb_jms.xml