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Interstage Studio J Business Kit 解説書
FUJITSU Software

2.3.9 Java VMの先行起動

JBKプラグインを使用して、アプレットを実行せずにJava VMだけを先行起動する方法を説明します。

ブラウザ上でアプレットを実行する場合には、一般的にはアプレットの初回実行時にJava VMが起動されます。Java VMの起動には数秒~数十秒かかります。その間ブラウザがユーザの操作を受け付けなくなり、Java VMの起動完了までユーザが待たされてしまう場合もあります。このような状況に対処するために、JBKプラグインではHTMLファイルの記述の仕方により、アプレットを実行せずにJava VMのみを起動する機能を提供しています。この機能を用いると、アプレットを起動する前に、ユーザを待たせることなくJava VMだけを先行起動しておくことが可能になります。

“Java VMのみの起動”の指定方法

JBKプラグインを用いて、アプレットを実行せずにJava VMのみを起動する場合には、JBKプラグイン用のHTMLファイルに指定するアプレットの名前(NAME属性)に“@JAVAVMONLY”と記述してください。JBKプラグイン用のHTMLファイルの記述方法は、“2.2.4 HTMLファイルの作成”を参照してください。

NAME属性に“@JAVAVMONLY”と指定されている場合には、JBKプラグインはその箇所のCODE属性の指定を無効とし、バックグラウンドでJava VMの起動のみを行います。

Java VMのみの起動の指定例

JBKプラグインを用いて、Java VMのみの起動を行う場合には、HTMLファイルに以下の記述を入れてください。

<OBJECT CLASSID="CLSID:BEA62964-C40B-11D1-AACA-00A0C9216A67" WIDTH=1 HEIGHT=1>
    <PARAM NAME="TYPE" VALUE="application/x-JBK-Plugin">
    <PARAM NAME="NAME" VALUE="@JAVAVMONLY">
</OBJECT>

ポイント

アプレットの必須属性の指定

  • NAME属性に“@JAVAVMONLY”と指定した場合には、その箇所にはCODE属性を指定する必要はありません。

  • NAME属性に“@JAVAVMONLY”と指定した場合、その部分はブラウザの画面上にWIDTH属性とHEIGHT属性で指定された幅と高さを持つ長方形として表示されます。この長方形が画面上で目立たないように、WIDTH属性とHEIGHT属性をそれぞれ1に指定しておくことをお勧めします。

Java VMの先行起動

上記の“Java VMのみの起動”の指定を使用すると、Java VMの先行起動が可能になります。Java VMの先行起動を行うために必要な手順は、以下のとおりです。

  1. Java VMの先行起動を行うHTMLファイルの作成

    1. まず、アプレットを実行するHTMLファイルとは別に、アプレットの実行に先立って呼び出すHTMLファイルを作成します。このHTMLファイルには、アプレットの実行前に行う処理を記述します。アプレットの実行前に行うことができる処理の例を、以下に示します。

      • アプリケーションのタイトルページの表示

      • お知らせの表示

      • ユーザからの何らかの入力要求

    2. 次に、このHTMLファイルに上記の“Java VMのみの起動”の指定を記述します。このHTMLファイルが、Java VMの先行起動を行うHTMLファイルになります。

  2. Java VMの先行起動を行うHTMLファイルの実行

    1. ブラウザを起動し、Java VMの先行起動を行うHTMLファイルを最初に呼び出します。ブラウザの画面上では、HTMLファイルに記述したアプレット実行前の処理が実行されます。この間に、JBKプラグインはバックグラウンドでJava VMを起動します。したがって、Java VMの起動がブラウザの画面上の処理を妨げることはありません。

    2. アプレット実行前の処理が終了したら、次にアプレットを実行するHTMLファイルを呼び出します。JBKプラグインによるJava VMの起動が完了している場合には、すぐにアプレットのダウンロードが開始されます。ユーザがJava VMの起動完了を待つ必要はありません。

注意

Java VMの先行起動を行うHTMLファイルには、JBKプラグイン用のアプレット実行の記述を含めないようにしてください。HTMLファイルにアプレット実行のための記述が含まれている場合には、そのHTMLファイル内にあるJava VMの先行起動の指定は無効になります。

Java VMの先行起動を行うHTMLファイルの例

Java VMの先行起動を行うHTMLファイルの記述例を以下に示します。

<HTML>
<HEAD>
<TITLE>Java VMの先行起動を行うHTMLファイルの例</TITLE>
</HEAD>

<BODY>

<!--
    この部分には、アプレットの実行に先立って行うことのできる処理を記述します。
    (例)
    ・アプリケーションのタイトルページの表示
    ・お知らせの表示
    ・ユーザからの何らかの入力要求
-->

<!--
    以下は、Java VMのみの起動のための記述です。
    ブラウザの画面上には、この部分は画面の背景色と同色で表示されます。
-->
<OBJECT CLASSID="CLSID:BEA62964-C40B-11D1-AACA-00A0C9216A67" WIDTH=1 HEIGHT=1>
    <PARAM NAME="TYPE" VALUE="application/x-JBK-Plugin">
    <PARAM NAME="NAME" VALUE="@JAVAVMONLY">
</OBJECT>

</BODY>
</HTML>