Symfowareのバックアップ運用は、以下の手順で設計します。
注意
AdvancedCopy Managerで、Symfowareのデータベーススペース単位またはロググループ単位のデータベーススペースをバックアップ/リカバリーする環境を作成するには、データベースの管理者が、業務の用途に合わせてSymfowareの動作環境を事前に作成する必要があります。
Symfoware Serverのマニュアルを参考に設計してください。ただし、データベーススペースの配置は、以下の制限事項を守って設計してください。
ローデバイス上のデータベーススペース
ローデバイス上にデータベーススペースを配置する場合、AdvancedCopy Manager のコピー単位(ボリューム単位)と、データベーススペース領域は一致するため、特に考慮する点はありません。
ローデバイス上にデータベーススペースを作成する方法は、『Symfoware Server RDB運用ガイド(データベース定義編)』を参照してください。
ローデバイス上にデータベーススペースを配置する構成だけをサポートします。ファイルシステム上にデータベーススペースを配置する構成はサポートされません。
注意
AdvancedCopy Managerでバックアップする場合、RDBシステム名およびロググループ名に2バイト以上のコード(ひらがな、漢字など)を使用できません。
バックアップ運用を行うサーバを決定します。
バックアップ運用を行うサーバには、次のものがあります。
運用管理サーバ
複数の管理対象サーバを一元管理、集中操作します。運用管理サーバは、管理対象サーバを兼ねることができます。
管理対象サーバ
AdvancedCopy Managerの運用を行います。
バックアップ対象とするSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションを決定します。
AdvancedCopy Managerでは、バックアップ対象となるSymfowareのデータベーススペースが割り当てられたパーティションを“業務ボリューム”と呼びます。
注意
ロググループ単位でバックアップする場合、ロググループに含まれるすべてのデータベーススペースが配置されているパーティションを、業務ボリュームとして登録しておく必要があります。1つでも登録から漏れると、AdvancedCopy Managerは登録から漏れたデータベーススペースをバックアップできず、データベースのリカバリー時に表間のリレーションの整合性が保てなくなります。
システムが格納されているパーティション、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップ対象としないでください。
LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップ対象としないでください。
業務ボリュームまたはロググループに対して設定するバックアップポリシーを決定します。バックアップポリシーには以下の項目があります。
ロググループに対して設定した場合、そのロググループに含まれるすべての業務ボリュームに対してバックアップポリシーが設定されます。
保存世代数は、バックアップしたデータを何世代残しておくかを意味します。
スナップショット型高速バックアップは、最初に、最古世代を世代管理より解放します。そのため、バックアップ起動中にシステムダウンなどの障害が発生した場合は、最古の世代が削除された状態で、バックアップしたデータが必要世代数分存在しない可能性があります。直ちにバックアップを再実行して、必要世代数分のバックアップデータを作成することをお勧めします。
スナップショット型高速バックアップで、保存世代数を1として運用する場合は、バックアップデータをテープなどに退避する運用を併用することをお勧めします。
同期型高速バックアップは、最古の世代を世代管理から解放するのは、最新世代のバックアップを完了してからです。そのため、(保存世代数+1)本のバックアップボリュームが必要です。
バックアップ未実施の警告を表示する基準日数を意味します。
最後にバックアップした日より間隔日数を超えた場合に、業務一覧画面上やswstexecstatコマンドで遅れが出ていることを表示します。
間隔日数を設定しても、自動的にバックアップされません。
バックアップボリュームを準備します。
AdvancedCopy Managerでは、業務ボリュームのバックアップ先パーティションを“バックアップボリューム”と呼びます。バックアップボリュームは、ETERNUS ディスクアレイに配置する必要があります。
バックアップボリュームのサイズは、バイト単位まで業務ボリュームのサイズと同じである必要があります。また、バックアップボリュームの数は、バックアップの運用によって、以下のように異なります。
運用形態 | 必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ | 保存世代数 本 |
同期型高速バックアップ | (保存世代数+1)本 |
複数の業務ボリュームにバックアップポリシーが設定されている状態で、新たに登録された業務ボリュームにバックアップポリシーを登録する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。
運用形態 | 必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ | (登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ | (登録されているバックアップポリシーの保存世代数の総和+登録されている業務ボリューム数+新たに設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本 |
ロググループを指定してバックアップポリシーを設定する場合、以下の本数のバックアップボリュームが必要です。
運用形態 | 必要バックアップボリューム数 |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ | (ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数)本 |
同期型高速バックアップ | (ロググループに含まれる業務ボリュームの数)×(設定するバックアップポリシーの保存世代数+1)本 |
注意
システムが格納されているパーティション、AdvancedCopy Managerがインストールされているパーティションは、バックアップボリュームとしないでください。
LVM(Logical Volume Manager)の論理ボリュームおよびボリュームグループは、バックアップボリュームとしないでください。
Symfowareのバックアップ運用では、次のディレクトリの設定が必要です。
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ
作業ディレクトリ
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリ
リカバリ制御ファイル出力先ディレクトリは、バックアップ時に作成されるリカバリ制御ファイルの格納先です。
リカバリ制御ファイルに必要な容量は、1業務ボリュームを1世代分バックアップすると約1MBになります。
N個の業務ボリュームをM世代保存する場合に必要な容量は、次のようになります。
運用形態 | 必要な容量(単位 MB) |
---|---|
スナップショット型高速バックアップ | N×M |
同期型高速バックアップ | N×(M+1) |
バックアップ運用開始時にリカバリ制御ファイル出力先ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。
通常(非クラスタ)運用の場合
/etc/opt/FJSVswsts/SymfoWARE/Recovery
クラスタ運用の場合
/etc/opt/FJSVswsts/論理ノード名(*1)/SymfoWARE/Recovery
(*1)クラスタセットアップ時に指定したAdvancedCopy Managerの論理ノード名
作業ディレクトリ
作業ディレクトリは、リストア時にデータベースのリカバリー作業を行うための作業ディレクトリです。
バックアップ運用開始時に作業ディレクトリを設定していない場合は、以下のディレクトリを使用します。
/var/opt/FJSVswsts/SymfoWARE