Webコンソールで性能管理対象の装置に対して性能管理指示を行うと、本製品の性能管理部が各装置の性能情報を確保し、性能データとして運用管理サーバに格納していきます。この性能データをグラフに表示します。
性能管理を実行するには、運用管理サーバに、性能データを格納するための容量が必要です。『ETERNUS SF 導入ガイド』の「動作環境」を参照し、十分なディスク容量を確保できているか確認してください。
性能管理を実行するために、Webコンソールで性能管理の設定と開始を実施します。
性能情報の確保対象となるLogical Volume(LUN_V)の範囲を、Webコンソールに入力してください。
Logical Volume(LUN_V)の範囲を指定することで、性能データを格納するディスク領域への影響や、性能情報の確保にかかる負荷を軽減できます。
操作手順の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「性能管理の開始/設定変更/停止」を参照してください。
参考
内部的には、64個のLogical Volume単位に性能情報を確保するため、入力した前後のLogical Volumeの性能情報も確保されます。
例えば、Logical Volume(LUN_V)を70から80までの範囲で入力した場合、内部的には64から127までのLogical Volumeの情報が確保されます。
このとき、性能管理の開始を指示した後にWebコンソールに表示される監視範囲は、開始時に指定した値ではなく、64個単位で変換された値になります。
性能管理が起動すると、性能管理状態として、[監視状態]行に"Monitoring"と表示されます。
操作手順の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「性能管理の動作状態の表示」を参照してください。
以下の表に、[監視状態]行の値、対応する状態、および対処方法を示します。
[監視状態]行の値 | 状態 | 対処方法 |
---|---|---|
Monitoring | 性能管理中(正常) | 対処は不要です。 |
Recovering | 性能管理リカバリー中(例えば、装置タイムアウト) | Expressマネージャーがディスクアレイと通信できません。 ネットワークとディスクアレイの状態を確認してください。 ETERNUS Web GUIがログイン状態の場合は、ログオフしてください。 |
Error | 性能管理エラー(例えば、装置タイムアウト、性能情報ファイルへの書込み失敗など) | Expressマネージャーがディスクアレイと通信できません。 ネットワークとディスクアレイの状態を確認してください。 ETERNUS Web GUIがログイン状態の場合は、ログオフしてください。また、ファイルへの書込み権とファイルシステムの容量を確認してください。 次に、性能管理を一旦停止して、再度性能管理を開始してください。 |
Stop | 性能管理の停止(正常) | 対処は不要です。 |
なお、[監視状態]行の値は、現状の状態と異なる場合があります。ETERNUS ディスクアレイの設定を再読込みし、最新の状態を確認してください。
操作手順の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「ETERNUS ディスクアレイの設定情報の再読込み」を参照してください。
ETERNUS ディスクアレイから性能情報を取得する間隔は、60秒(固定)です。
参考
LANトラフィックの状況またはサブネット越え(性能管理対象装置と運用管理サーバ間がゲートウェイをまたぐ)などの状況では、監視間隔(60秒)内で性能情報を取得できない場合があります。
性能管理部は運用管理サーバのデーモンとして起動されるため、運用管理サーバ起動中は、Webコンソールが起動していなくても性能情報を確保し続けます。
ETERNUS ディスクアレイに対しては、装置の論理構成を認識してから性能情報の確保を開始します。
したがって、ETERNUS ディスクアレイに対して初めて性能情報を確保するときは、実際の性能情報の確保時間に加えて、論理構成の確保時間(数十秒から数分)がかかります。
取得した性能情報は、Webコンソールでグラフ表示することで確認できます。また、Webコンソールおよび性能情報の操作コマンド(storageadm perfdata)を使用して、CSVファイル形式で性能情報を出力できます。
Webコンソールの操作手順の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「性能情報のグラフ表示」および「性能情報のエクスポート」を参照してください。
性能を表示するLogical VolumeまたはRAID Group番号を選択し、グラフで表示します。
注意
ETERNUS ディスクアレイのSDVに関する性能情報は未サポートです。また、SDVを含むRAID Groupの性能情報の値は保証できません。
性能を表示するDisk番号を選択し、グラフで表示します。
性能を表示するCMまたはCM CPUを選択し、グラフで表示します。
ポート一覧から性能を表示するCM Portを選択し、グラフで表示します。
表示する性能情報を選択し、グラフで表示します。
表示したい性能情報を選択してグラフを表示します。
注意
ETERNUS ディスクアレイがNAS機能に対応していない場合、NASボリュームおよびNASシステムの性能情報は表示されません。NAS機能に対応している場合でも、事前に対応ファームウェア(V10L21-0000以降)への更新および事前設定が必要です。なお、性能情報を表示するには、事前設定を実施した後に、構成情報の更新および性能監視を再開する必要があります。
サーバノードからETERNUS ディスクアレイに対するI/O遅延が発生した際、以下の手順で、ETERNUS ディスクアレイ内に要因がないかを調査できます。ただし、この手順は例であり、I/O遅延を決定する要素を100%断定できるわけではありません。
I/O処理遅延が発生した時間とアクセスパスを特定します。
I/O処理遅延が発生した対象アクセスパスに定義している、アフィニティグループ番号とLogical Volume番号を確認します。
性能管理で対象Logical Volumeの性能を確認します。
Logical Volumeのレスポンスタイムが悪い場合は、それが属している RAID Group の性能を確認します。
そのRAID Groupのレスポンスタイムも悪い場合は、RAID Groupに属しているほかのLogical Volumeを、Logical Volume一覧からRAID Group名で検索します。これらのLogical VolumeのI/O状況を確認し、RAID Groupに対して高い負荷を与えていないかを確認します。
もし、RAID Groupに高い負荷を与えていると判断した場合は、当該Logical VolumeをほかのRAID Groupに移動するなどの処置をしてください。
Webコンソールで性能管理を停止します。
操作手順の詳細は、『ETERNUS SF Webコンソール説明書』の「性能管理の開始/設定変更/停止」を参照してください。
性能管理では、装置の構成情報を独自に保持しています。
装置の構成を変更する場合、または性能管理している装置の構成を変更した場合は、以下の手順で装置の構成情報を更新します。
性能管理の設定内容を記録します。(性能管理を実施している場合)
《記録する設定内容》
性能管理対象(最小 LUN_V、最大 LUN_V)
性能管理を停止します。(性能管理を実施している場合)
「4.2.2.7 性能管理停止指示」を参照してください。
性能管理している装置の構成を変更します。
手順1で記録した設定内容を基に、性能管理を開始します。(性能管理を実施している場合)
このとき、構成情報ファイルを作成するように指定してください。
「4.2.2.2 性能管理指示」を参照してください。
注意
性能管理している装置の構成を変更した場合、変更前の構成情報で性能管理されています。
上記手順で構成情報を更新するまでの性能情報は、保証できません。