プロキシオブジェクトに関する異常について、以下に該当する場合は、それぞれに記載されている対処を行ってください。
(1) マスタ、プロキシ間のコピー処理においてアドバンスト・コピー機能が使用できない。
説明
マスタ、プロキシ間のコピー処理がどの方式で行われているかは、sdxinfo コマンドで表示される CPTYPE フィールドで確認できます。CPTYPE フィールドに soft と表示される場合は、ETERNUS ディスクアレイのアドバンスト・コピー機能ではなく、GDS のソフトコピー機能によってコピーが行われています。
アドバンスト・コピー機能が使用されない原因として、以下の 8 とおりの原因が考えられます。
ディスクアレイ装置のアドバンスト・コピー機構の設定が正しく行われていない。
GDS Snapshot をインストールした後、ノードを再起動していない。
マスタと他のプロキシとの間に EC または REC のセッションが存在するため、OPC 機能または QuickOPC 機能が使用できない。
マスタボリュームに複数のプロキシボリュームが関連付けられていて、EC または REC のセッションが設定されているプロキシボリュームの個数が上限 (16 個) に達している。
プロキシボリュームが多重度 2 以上のミラーリング構成である。
マスタボリュームまたはプロキシボリュームが属しているグループに、下位グループが接続されている。
マスタまたはプロキシが属しているディスクアレイ装置が、アドバンスト・コピー機能をサポートしていない。
ディスクアレイ装置、または、ファイバチャネルの経路に異常がある。
詳細については、「A.8 プロキシ構成におけるアドバンスト・コピー機能の利用」を参照してください。
対処
ディスクアレイ装置の設定と GDS のオブジェクト構成を確認し、原因を特定し、原因に応じて以下の対処を行ってください。
(原因 a) に該当する場合は、ディスクアレイ装置のアドバンスト・コピー機構の設定を行ってください。
(原因 b) に該当する場合は、クラスタシステムの全ノードを再起動してください。
(原因 c) または (原因 d) に該当する場合は、以下の (対処 1)、または (対処 2) のいずれかを行ってください
(対処 1)
操作対象のマスタと、EC または REC のセッションが設定されているプロキシを分離する。
sdxproxy Cancel コマンドを使用して、手順 1. の EC または REC のセッションをキャンセルする。
(対処 2)
操作対象のマスタと、EC または REC のセッションが設定されているプロキシの関係を解除する。
(原因 e) から (原因 g) に該当する場合は、必要に応じて、他のオブジェクトを選択するか、または、オブジェクトの構成を変更してください。
(原因 h) に該当する場合は、ディスクアレイ装置の異常、または、ファイバチャネルの経路異常を復旧してください。
(2) 代替ブート環境の設定が 60305 番のエラーで失敗する。【EFI】
説明
ルートクラスのマスタグループに、ファイルシステムやスワップ域として /etc/fstab ファイルに記述されていないボリュームが存在する場合、プロキシグループを指定して sdxproxy Root コマンドを実行すると、以下のエラーメッセージが出力されて、エラーとなります。
sdxproxy: ERROR: プロキシボリューム名: corresponding volume not specified in /etc/fstab
プロキシグループからブートしている場合には、上記の説明の「マスタ」と「プロキシ」を入れ替えた現象が発生します。この場合は、以下の [対処] の「マスタ」と「プロキシ」を入れ替えて対処を行ってください。
対処
以下の構成の場合を例として説明します。
ルートクラス Class1
マスタグループ mg1
mg1 内のマスタボリューム mv1、mv2、mv3
mv1、mv2、mv3 のうち、mv2 は /etc/fstab に記述されていない。
プロキシグループ pg1
pg1 内のプロキシボリューム pv1、pv2、pv3
mg1 と pg1、mv1 と pv1、mv2 と pv2、mv3 と pv3 がそれぞれ関連付けられている。
ルートボリューム mv1
代替ルートボリューム pv1
この構成では、以下のエラーが発生します。
# sdxproxy Root -c Class1 -p pg1
sdxproxy: ERROR: pv2: corresponding volume not specified in /etc/fstab |
以下の対処 a、b のいずれかの方法で対処を行ってください。
(対処 a)
プロキシグループ内のプロキシボリュームのうち、以下の条件を満たすボリュームだけを指定して、sdxproxy Root コマンドを実行します。
/etc/fstab ファイルに記述されているマスタボリュームのプロキシボリューム
/etc/fstab ファイルに記述されているプロキシボリュームのマスタボリューム
/etc/fstab ファイルに記述されているプロキシボリュームのマスタボリュームに関連付けられている他のプロキシボリューム
例)
# sdxproxy Root -c Class1 -p pv1,pv3 |
(対処 b)
以下の手順に従い、マスタグループ内のすべてのボリュームを /etc/fstab に記述し、sdxproxy Root コマンドを実行した後、fstab から不要な記述を削除します。
1) マスタグループ内のマスタボリュームのうち、/etc/fstab に記述されていないボリュームを、/etc/fstab に記述します。
例) /etc/fstab に mv2 の記述を追加する。
2) 代替ブート環境を作成します。
例)
# sdxproxy Root -c Class1 -p pg1 |
3) /etc/fstab から、1) で追加したボリュームの記述を削除します。
4) 代替ルートボリュームを一時的なマウントポイント (例えば、 /work) にマウントし、/work/etc/fstab から、1) で追加したボリュームの代替ボリュームの記述を削除します。
例) pv1 を /work にマウントし、/work/etc/fstab から pv2 の記述を削除する。
5) 代替ルートボリュームをアンマウントします。
例) pv1 をアンマウントする。