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PRIMECLUSTER Global Disk Services  説明書 4.3
FUJITSU Software

7.15.7 最新ディスクが自動選択できない場合の復旧方法

以下の場合、GDSは最新データを持つディスクを判断できないため、ユーザが等価性コピーのコピー元にするディスクを選択し、復旧作業を行う必要があります。

(a) INVALID状態のスライスが存在する状態で業務を運用した後、両ノードを停止し、INVALID状態だったスライスが存在する方のノードでクラスタアプリケーションを強制起動した場合

(b) 待機系を停止した後、両ノードを停止し、待機系だったノードでクラスタアプリケーションを強制起動した場合

(c) クラスタインタコネクトの障害でノード間通信が不可能になった後、運用ノードがパニックし、運用ノードが切り替わった場合

これらの場合、ネットミラーボリュームの起動および等価性コピーは抑止されます。

それぞれの復旧手順は以下のとおりです。

(a) INVALID状態のスライスが存在する状態で業務を運用した後、両ノードを停止し、INVALID状態だったスライスが存在する方のノードでクラスタアプリケーションを強制起動した場合
および (b) 待機系を停止した後、両ノードを停止し、待機系だったノードでクラスタアプリケーションを強制起動した場合

[復旧手順]

  1. 停止しているノードを起動します。

  2. 両ノードのRMSを停止します。

  3. iSCSIデバイスを修復します。
    本手順は、クラスタアプリケーションを最後に強制起動したノードで実行します。

    # /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxiscsi_ctl -F -e init
  4. 停止していたノードのディスクを運用ノードで認識させます。sdxfixコマンドの-dオプションでは、停止していたノードのディスクを指定します。
    本手順は、運用ノードで実行します。

    # sdxfix -D -c クラス名 -d ディスク-x Devlabel

    -x Devlabelは、デバイス情報の修復を行うことを指定するオプションです。本手順以外では指定しないでください。

  5. 等価性コピーのコピー元にするスライスがINVALID状態の場合、スライスの状態を復旧します。sdxfixコマンドの-dオプションでは、等価性コピーのコピー元にするディスクを指定します。
    本手順は、どちらか一方のノードで実行します。

    # sdxfix -V -c クラス名 -v ボリューム名 -d ディスク名 -x NoRdchk

    -x NoRdchkは、スライスのリードチェックを省略するオプションです。本手順以外では指定しないでください。

    最後にクラスタアプリケーションが起動したノードは以下の手順で確認できます。

    両ノードで以下のコマンドを実行し、出力結果を両ノードで比較します。

    # /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxiscsi_ctl -L -e time -c クラス名

    [実行例]

    ノード1

    # /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxiscsi_ctl -L -e time -c class1
    Wed Oct 26 19:13:16 2016

    ノード2

    # /etc/opt/FJSVsdx/bin/sdxiscsi_ctl -L -e time -c class1
    Tue Oct 11 11:34:56 2016

    出力は、実行ノードで最後にクラスタアプリケーションが起動した日時を表します。

    上の例では、ノード1で最後にクラスタアプリケーションが起動していたことがわかります。

  6. ネットミラーボリュームの起動ロックを解除します。
    本手順は、両ノードで実行します。

    # sdxattr -V -c クラス名 -v ボリューム名 -a lock=off
  7. iSCSIデバイス情報を削除します。
    本手順は、両ノードで実行します。

    # rm /var/opt/FJSVsdx/log/.sdxnetmirror_disable.db
  8. 等価性コピーのコピー先にするディスクの状態を復旧します。
    本手順は、どちらか一方のノードで実行します。
    sdxswapコマンドの -d オプションでは、ネットミラーグループ内のディスクのうち、等価性コピーのコピー先にするディスクを指定します。

    # sdxswap -O -c クラス名 -d ディスク名
    # sdxswap -I -c クラス名 -d ディスク名
  9. 両ノードのRMSを起動します。
    このとき、ネットミラーボリュームの等価性コピーが実行されます。


(c) クラスタインタコネクトの障害でノード間通信が不可能になった後、運用ノードがパニックし、運用ノードが切り替わった場合

[復旧手順]

  1. 両ノードのRMSを停止します。

  2. 等価性コピーのコピー元にするスライスがINVALID状態の場合、スライスの状態を復旧します。sdxfixコマンドの-dオプションでは、等価性コピーのコピー元にするディスクを指定します。
    本手順は、どちらか一方のノードで実行します。

    # sdxfix -V -c クラス名 -v ボリューム名 -d ディスク名 -x NoRdchk

    -x NoRdchkは、スライスのリードチェックを省略するオプションです。本手順以外では指定しないでください。

  3. iSCSIデバイス情報を削除します。
    本手順は、両ノードで実行します。

    # rm /var/opt/FJSVsdx/log/.sdxnetmirror_disable.db
  4. 等価性コピーを実行します。
    本手順は、どちらか一方のノードで実行します。

    # sdxcopy -B -c クラス名 -v ボリューム名
  5. 両ノードのRMSを起動します。